第33話仲間の戦力強化はするべきだろ!

 ベットに寝かせられている静里の様子をみると穏やかに寝息を立てている、再生剤が聞いてきているようだな。本人の遺伝子マップを参照、細胞を代替生成し再生させる薬剤らしい。黒柱製で不安だがテクノロジー自体は進んでいるのだろう、再生剤はこの世界の人間に効果ありとミコトから聞いている。ソースは■■■さんらしい。

 アンロックされている項目があり200ZPで各薬剤が購入もできるらしい。銃器は1ZPと糞みたいな閉店セールをぶちまけられている。遅いですよ。ほんとに。ガンガンZP使えとおっしゃるのでしょう。足元見てるがまあ買えないこともないしな。うまい事で。

 ここで核石の使い道を見つけてくれたらなーと思うが。属性があるらしくそれを俺がコアに取り込めば魔法をワンチャン使えるかも? と夢を見ている、どうせ魔法ではなく目からビーム(物理)だろうな。わかってるよもう。魔素や魔力なんてないことには。

 回復魔法(笑)で肩を叩かれながら再生剤渡されそうだ。

 

 自身に鉱石みたいのを混ぜるのは不安だがそんなの今更感が半端ない。人間製のレールガンも電核石が使われているので分解して製造してみるのも面白いかもしれない。[機械操作Ⅰ][機械不正操作Ⅰ][システム構築]をミコトちゃんが使用して設計図でも不正に取得し変更改善すればいけるかなと企んでいる。


「朱里の体調はどうだ? 静里は今の所安定しているようだ」


「私は問題ないわよ? ギルドのみんなの治療もありがとう、助かったわ。聞きたい事が千も二千もあるけど後でゆっくり聞かせてもらうわ」


「まあ、端的にあの黒柱? を攻略したらたんまり物資にロボット手に入れただけだがな」


「…………もしかしてビームサーベルと高周波ソードみたいなの有る?」


「あるぞ? ほれ」


 お部屋に手持ち武器を置いてあるので手元にエネルギーキューブを使う高周波ソードを渡す。俺の手を伸ばすブレイドモードは、片刃の刀身のみを表すからブレイドで、柄まであるとソードになる、もちろんソードモードは両刃だ。海外でも刀をカタナソードっていうしね。好みの問題でもあるけどな。


「あとで使い方教えるよロックだけ掛けておくからな」


「すごいわね、なにこれ。いいのもらって?」


「まだあるから使いな、他にもブラスターとかあったぞ。これこれ」


「装備が一気に未来的になったわね。後でまとめて教えてもらうわ」


 それから軽い攻略内容を伝える、驚いてばかりだったが色々危険なことも多かったな。そいえばと思い出し見つめる眼を起動する、前回俺自身が真っ黒だったのに対し朱里や静里じゃ真っ白だ、視点を移動させてると壁の中にまですり抜けることができるようになっていた、たまに黒が少し混じっていても段々と消えて行っているのは抑制剤を投与された人間のようだ、情報イデアをやはり浸食されていたのだろう。

 あとはその人の感情がなんとなくわかる。あー悪い事考えてるなーくらいはわかる。これは悪人殺しが渋るな。町の中に行ったときに試してみよう。情報イデアを分析した結果があの色なのだろう。善悪でないのがキモだな。人間の法律上だけでの判断で善悪がきめられているわけではないしな。感情で情報イデアが増減したり変化を読み取り分析するんだろうな。







 会議室に幹部クラス数名と朱里に俺が座っている、廃墟を改築しているとはいえ黒革の高級感あふれる椅子とソファーはやり過ぎたかもしれない。


「ギルド長の源三ゲンゾウだ、今日はみな知っての通り死人シビトに助けられた、初対面の物も多い為発言の際所属と名前を言ってくれ。議題は異常発生の対処と帰還についてだ」


 ありがたいことに源三が紹介も兼ねてくれるようだ。


「備品管理、および兵站部隊の木山キヤマです。物資、に関しましては問題ありません。この部屋を見る限りむしろ十分な戦闘を行える量が備えられています。のちに銃器と防具一式を頂けることなので各自点検と管理を怠らないようにお願いします」


 爽やか青年タイプだな。眼鏡を掛け短髪で両サイド刈り上げている、これツーブロックっていったっけ?


「戦闘部隊の指揮を執る三重ミエだ装備一式を楽しみにしてるぞ? 負傷者が多かったのだが戦線復帰できるメンバーは多いようだ。精神的な疲れはあるが移動には問題ない。以上だ」


 女性が隊長で指揮を執っているようだ。背は高く筋肉質で目は鋭い髪は肩までで豹みたいな女性だな。阿岸が創設者ならではのギルドカラーだな。


「衛生部隊の相倉アイクラでぇーす。なんなんですかあの薬? 検証できていない薬の投与は本来認められませんがー。緊急なので目を瞑りまーすよー。再生剤という薬剤かなりヤバいです。欠損部が修復していくスピードも原理も分かりません。でもそのおかげで重傷者も明日には治りまーす。安静にしてほしいですが緊急なので撤退するなら明日には問題ないと思いまーす」


