第5話マーダーキラーと呼ばないで
新しい項目がアンロックされたが今はそれどころではない。
バリケードの隙間から店内を窺うと通路に五人地べたに座り込み酒盛りをしてやがる、イイ御身分だな。
外から見える範囲ではこいつらだけだな、助けを求める女性は奥のバックヤードにいる可能性が高い。一人二人始末するくらいなら矢で射れば問題ないが複数人となるとバレるのは仕方がないか。問題は人質を取られたりすると難しい所だな。
現在42ZPで購入できる殲滅武器を探してみるとするか、ハンドガンやライフルなどは未だに高くて購入できない。楽をするなってことか? 現代兵器を古典武器扱いしてるくせにZP高めとか舐めてるだろ、手榴弾やスタングレネードは一個1ZP、高いのか安いのかいまいち分からないな。破裂音に閃光とかゾンビホイホイなので使いずらい、店内の密集地帯なら使える投擲武器だな。
破片手榴弾1ZP
スタングレネード1ZP
残42ZP
攻撃だの閃光や催涙と多種多様に種類があるが分かり易く殺傷力の高そうなものを選択、世界各国によって名前はまちまちだが恐らく俺に分かり易い名前に変更されていそうだな、このソート機能適当だし。
3ZPの出費で購入、一つは手に残りはベルトに引っ掛ける。矢筒には十分の矢があり、残りは39ZPだ。コレなかなか増えないよな。
投擲しやすそうなポイントに陣取り作戦開始、コンパウンドボウと矢筒を降ろしスタンバイ。射撃管制システム起動、網膜にレティクルが投影される。手の中にあるピンを抜き投擲、床に並べてある酒瓶に命中、酒をまき散らし音を立てて倒れる。
「うおっあぶねー」
「なんだこれ」
「ん? おい! これ」
破裂音。少しでも被害を与えようと破片をまき散らし炸裂する、グッボーイ。
周囲は阿鼻叫喚、呻き声が響き渡る一番近い場所にいた奴は意識があるのか怪しいがな。
コンパウンドボウ構え素早く速射する、レティクルに表示された瞬間に二射三射と放つ。この距離では外さない、外れても行動不能にできればいい。
激しい破裂音を聞いて警戒しているのかバックヤードにつながる窓から様子を伺っているのが見える、警官隊でも来たと恐れているのだろうか?
集まってこないのなら好都合だ、引き続き矢を放ちとどめを刺す、勢い余って出てこないということは人質がいることは確実だな、警戒してやがる。
気をでかくして犯罪はする癖に気のちっちぇことだな。
素早くスタングレネードを二個購入。思念操作のメリットはこういうシームレスに行動できるところだよな、詳細や説明はないから不親切だけど。
背中に弓と矢筒を背負い侵入、しゃがみながら死角に陣取る。窓には顔を張り付けている間抜けが伺える、出入り口はスイングドアは突入は容易だな。
ゆっくり立ち上がるとスタングレネードのピンを抜き全力でドアを蹴り開ける、廊下に転がっている隙に投擲。
閉じかけるスイングドアに素早く身を隠し、間もなく閃光と爆音。こんなに音が響くとは思わなかったなと呑気に考えながらも、もがき苦しんでいる奴の頭に、抜いてあった剣鉈を一撃、視認できる範囲で残り七。
回収の間が惜しい、右手の剣鉈を転がっている奴の心臓にグリップを両手で握り突き刺す入りが甘い、そういえば肋骨に沿って刃を平行に刺さないといけないと豆知識があったような気がする。
胸部からずるりと刃を引き抜き、平行にしてから二撃目。するりと気持ちよく侵入、致命傷だろう。残り六。
両手に剣鉈
剣鉈フリークではないのだがいかんせん使いやすい、耐久力も破壊力も高いからな。
気分転換に大振りなハンドアックス召喚、チンピラの脳漿をぶちまける。
ハンドアックスの方が抜けやすいな、継戦能力有りだな。
残りの三匹も始末することができ周囲を確認する、微かに呻き声が聞こえるのは休憩室らしき場所だな。
安全のために奥の商品の保管場所もゆっくりと確認する、目につきにくいゴミ置き場付近に数体の男性の死体が放置されている四十代ぐらいか?
