第39話アップデート完了!
拠点を出発し各自大型バギーや機体に搭乗して都市へ向かう。阿岸と知り合いや友人関係の人と話が盛り上がってるようだ。
俺の隣には朱里と静里がいる、お母さんが付き合いのある人達といるからか遠慮しているようだ。
「朱里、どうだお母さんが居て?」
「蘇生できるとは聞いていたけれど、複雑な気分よね、私より若いじゃない。でもようやく悲しむ事なんかなくなったって思う、お母さん死んだときから頑張らなきゃってずっと思ってたから」
「私はお母さんとお父さんが揃ってやっと家族みんな揃って嬉しいよ?」
「そうか静里にも随分と待たせてしまったな」
そういうと二人の頭を撫でてあげる。朱里はしぶしぶだが抵抗はしない。静里はむしろ頭を押し付けてきている。
そろそろ都市の防壁が見えて来るところだな、先程から索敵も行っているがゾンビの姿が見えない、マザー以外のゾンビが殆ど侵攻していたのかもしれないな。マザーの調査も並行して行うかな。
防壁を越えると荒れ果て半分以上の建物が消失したり廃墟だらけの街並みになっている、ゾンビが大群で押し寄せて来たからな。がしゃ髑髏がビームを平行に薙ぎ払うだけで何キロもの建物が消失していた、それだけでも何千人下手すると万単位で人が消えて行った。
これは復興に何年かかる事やら。
ギルド
防壁を再建するのか、町を再建するのか、自治区を作るのもありだな。
『ミコトちゃん都市内の生存者どれだけ残ってる?』
『もともとは百万超だったですけどぉ、今は三割の三十万ちょいですかねえ?』
『以外に残っている印象だな、それなら再建も可能か』
『自治権握らないとまたあれそうでぇすね』
それは源三に任せよう、ほら解決。ウチの家は離れたところにあるから無事なのを確認してるし。身内贔屓は大事。
「源三、どうする?」
「はあ~、頭が痛い。協力してくれるか? ああ、それなら衣住食だな。持続性があるな」
「衣、食、なら半年や一年分ならストックはできるもんな。住は比較的無事な家を確保か? さっき調べたんだが人口が百万ぐらいから三十万ほどになってるぞ? 自治権か権力握らないとまずいぞ? 衣食住と安全だな」
「もう死人が町長か市長ならないか? 絶対ならないと思うが」
源三がすでに死にそうな顔をしている、聞こえない振りをして煙草を吸う。
「現在の状況では固まって生活した方がいいな、生活用品や、保存食、武器弾薬とにかく倉庫や残ってる他のギルド会館までたんまり満たしてくれ。後はなんとかする」
「頼もしいねえ。足りない物はリストにしてくれ。機体はそのまま使用していいぞ?訳あってエネルギーキューブが今はない。補充しに行くがな」
「デバイスの通信も今は使用できなくなっている。何かあったら機体から通信いれるぞ?」
了解っと。
阿岸を探しに行くと俺に気づいてこちらに寄って来る、笑顔が怖い。
「ねえ死人? 浮気したの?」
「いや、していないが……」
「相倉と三重と約束したんでしょ? このご時世じゃない? 囲うのは良いけれど私を一番に愛してくれるならいいわよ?」
「俺は阿岸を他に渡さないけどいいのか?」
「だってあなただけ愛しているんだもの? 十年の筋金入りよ? あの二人はどうかわかんないけど」
「わかった、その時は相談するよ」
「私や娘たちも復興作業するけど死人はする事あるんでしょう? 夜にはお家に帰ってきなさいよね?」
現在ハンガーにてハザマの改装中だ■■■が協力すればすぐだがいつも頼るわけにいかない。これが普通だからな。
試しにESPで空を飛んでみる、これはちょっとずつ精神的疲れがたまっていくな、同時に竜の翼を展開。これなら数時間程なら問題ない、ステルス化、装備が消えない。
完全竜化をしてみよう、副腕を擬態化すれば翼を増やせる。
変身してみたのだが凄いなこれは、小型の六翼のドラゴンじゃないか。サイコキネシスでスピードも上げられるみたいだ。音速まではいかないが景色が高速で流れて行く。