 思い出したかのように語尾を伸ばすのはキャラ付けの為か二十後半の年齢っぽく胸がやたらとでか……睨まれたな。


「紹介された、死人だ。銃器も防具も薬剤もあるだけ補給するので会議が終わり次第一緒に倉庫に来てもらう、リストがあるなら素早くまとめておいてくれ。再生剤の効能は科学的に証明できない、遺伝子マップを参照して代替細胞を生成してるらしいからな。経過を見るしかない。不安なら重傷者のみ使用して軽傷者は既存の治療薬を出すからきちんと指定してくれれば準備しよう。あと撤退の際に関しては俺が護衛する検問は突破できないのは知っているいるだろうからその付近までだな。以上」


 源三が目頭を指で掴み悩んでいる、恐らく移動に問題が無さ過ぎたので悩んでいるのだろう。


「このゾンビ大量発生がいつまで続くかによるんだよなぁ。戻るのが早すぎるのもまずいんだよな。徴発されて戦線に立たされる可能性がかなり高い」


「あの試験兵器の話か。ならば帰還をずらしてその間ここの強化をするのははどうだ? 実は良い物があるんだ」


 皆も帰還の話になると苦い顔になる、ならちょっとばかしおもちゃを出して気晴らしでもすると良いだろう。


 皆を外に誘導しある程度の広さに出ると、ハンガーに入室し陸戦機体を起動、まず一機を出してお披露目をする。


「おい死人なんだこりゃあ……おまえ宇宙人とかじゃねえか?」


「死人これかっこいいねッ! 後で乗せてね?」


「死人さんは凄いですね! 兵站部隊としても運用方法に期待が持てますね」


「これ戦闘部隊でも使っていーんなら最強じゃねえか? 乗せてくれよッ!」

 

「へえ~」 


 相倉の反応は悪いな、ロマンが分からない奴め。


「待て待てもう一機出すから待ってな」


 そう言うともう一機起動させ駐機状態にさせる。


『ミコトちゃんこれ誰でも操縦できるようにできる?』


『もともと思念操作するタイプなのでぇ私がクラックして各個人の使用者登録すれば行けますよぅ?』


 腹部のハッチを空けまずは代表である源三にコクピットに搭乗してもらい皆には離れてもらう。ハッチを開けたまま使用者登録をしてもらい操縦桿を握らせる。


「源三これの操縦は思念操作でできる。今はハッチを空けているが締まれば全天周モニターだ安全の為俺がここに居るがまずは手を上げたりすることに意識しろ。歩こうとするのは慣れてからだぞ?」


「わ、分かった」


 そうして右手を上げたりしゃがんだりと一通りの操作をさせる。慣れたらもう一台を使い練習させる。時間がもったいなかったのでもう三機も出して皆で練習していた。中でも相倉が凄い楽しそうにしてたんだが現金な奴だな。操作方法は簡単なので戦闘行動じゃなきゃ使いやすい重機だもんな。


『ミコトちゃんあの陸戦機用のエネルギーキューブでどれくらい持つ?』


『連続戦闘行動ならに二か月は持ちますよぅ、通常モードで作業するだけなら一年は持つんじゃないですかぁ?』


『燃費がいいな。予備のキューブはどれくらいあったっけ?』


『黒柱からごっそり持ってきていますから五機程度なら誤差なくらいありますよぅ~後日二、三本黒柱に襲撃にいきましょうねぇ~』


『了解っと。そいえば俺の機体動力どうなってんの?』


『ないですよ? 一応補助的にキューブ積んでいますが使い過ぎたらすっごい疲れるみたいでぇす? 陸戦機も兵器を機体のエネルギーで流用して使用するとかなりエネルギーが減るから要注意ですぅ』


 暗くなってきたので、ハンガーに全機仕舞うと食堂らしき場所で豪華なフルコースを御馳走する。これで士気は上がるだろう。


「源三、そういえばどうすんだ? おもちゃ出した俺が言うのもなんだが決まってないだろう?」


「とりあえず二、三日待機だな。ギルドの待機組と連絡を取ってタイミングをみて帰るさ。あのおもちゃ貰っていいのか?スペック聞いたがかなりやべえじゃねえか? 空は飛ばねえがレールガンも耐えるんじゃねえのか?」


「関節部を狙われたら破壊されると思うぞ? エネルギーキューブの問題もあるし奪われたら自爆させるから大丈夫だぞ? だから見つかって人質に取られたら構わず渡していいぞ? 拠点で自爆させてやんよ?」


「おかねぇなぁオイ。分かった、この拠点で運営してゾンビ狩りをするのが堅実だな」


「まあ安全性を確保してほしかったからな、マザーに突っ込め言われたら遠慮なく使ってくれ。それとキューブモードで待機させれば四角い箱だから擬装して運びやすいと思うぞ? 5mくらいだからコンテナで通りそうだしな」


「ああ、その手があったか。参考にさせてもらうぞ」


 食事が終わると各自解散し、休息をとる。今日の所は見張りの免除だそうだ。安全な場所ではないことを再確認したよ。

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