らいあー²! 〜Truth of wolf = Lie of girl~
大文字多軌
#1 それは耳と尻尾の生えた……①
どうしてこんな事になってしまったんだろう。
どうして自宅のテーブルを挟んだ向こう側に女の子がいるんだ!
時刻は深夜の0時を回っている。このまま、このまま寝るのか? 寝るって別に、いやらしい意味じゃない。人間誰しも睡眠は必要だ。何もおかしいことじゃない!
おかしくない。
おかしいのはやはり……
「こんな時間に俺の部屋に女子がいるってことーーっ!」
「いきなり大きな声ださないで……。耳が痛いです……」
「ご、ごめん……」
改めて今の状況が理解できず、思わず大きな声を上げてしまった。だが、理解しろと言われても無理なものは無理だ!
目の前には、超が付くほどの美少女がいるのだから。
腰のあたりまで伸びた白い髪。もう少し正確に言うなら白よりか銀色の方が近いだろう。それはまるで、降り積もった白雪に陽の光が当たって光り輝くみたいな……。顔の作りだって、アイドル以上だと思う。潤いのある白い肌にくりっとした目、長いまつ毛がより一層可愛らしさを演出していた。薄いピンクの唇は妖艶に映る。
プロポーションだって完璧だ。強調しすぎない大きな胸に細いウエスト、膨らみのわかるお尻。どこを見ても非の打ち所なんてなかった。
だが、俺が理解できないのはそんなことじゃない。確かに美少女一人、健全な男子高校生の部屋に男と二人きりでいるのは理解し難い。更に問題なのは……。
この美少女には、耳と尻尾がついているのだ!
「
「さっきあんなに食べただろう……」
「え〜、1時間前だよ!」
「あの量食べて1時間後にそれか……」
ご飯を下さいとジト目で訴えてくる。しかし、顔では不貞腐れるようにしているが尻尾は正直だ。
シャツを少し
「……駄目だ。こんなことしてたら金がなくなる」
「え〜~。ケチ〜〜!」
要求を断られた彼女は、プイッと視線を逸らす。胸の前で手を組み如何にも怒ってる風ではあるが、頭から生えている大きな耳は、先程とは変わり綺麗に折り畳まれていた。尻尾もへなってしていた。
俺は溜め息を吐き出し、何故こんなことになったのかを静かに思い返していた。
そう、この〈おおかみ少女〉
《作者より》
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