客なのか人質の親族なのかはわからないがひでぇ事しやがる。
再び休憩所前に戻りゆっくりと仲を窺う、見える範囲で男が四人、人質の女性が六人裸でぐちょぐちょに汚れている。
頭に血が上り、冷静になれなくなりつつある、まずい。[殺人Ⅲ]の効果だろうか?
先程のように流れるように殺人を犯していたのだが何も感じないでいる俺がいる。
催涙手榴弾とガスマスクを購入する、顔にガスマスクを装着し小窓をハンドアックスで破壊し催涙手榴弾を投擲する。
あいにく俺は交渉などに向いていない、犯罪者絶対殺すマンの化身ととなろう。
咳き込みもがき苦しむ奴らは一丁前に鈍器などを装備しているようだ、人質の女性達も苦しんでいるようだが、心の中ですまないと頭を下げておく。
「うヴぇ、ゲホッゲホッ」
「糞がぁッ!」
「ぶっ殺してやる!」
「ぎゃあぁあぁ」
叫び声の中に裸の成人女性もいるが――いやほんとごめん。
勢いをつけて扉をけ破る、施錠をされていたのかガキリと音を立て錠が飛んでいく。
少し足が痛いが女性の口を押えていた男の脳天のハンドアックスと振り下ろす、人質の頭に鮮血が降り注ぐが祝いのシャンパン代わりと思ってくれ。
すぐ隣にいた男の側頭部に一撃、一緒に女子高生も倒れ込むが気にしない。
侵入者に気づいたのか咽び泣きながらもこちらに鈍器を振り下ろしてくる、ハンドアックスで打ち上げるも血糊のせいで鈍器と一緒に吹っ飛んでいく。まずいと思うも前蹴りで壁際に備え付けられているロッカーにまで叩きつける。
追撃する為に駆け寄りハンドアックスで脳天にとどめ。
残りはいないかと周囲を見渡すと、デスクが並べられている影に敵の残り一人が。幼子の首筋に包丁を突き付けてこちらを怯えながらもにらんでいる。いつの間にか離れていたのだろう失敗したな。
「こいつがどうなってもいいのか!?」
包丁を握る手はブルブルと震えている、精液濡れの裸の幼女を人質に取ってる状況で俺からの死は免れられないだろうがな。
デスク下に隠れることにより催涙手榴弾は免れたか、小賢しい奴め。まあ気持ちはわかる。
次々に頭をカチ割る、両手にハンドアックス、顔にガスマスク、黒いパーカーを深く被っている不審者だからな。マーダーキラーとでも思われているのだろうか?
「警羅官だ、降伏すれば悪いようにはしない」
「嘘つけッ! ケンちゃんを殺しやがって! 武器を捨てて跪け!」
こちらに包丁を向け示威行動をとってがる。ゆっくりと武器を放り投げ両手を頭の後ろに隠す、命令通りに行ったのか口角をあげ汚い笑みを浮かべてやがる。
射撃管制システム起動レティクルを奴の顔面に捕捉する。
「わかった。人質にはひどいことするなよ?」
「うるせえ! 早くしろ!」
汚い唾を飛ばしやがる、茶番を終わらせるか。後ろ手に小ぶりの投擲できるハンドアックスを召喚、跪こうとする振りをしながらレティクルに赤いポイントを合わせる。
握りしめる感触を確かめながら水平に全力で投擲。風を切り裂きながら男の顔面に命中、幼女の身長が低かったためスムーズにいけてよかった。
とどめをさすために倒れ込んだ男の胸部を足で抑える、腰の剣鉈を抜き首筋目掛けての一撃。切れ味が悪い為念のためもう一撃。ビクンビクン跳ねているが仕留めることができたようだ。
他に残党がいないか念のために索敵をして安全確認をする、また人質に取られてしまったらたまらないからな。剣鉈とハンドアックスも回収する。
スタングレネード×2
剣鉈×2
ハンドアックス×3
催涙手榴弾×2
ガスマスク×1
消費10ZP 残29ZP
珍しく網膜デバイスが親切に合計値を出してくれている、普段が不親切すぎてそれだけでも感動してしまう俺がいる。ヤンキーがいい事すると良く見えるってやつだな、まあ普段からちゃんとしろよと思う。問題はこいつだ。
――ソウルポイントを獲得しやがりました
残18
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