人前が苦手な私は、生徒会を陰から支える事にしました

東條 九音

第1話 第65代生徒会発足しました

「それじゃあ一応コレが、初めての新生徒会初の会議となります。今日は取り敢えず、自己紹介と役職を決めたら終了ね?」


 顧問の先生が話す。……自己紹介って必要かな?ここに居る人たちって同じ小学校出身で一応顔見知りの人物ばかり。確かに、市の境界沿いにある中学校だから初めましての人も居るにはいるが、少なくともこの生徒会には初対面の人物はいない。


「生徒会顧問を担当する事になった、田中恵たなかめぐみです。これから一年間よろしくね。それじゃあ会長から」

「はい。って言っても、顔見知りしか居ないね。改めまして、尾道おのみち天音あまねです。みんなよろしくね」


 全員が軽くパチパチと拍手を贈る。それが鳴り止むと隣に座った男子が口を開いた。


松永まつなが拓斗たくとです。よろしく」


 全員顔見知りとあり、淡々と進んでいく。


倉敷くらしき咲耶さくやです。これからよろしく!」

三原みはら美咲みさきです。みんなよろしくね♪」


 自分の番が回ってきた。拍手が止むのを待って私は喋り出す。


「えっと、高須たかすつむぎです。……よろしく、です」


 ちなみに、四席を着けて一つの大きな机にし、五人の生徒と一人の教師が音楽室に集まっていた。時間は昼休憩。席順番は自分から見て左側に倉敷咲耶さんと三原美咲さん、正面に教師の田中恵先生、右側に生徒会長になった尾道天音さんと松永拓斗くん。


「あれ?全員顔見知りだったのかしら?」


 田中先生の言葉に全員頷く。


「偶然ですけどね」

「そうだったのね。先生知らなかったわ。……っと時間も無いから次ね。それじゃあこれから、役職を決めていきたいと思います。会長は決まっているから、あとは副会長、書記、会計、庶務。簡単に説明をすると、うちの学校では役職はあくまで肩書きです」


 田中先生のその説明によると基本、全員で取り組む方針ためやることに差はないらしい。しいて言うと、副会長は会長についで表立つ事が多くて、書記は主に意見出しの時の板書を行い、会計は予算案等なの発表を行い、庶務はその他含めての事。

 正直どの役職に就いても忙しさは変わらないらしい。それなら自分は目立たない方が好み……と言うか、目立たない事を条件に入ったのだから、庶務が良いなあ。


「なので事前に、生徒会会長と私で決めましたので任命する形になります。では尾道さん、ここからは」

「はい。じゃあ副会長からね。副会長は咲耶。書記、拓斗。会計、美咲。庶務、紬。異論ある人は?」


 別に異論はない。他のメンバーを同じく異論は無かったようだ。すんなりと決まった。


「じゃあ続けるね。後日任命式が行われて、御披露目。その後から、本格的に動き出すからよろしくね。先生、今日はもう」

「えぇ、解散で良いわよ」

「わかりました。そう言うことで、これからよろしくね、みんな!」

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