4 若年ホームレス 坂山大智の生い立ち
俺は
最近まで飲食店で働いていたが、流行り病の影響で失職してしまい帰る家も失った者だ。
本来なら失業してしまったのなら実家に帰る手段もある訳だが残念ながら俺にはそれが出来ない。
なぜなら、俺には親が居ないからだ。
物心着いた頃の俺は既に、児童養護施設という場所で暮らしていて本当の親も誰か分からなく、高校の頃に俺が先生と呼んでいた職員の人の話だと、俺が赤ん坊の頃に両親は離婚して、母親の方に引き取られたらしいのだがそのまま一緒に暮らすのは無理だとして俺はそこに入所されられたらしいのだ。
まぁ、元々デキ婚だったらしく子への愛情も無い様なろくでもない親だったらしいからなんとも言えないんだけどさ。
んで、高校卒業と同時に、そこの施設も退所する事となり寮付きの飲食店で働いてた感じで順風爛漫だった訳だけど、さっきも話した通り流行り病のせいで客足が遠のいてそこが無くなり、事実上のクビを宣告された訳で寮も出ないと行けなくなり、最小限の私物を詰め込んだキャリーケースとリュックで徘徊して、日雇い労働で銭を稼ぎ公園のベンチや、河川敷の下等で夜を明かす様な生活をする様になってしまった。
だけど、俺はまだ若い方だから何とかなると思い、前向きで考えていたのだが、それらが崩れ去るとは思いもしなかった。
その理由は、とある日の事でたまたまその日の天気は雨で野宿する事は無理だなと思い、安いネカフェに泊まった事が仇となった。
そして、俺は個室で眠っている最中にどうやら放火事件に巻き込まれた様で、気がついた時には既にもうあの世と言うか、夢の中なのかも分からない別の世界に居てしまったかの様な感覚になってしまったのだ。
俺の人生ろくなもんじゃなかったなぁ…と思いながら歩いてるとその先に3人の人影が見えた。
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