第10話殺人祭りの始まりだ

個体情報:ヒューマノイドⅡ型【死人】シビト

ソフト:[格闘Ⅰ][射撃管制Ⅰ][殺人Ⅲ]

ハード:[基礎能力Ⅰ][獣の因子Ⅰ][ロッカー][身長+]

タイトル:[指名手配][警羅官殺し][自衛軍人殺し][民間人殺し][盗賊殺し][ゾンビ絶対殺すマン][芋スナイパー]


残256ZP 残155SP


 少ししか増えていないように思えるが初期段階である[Ⅰ]シリーズが増えるだけでかなりの強化率増加に繋がる。

 [射撃管制Ⅰ]様がいなければとっくに死んでいたと思う。装備自体も防具に変わりはないが火器と偵察用にドローンが増えたな、ロッカーに入るといいが。


 ハンドガンがグロッキュ18と予備にFSB10、アサルトライフルがM5AZ、スナイパーライフルがG40だな。

 グレネードランチャーも欲しかったが手榴弾をで我慢、あいにくZPがきつかったため先送りだ。そこまで火器に詳しくなかった為に有名所か信頼性の高いものを選択させてもらった。壊れるまで使い倒していくつもりだからな。

 あとはおなじみ剣鉈とハンドアックスとコンポジットボウ。使い勝手が良すぎてヘビーローテーションしている、むしろ愛が芽生えそうだ。


 減音機サプレッサーつけていてもライフル程の射程を確保していなければ気付かれやすいんだよ、避難民がいなくなったおかげで音が立てづらくなってきたんだ。

 住宅地が密集してるためにもっぱら矢でサクサク仕留めていたから一番キルレート高いかもしれない。


 掘り出し物が一点だけあってステルスコートなんだけれど本当に周囲の風景や色彩に溶け込むように変化する。

 熱エネルギー変換式だから頑丈で長持ちらしいが唯一の欠点は夜間仕様に難点がある。充電されないからね、どこの国が開発したんだろう?

 アイコンのカテゴリーは古典武器だったのが納得いかない。


 胸と軽くたたき[ロッカー]を開くハンドガンと刀剣類、防具にステルスコートは装備して残りは仕舞ってしまおう。

 愛用のガスマスクの密閉感が心地よすぎて顔から離れなくなりそうだ。最後に――幼女ちゃん(仮)、狭いけどちゃんと棚を分けておくからね。入っていくのは俺の心臓だからずっと一緒だな。ニコリと笑い返されてしまった、マジ生首天使。


 忘れ物はないかな。恐らく自衛軍が網を張っている気がする、逃げ切れればいいのだがステルスコートの連続使用時間に問題があるし山間部では無い為山に逃げることもできない。

 恐らく包囲は完了している。ゾンビの始末付ければいいのに人間狩りを優先するとは呆れるな。死んでどうぞ。



 無線から聞こえてくる声には緊張感が混じる、かなりの犠牲者が出ているために本腰を入れての逮捕、討伐作戦が開始される。各員が配置についている態が目に浮かぶようだ。


「こちら第七分隊。西側の包囲は完了した どうぞ」


『こちら第三分隊~。南側も包囲は完了した どうぞ』


『こちら作戦司令部。目標のシグナルロスト、作戦開始せよ どうぞ』


「殺人鬼が舐めやがって。絶対ぶっ殺してやる」


 口の悪い自衛軍人が顔を歪ませて殺意を漲らせる。現在地はテーブルに地図を広げ一人で通信を熟している。軍人は配置につき隊長格は指示を出しているようだ。


 辛酸を嘗めさせられた為か指先で苛立たし気にコツコツとテーブルを叩く。


「さっさと出てこい。仕留めてやるッ!」


「ところがぎっちょんッ!」


 以前よりも倍以上に強化された膂力でハンドアックスを握りしめ腰と腕のしなりに加え全身で隊長の首筋を平行に薙ぎ払う。勢いよく首が両断され大量の鮮血が降り注ぐ。景気づけにぶった切ったが、回避がギリギリで危なく汚れるところだった。

 携帯端末以外に発信源が特定されるものは火器類しかないために再度検査をするしかないな。ステルスコートで遮断されたか[ロッカー]に収納してるからかな?


「さて、地獄に送ってやりますか」


 殺る気は十分、報復を開始する。



死人@shibito

ゾンビ絶対殺すマン

拡散希望【画像】自衛軍隊長格

まずはワンキル



「こちら第一部隊ッ! 奴はどこにいるッ! 第七分隊と連絡が付かないぞッ!」


『こちら第三分隊ッ! 包囲を広げ凄ぎて各個撃破されて行っています、このままではうちの部隊も――カペッ』


「おいッ! どうしたッ! 状況を報告せよ!」


『残~念~』



死人@shibito

ゾンビ絶対殺すマン

拡散希望【画像】第七分隊殲滅完了

まだまだいくぞー



 生垣に潜み狙いを定める、すでに他の軍人は始末している。


『こちら司令部。第二、三、六、七、八分隊と通信途絶。応援の可否を問う どうぞ』


「こちら第一部隊ッ! 至急応援求む! 現在私しか残っていない! 奴にやられたッ! は、早く助けてく――」


 額のど真ん中を矢が貫く。屋根の上にステルスコートで隠れ潜みスナイプ、最終目標である作戦司令本部に移動を開始する。



死人@shibito

ゾンビ絶対殺すマン

拡散希望【画像】分隊全滅

残るは作戦司令本部のみ お ま た せ



 避難民がいなくなった小学校に設立されている作戦司令本部。現在すべて軍人が慌ただしく防衛の為の装備を確認している、戦闘要員ではなかったため各々の手が俄かに震えている。


「おいッ! 応援はまだ来ていないのか? 目標は異常だッ! あっという間に全滅じゃないか」


「応援じゃなくて救助の方が正しいのかもしれないわね、最初から手を出すべきじゃなかったのよ!?」


「うるせーな! 今更ガタガタいってんじゃねえ、やっちまったもんは仕方ないんだ」

 

 パリンと破壊音。音源を辿れば足元に破片手榴弾。


「逃げろ!」


 自衛軍人が叫ぶも即座に破裂、装備が整っていたために致命傷にはならず蹲る。コツンと軽快な音が聞こえた。眼前にはパイナップルが一つ。わあ美味しそうですね。


「DEA~TH」


 作戦司令本部は二階に設置されていたため、排水パイプをよじ登り壁際に張り付いて観察をしていた所だ。

 程よく集まった所で破片手榴弾を投擲。とどめを刺しに行きますか。

 ハンドガンのスライドを引くと気持ちのいい音が響いた。



死人@shibito

ゾンビ絶対殺すマン

拡散希望【画像】作戦司令部陥落

探し回っているが生き残りはいないかな?

おつかれーっした

ドロップアイテムゴチDEATH



 ガチャガチャと車内には火器類に携行装備が乱雑に積まれている、先の戦闘による鹵獲品だ。ちょっと遠出して拠点を確保次第棚にでも突っ込んでおこう。


 軍用車両で市街地に向けて走行しているが封鎖や検問があるかもしれない。

 車両や装備を捨てて行けばすんなり入れるが弾薬を捨てて本体だけでも詰めるだけ[ロッカー]に入れておこうかな。


 避難民は人口の少ない山間部や防御しやすい過疎地域に仮設住宅を急造しているみたいだ、おそらく食料も住居もすべてが足りない状況だろう。

 未だにゾンビへと攻勢に出ていない、すでに生存圏をかけて戦うべき段階にいるはずだ。


 市の外れにインフラの供給設備が揃っているはずだからまだまだ停止はしないだろう。

 もしも避難所で検査漏れでゾンビに発症し、アウトブレイクが起きたらいよいよ終わりの始まりだな。


 ZPゾンビポイントじゃなくてSPソウルポイントが溜まっていくのはなぜか悲しい気持ちになる。殺しは慣れたけれどあの人数がどれだけの戦力になったかもう少し考えて欲しかった。だが殺しに来るのならば報復するしかない、舐められるわけにはいかない。


残207ZP 残274SP

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