クラス対抗戦のために皆で練習していたらアルマンが大怪我したと教えられました
それから何度かアドが突撃してきたが、メラニーらにすげなく追い出されていた。
アドはノエルらにお菓子も渡していたが、
私に声掛けようとしたノエルはメラニーに睨まて、
「殿下すいません。うちの鬼嫁が、煩くて、フランはしばらく無理です」
アドに首を振るし、私もメラニーに睨まれてアドには手を振ることしか出来なかった。
メラニーの言うよに今年のクラス対抗戦はなかなか大変そうだった。
戦力の整っているのは将来の騎士や魔術師を目指しているアドのクラス三年A組と
二年A組、それと一年A組、更に何故か飛び級してきた俊英の揃う一年E組だった。
何しろ一年E組は去年の我がクラスよりも戦力的には遥かにアップしていた。
メラニー言うには悪巧みするメラニーが二人もいるんだとか。
私はヴァンとジェドはメラニーほど腹黒くないと言うと
「そう、思っているのはあんたたげよ」
と即座に否定されたんだけど。
「この戦力で、勝つには普通にしていても無理なのよ。だから今回は機密情報もできる限り流出を防がなければいけないから、フランにも悪いと思うけれど、協力してもらうわ」
メラニーが言ってくれるが、情報漏洩もクソも漏らされていけないような情報はないと思うんだけど……
対抗戦は前回のようにクイズにそこまで重点は置かれていない。
昨年は優勝百点と正解した問題数かける二十点もらえたが、今回はその半分の優勝五十点、一問正解について十点だ。
最大百五十点にしかならい。
前回みたいな点差では到底勝てないのだ。他の底上げするしか無いんだけど。
一方の剣術と魔術だが、各クラス4名。全十五クラスなので、六十名。
一回勝てば十点。トーナメントで決勝まで勝てれば六試合で六十点。優勝したら魔術で五十点。最大110点ももらえる。参加した4人が準決勝まで残れば240点だ。まあ、それはあり得なかったが。
剣術ではなんと優勝には百点も与えられるんだけど、なんで剣術だけが多いのか判らなかった。
「おそらく、殿下が剣術に出られるから最後の華を持たせるためじゃないの」
メラニーにさらっと言われてしまったんだけど。
「うーん、剣術は前回出た俺ら4人だろう」
「魔術もフラン様が魔術使えないから俺ら4人だろう」
アルマンとオーレリアンが言ってくれるんだけど。
アルマンは前回決勝トーナメントまで残ったからまだなんとかなるかもしれないけれど、魔術はオーレリアンらではなかなか難しいだろう。
「でも、騎馬戦はどうするの? 前回やった幻作戦は今回は使えないんでしょ」
「そうなのよ。そこが難しくて。何しろ1人1種目しかエントリーできないから」
私の言葉にメラニーが悩みながら言う。
「それに何よ、この癒やし競争って。誰が勝つか判っている競技じゃない」
私がプログラムを見つけていちゃもんをつけた。
「誰か、怪我でもさせたのを治すのか?」
バンジャマンが聞くと
「そんな事させたら大変じゃない。虐待と間違われても困るし。なんでも枯れた花を使うみたいよ」
「癒やし魔術ってそんなのピンク頭以外に誰か使えるの?」
「ぼつぼついるみたいよ」
私が聞くとメラニーが答えてくれた。でも、このEクラスではいないだろう。
「俺は聖女は出来て当然だから、フランみたいに参加禁止だろうって発言したんだけど」
「『フランソワーズさんの場合は死人が出るかもしれないけれど、聖女様の場合は死人が出ないから可能でしょう』ってフェリシー先生がおっしゃったのよ」
「何よ、それは」
メラニーの言葉に私は目を吊り上げた。
「取り敢えず、どういう組み合わせが良いが今日一日考えるわ」
「そうだな。それを元に、後はその組み合わせで練習あるのみだ」
メラニーの言葉にアルマンが言う。
「じゃあ、皆、取り敢えず、今回も絶対に勝とう」
私が言うと
「「「おう!!」」」
皆頷いてくれた。元気だけは良かった。
翌日から私達はメラニーの決めた競技でそれぞれ練習を始めたのだ。
アルマンら剣術組とオーレリアンら魔術組は朝練と放課後遅くまで練習していた。
私はオーレリアンら魔術組に徹底的に稽古をつけたのだ。
毎日、オーレリアンがボロボロになるまで。
こんな事して良いのかと言うほど、衝撃波を連続して放ったり、4人を一斉に攻撃したりと徹底的にしごいた。
彼らは私のしごきに耐えた結果、障壁の展開も攻撃のスピードも格段に早くなってきた。
毎日、私にボロボロにされていて、彼ら自身は気付いていないみたいだったが。
「くらえ」
オーレリアンが衝撃波を放つが、一瞬で展開した私の障壁で防がれる。と同時に私が衝撃波を繰り出す。
オーレリアンはなんとかそれを障壁で防いだ時だ。
「大変よ」
魔術訓練場にオリーブが駆け込んできた。
「どうしたの? オリーブ」
オリーブの方を見ながら私はオーレリアンに衝撃波を放った。
油断したのかオーレリアンが弾き飛ばされた。
「何油断しているのよ」
「酷いですよフラン様」
弾き飛ばされたオーレリアンが泣き言を言う。
「フラン様。アルマンが大怪我をしたんです」
「何ですって」
オリーブの声に、私達は慌ててアルマンのところに向かったのだった。
****************************************************************
ここまで読んでいただいてありがとうございます。
剣術戦過去最高成績のアルマンがリタイヤか?
二年E組の連覇に黄信号が灯る!
どうするフラン。
詳しくは次話お楽しみに!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます