第38話再会!

 夜も開けぬ早朝、目が覚めると共に熱い珈琲を飲みながら、ソファーでだらけている。


 今後の話し合いがどうのこうの会議が行われるらしく先に起きて考えを纏めている所だ、ハンガー内にある素材を使いハザマの強化もしないといけないし阿岸も蘇生しないとな、あれ、今蘇生してビックリドッキリでもいいんじゃないか? よし、するか。やりたいことやんないとストレス溜まるわ。頑張ったし良いよね?


[蘇生]100000ZP 

[蘇生]1000SP


残324723ZP 残12745SP


 必要か分からないが阿岸の骨の欠片を手に乗せ両方とも実行。空間に穴が開き白い塊のようなものが出て来る、これは魂なのか? 情報イデアを可視化しているのかもしれない。手の平からは黒い霧が噴き出す、これは肉体を生成してるな。 


 黒い霧が集まり全裸の女性体が生成されていく。じわりじわりと肌の色に変化していき、黒いショートカットの眠っている幼い少女が裸の状態で現れる、あれ? 若くない? 胸も何故か減っている気がする……マズイ、目が覚めたら怒られるのか?


 白い塊が心臓部に溶けるように入っていき鼓動が始まる。腕の中にお姫様抱っこの状態で蘇生が完了する。

 体温は暖かくとても落ち着く、大きめのタオルを掛け裸が見えないように隠しているとクルリと大きな目が開く。


 こちらをじーっと見つめる。まだ見たままだ。そうかとおもいだし約束の返事を返す。

 