ステルス化して黒柱を偵察に行ってみるか。
『ミコトちゃん機体の感知方法ってどうやっているの?』
『機械的探知の方法がメインでしたでぇすよ? 私たちは[見つめる眼]で情報イデアやどんな場所でも詳細にみれまぁす。超高度演算で処理してるからできるんでぇすよ? つまりあの機体じゃ大した索敵できないので黒柱にコッソリ辿り着いてハッキング可能でぇす』
『黒柱狩りに行くぞ』
一番近場の黒柱から五キロ地点ここからは振動探知と熱探知を警戒して、体表面を機械化するが金属反応をしないように質を擬態で変化、ステルス化し地面より離れた状態でゆっくりと侵攻する。風圧にも気を付けないとな。生命探知等異常な機能があれば駄目だが……コアなので生命活動があるのかわからないが。
いずれは情報イデアも擬装できるまで徹底できれば安心だがな。
黒柱まであと一キロ、上空に空戦機が偵察行動をしている、かなり警戒しているな。あと少しで、黒柱に辿りつく、ゆっくりと焦らずに行こう。
『ミコトちゃん触れたら全力で浸食頼むぞ』
『テンカウントあれば余裕デェス』
『行くぞッ!』
黒柱に触れリソースを奪う、浸食の進捗度が視界内に表示される。あと60%、空戦機がこちらに気づくがあと40%、目標が視認できないために攻撃を躊躇っている。あと20%、出たらめに撃ってきやがった、副腕展開、背後に盾を展開、巨人化し防御力を上げる。ビームガンを食らうも持ち堪えている。あと3%。機体が体当たりを仕掛けて来る。残り1%。機体の腕が頭上を通り過ぎ黒柱に激突するも停止。
『リソース奪取完了、操作権限掌握、ハッチ解放、もう侵入できますよぉ~』
『了解』
最後の辺り焦ったな、地下に侵入するのどうかと考えてみたが振動探知が有ったらマズイな、だが試す価値はあるかもしれないな。
施設にあるものを全て接収するこれでモノリスも五つ目か、武装や機体はギルドや阿岸の機体を取って置かないとな。
次に行くか。
◇
空戦機が離れた隙を狙えば奪取が容易になってきている、モノリスを吸収していくたびにミコトちゃんが強化されて行っている。もちろん俺も機体やエネルギーキューブを根こそぎ吸収しているのでハザマが凄い喜んでいる。恐らく機体の改造に付きっ切りなのだろう、途中経過で頭部のバイザーを変更した姿をみたが超カッコよかった。ミコトちゃんには不評だったがな。
これで汚染地域周辺の黒柱は全て接収することに成功した、全部で四十五本だぞ? もうスーパーミコトちゃんと言っても過言ではない。
触れて数秒後には、掌握されるなんて黒柱からしたら悪夢だろう。あんまりやり過ぎると逆襲されるのが今までのパターンだ。気を付けておこう。
いつもはクリティカルに運が悪いがそうじゃない時もあるようだ。おっとフラグは立てないように。
――クエストが達成されやがりました
[リソースが確保されていますリクエスト権が進呈されます]
「最近優しいよな■■■さん。敵が強いのか強くならなきゃいけないのか難しい所だな、強く汎用性がある機能や、何かがあればいいのだが」
――ハンガーに機能が追加されました
[ハンガー拡張]
[ラボラトリー]
[ファクトリー]
[エネルギープラント]
機動戦艦まではいかなかったか、有っても運用が無理だしな。ギルドの人たちは生活があるしこれは俺の使命だからな。
「ミコトちゃん聞いた?」
『ふぉおおおぉ、死人さん凄いですよぉ? これで核石の研究や兵器開発にエネルギーキューブの生産がしぶりますよぉ! コロニーレーザーでも撃ちたいですぅ~』
「ミコトちゃんそれ地球終わっちゃうから」
『……父上ありがとう、これで……かっこよくなる』
「そかそかハザマもうんとカッコよくなろうな」
黒柱の中を使用不能状態になるまで念入りに破壊して帰宅する、他地域に黒柱の調査にいく頃合いかもしれないな。
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