2 元アイドル 月夢みおんの生い立ち

私は月夢つきむみおん。

高校生の頃に芸能事務所にスカウトされて数年間アイドルをやっていたの。

だけど今、高層ビルの屋上の縁に裸足のまま立っているわ。

元々、私は大手芸能事務所に所属していた、自分で言うのもなんだけど、売れっ子アイドルグループのメンバーの1人で沢山のファンが居たのも事実なのよ。

だけどそれは昔の話で、ある1枚の写真のせいで、私の人生は崩壊してしまったの。

それはある日の事、私はバラエティ番組の収録を終えて、マネージャーの運転する車で仕事からの帰路に辿ってる時に気付かない内に週刊誌の記者に写真を撮られてたみたいで、それが翌週の雑誌に記載され根も葉もないスキャンダルにされた事で私のやっていたSNSや、ネット掲示板でも誹謗中傷の内容が止まない大炎上と化してしまったの。

その取り上げられた内容は、ただマネージャーに送迎してもらい、護衛の為に私がマンションの一室に入るまで付き添ってもらっただけなのに、その高級マンションの玄関に入る時に写真を撮られ、私がパパ活してるみたいな感じだった。

私は直ぐに事実とは違うって弁明出したけど、それも世間は受け入れて貰えず逆に、ファンだった人達はアンチになってしまい家族も脅迫され、疎遠になってしまったのと私の住んでる家も特定され、連日嫌がらせを受けるようになってしまい仕事にも行けなくなってしまった。

だけど、同じくとばっちりを受けたマネージャーや、所属事務所の社長は、優しくて励ましてくれたりして「ほとぼりが冷めるまで休んでもいいから」と言って、弁護士と相談するしようって言ってくれたけど、それでもやってないにしろ私のせいで他のメンバーにも迷惑を掛けてしまっていて申し訳ない気持ちでいっぱいで、引退する事にしたの。

そして、それから数日後の深夜に都内の高層ビルの屋上の縁に裸足のまま立って今に至っているって訳。

私は頭が悪い方だから、これ以上色んな人に迷惑かける訳にも行かない。

連絡も全て途絶えさせた状態で、私は一呼吸整えた後に「パパ…ママ…こんな親不孝な娘でごめんなさい。

そして、こんな私を愛してくれたみんなありがとう…」綴った置き手紙を私の足元に置いて、その上に

自分のスマホを重り代わりに置いた後にそのまま飛び降りて、この世界とサヨナラしちゃったわ…。

落下している時に思ったのは、明日にはニュースで取り上げられるだろうけども、悲しむ人なんてそんなに居ないだろうなぁって感じで涙を流しながら…。


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