「ただいま。待たせてしまったかなお嫁さん」


「待たされたわ。遅いのよ馬鹿亭主? バカスカ中出しした二人目の娘ちゃんは頑張って育てたのよ? 褒めなさい。それと三人目でも作らない?」


「いい提案だ」


 十五年ぶりの再会の朝はお互いを貪り食うようなキスの嵐から始まった。







 部屋の中には籠った淫臭と煙草の匂いが充満する。戦が終わり煙を吹かしている。ドンドンドンと扉が叩かれ、朱里が入って来る。かなり怒っている様子だな。


「あんたッ! 良くもやってくれたわねッ! 私の仇だったのにッ!」


「誰の仇だって?」


「お母さんよッ! 良くも良くも良くもぉぉぉおお!」


「誰の仇だって? 朱里? そんな子に育てた覚えはないわよ?」


 寝ていた阿岸が布団を捲り上半身裸で朱里に声を掛ける。


「……誰?」


 裸の状態なのと幼過ぎる少女が居る事に大層混乱してるらしい。


「お母さんの姿も忘れたの? 桜おかーさんよ? 朱里も大きくなったわね? 頑張ってる? ほらおいで、よしよししてあげるわ」


「お、おお、お母さん!? なんでぇ? 私より幼くない? ええ!?」


 なんだかんだ傍に寄り添い頭を撫でられている。阿岸が色々と性行為の後で汚れて居なければ感動の対面だが黙っておこう。


「朱里? 静里も呼んできなさい? その間に身嗜み整えておくから」


 朱里がこちらに気づき顔を赤くさせ、慌てて部屋を出て行く。


「あなたを信じて待っていた私の勝ちね。浮気なんて一切してないんだからこれからも愛してね?」


「ああ、もちろんだ」


 身支度をした後、静里とも再開を喜び楽しそうに朝食をとる。

 静里と並ぶと双子にしか見えなくなっている。なぜこんなに若いのかは分からないが本人が嬉しそうなので良しとしよう。







 会議の内容はやはりギルドの拠点と復興をどこを起点に行うかで話し合っている。静里と朱里の隣にシレッと阿岸が座っている誰もまだ気づいていないようだ。


「死人さんー、子ども増えたんですかー?」


 相倉が気になっていたのかとうとう突っ込んでくる。


「ああ、こいつは阿岸 桜だぞ?」


 その瞬間会議室が固まる、まるで時が止まったようだ。源三は死人ならあり得ると変な信頼をしているのか、こめかみを抑えている。


「死人……それマジか?」


 皆の内心を代表して源三が聞いてくる。


「源三も更けたわねー、久しぶりみんな。死人に蘇生してもらったわ。まあ気にしたらしょうがないわよ? 死人だし」


 うんうんと頷かれるとな。死人だし。うん、便利な言葉だな。


「桜ねーさん若くなってないですかー? 羨ましい。あ、私、死人の愛人になりました」


「あ゛? 私が先だろーが? 何言ってんだ相倉? ですよね姉御?」


 相倉と三重が言い争う。これどうすんだよ。


「と、とりあえず議題だけでも終わらせませんか?」


 木山君が果敢にも猛獣に物申すが睨まれ縮こまる。ギルド長何とかせえよ。


「とりあえず、一度都市に向かい状況を把握したい。現在より二時間後出発だ。はやく準備しろッ! あと姐さん久しぶりです会えて嬉しいです」


 ボロボロと源三が泣き出してしまった。もう収集付かないなこれ。


「とりあえず、茶菓子と飲み物出しておくからゆっくり話していけ。いいな阿岸」


「分かったわ、ありがとう。後でね」


 少し睨まれるがそそくさと会議室を出る。後が怖いが俺も準備するかな。







 ハンガー内に入りハザマを呼び出す機体に乗り素材の解体を行う。


『おめでとーございますぅ? ライバルがもどってきちゃいましたぁ~』


『新しい……お母さん』


「おう、良かったぞ。■■■もありがとな。本気で感謝してるぞ? 黒柱も任せろ。ぶっ壊して回るからよ」



――クエストが発行されやがりました

――黒柱を破壊しリソースを奪え



「おうおう、ばっちりやったるよ」


ハザマの機体を駐機状態にどうしたものかと悩む。


「ミコトちゃんこの外殻、装甲に付与できる? かなりの強度だったよなこれ?」


『できますよぅ、生体素材なのでじっくり積層構造に金属と練り込めば伸縮性も防御性能もあがりますぅ。とにかく素材全部取り込んじゃってもいいですよぅ~?』


『……もっと強くなりたい』


「分かった、頭蓋骨を頭部に融合させて口から極大ビームとかできない? 髑髏フェイスと言っても兜のようにしてカッコいい感じにしたいんだけど」


『旦那様のセンスがわからないでぇす』


『カッコいいかも……』


「頼んだよ? 頼もしいミコトお姉ちゃん?」


『しょうがないでぇすね、お姉ちゃんは頑張るのでぇすよ』


 素材を吸収しコアに蓄えて行く、頭部にも核石? いやこれは磁核石に分類されるのか? 重力なのか磁界を操ってたのかは分からないが。顎部を開き「重力波砲ッ!」って黒い光線吐き出したらカッコいいかも。いや「Gravity blast重力波砲!」も捨てがたい。


 男はいくつになってもロマンを追い求めるものだよ。


 現在の個人情報も確認しておくか。


個体情報:コア[死人]シビト

ソウル:[見つめる眼Ⅱ]

ソフト:[格闘Ⅱ][体術Ⅰ][隠密Ⅰ][殺人Ⅳ][生産加工Ⅰ][機械操作Ⅰ][機械不正操作Ⅰ][システム構築Ⅰ]

ハード:[基礎能力Ⅱ][筋力Ⅱ][耐性Ⅱ][同化浸食Ⅲ][機械獣Ⅱ][巨人の血脈Ⅰ][射突の心得][細胞活性][カメレオン]

ツール:[ミコト][ハザマ][ハンガー][お部屋Ⅰ]

タイトル:[指名手配][殺しの極意][獣の系譜][鉄の心得][半流動体][射撃の死神][ネイキッドスタイル] 


 ミコトちゃんとハザマとお部屋が移動しているな。分かり易くしてくれたみたいだな。


「ミコトちゃんお部屋もだけど、ほとんどの[Ⅰ][Ⅱ]を[Ⅲ]にしてもいい? 取得できそうな技能もまとめてさ、背が高くなったりとかの身体の変化を制御できる?」


『お部屋やっと広くなるですぅ~。身体は密度があがりますけど、調整できますよぉ~。本体はコアなんですし5mになってもその都度圧縮すればいいんですよぅ』


「それなら安心して強化できるな。二人とも部屋を頼むぞ?」


『まかせる父上』


[格闘Ⅱ]→[格闘Ⅲ]10000ZP

[体術Ⅰ]→[体術Ⅲ]15000ZP

[隠密Ⅰ]→[隠密Ⅲ]15000ZP

[生産加工Ⅰ]→[生産加工Ⅲ]15000ZP

[機械操作Ⅰ]→[機械操作Ⅲ]15000ZP

[機械不正操作Ⅰ]→[機械不正操作Ⅲ]15000ZP

[システム構築Ⅰ]→[システム構築Ⅲ]15000ZP

[基礎能力Ⅱ]→[基礎能力Ⅲ]10000ZP

[筋力Ⅱ]→[筋力Ⅲ]10000ZP

[耐性Ⅱ]→[耐性Ⅲ]10000ZP

[筋力Ⅱ]→[筋力Ⅲ]10000ZP

[耐性Ⅱ]→[耐性Ⅲ]10000ZP

[機械獣Ⅱ]→[機械獣Ⅲ]10000ZP

[巨人の血脈Ⅰ]→[巨人の血脈Ⅲ]15000ZP

[お部屋Ⅰ]→[お部屋Ⅲ]15000ZP

[四腕四目Ⅲ]16000ZP

[鋼の血潮Ⅲ]16000ZP

[粘菌属Ⅲ]16000ZP

[擬態Ⅲ]16000ZP

[騎兵のプライド]1000ZP

[竜の本能]2000ZP

[五感Ⅲ]16000ZP

[神経Ⅲ]16000ZP

[脳Ⅲ]16000ZP

[ESPⅢ]16000ZP


合計321000ZP


――統合されます


[格闘Ⅲ][体術Ⅲ][隠密Ⅲ]→[身体自在Ⅲ]


[機械操作Ⅲ][機械不正操作Ⅲ][システム構築Ⅲ]→[ウィザードⅢ]


[基礎能力Ⅲ][筋力Ⅲ][耐性Ⅲ][耐性Ⅲ][五感Ⅲ][神経Ⅲ][脳Ⅲ][ESPⅢ][機械獣Ⅲ][巨人の血脈Ⅲ][四腕四目Ⅲ][粘菌属Ⅲ][鋼の血潮Ⅲ][同化浸食Ⅲ][竜の本能][射突の心得][細胞活性][カメレオン][騎兵のプライド]→[アートマン]


個体情報:コア[死人]シビト

ソウル:[見つめる眼Ⅱ]

ソフト:[身体自在Ⅲ][生産加工Ⅲ][ウィザードⅢ][殺人Ⅳ]

ハード:[アートマン]

ツール:[ミコト][ハザマ][ハンガー][お部屋Ⅲ]

タイトル:[邪悪の卵ハンプティ・ダンプティ]


残3723ZP 残12745SP


 スッキリしたわ。あまりにも表示が多くてわからなかったからな。[ウィザードⅢ]は分かるが[アートマン]は内包する自我か? 多種多様に変化するからなのか?


 ついに粘菌属もESPも取ってしまったが。竜化は、ああ、羽が生えるしブレスも吐けるわ。


 腕も副腕あったし今更追加で二本増えても誤差だろ、背部に六本で自前の腕と合計八本……射撃が渋るし伸びるから蜘蛛みたいに歩けるわ、意外と楽しい。


 どこからでもランスを出せるし粘体になって天井も這い寄れるわ。しかもステルス。巨人化は、イテッ、天井を超えてるなこれは、どんだけでかくなるか後で試すか。


 最後はお楽しみESP、これは、サイコキネシス[物質に干渉]が基本で自分を飛ばしたり、極めれば分子操作で発火できる奴だな。テレキネシス[精神波に干渉]思念で会話できたり、心読んだりかな。サイコメトリー[思念情報に干渉]というか干渉というより読み取る力だな。存在情報とかイデアに繋がる能力かもしれないがまだ謎だな。


 タイトルは統合に伴い[邪悪の卵]に纏められたがそれは無いだろうよ……ついに邪悪認定されたのか、SPの数を見ればわかるけどね。後悔はない。


 ■■■さんは俺を邪神にでもしたいのだろうか勘弁してくれ。てけり・り?

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