第17話

なんで?なんで?


最初はそればかりが頭を埋めていた。


でもそれに対する答えはすぐに分かった。


「れいちゃんの好きな人とった。」

「人のものとっちゃダメなんだよ~。」



ああ、だからか。


変に納得してしまった。


小学校の頃から周りの男の子よりも冷静でかっこよく見えたあの子はクラスの女子から人気があった。


れいちゃんもその1人だったのだ。


あの告白に浮かれていた自分がバカみたいだ。

次の日からいじめられることになるなんて知らずに。


最初はかわいいものだったから耐えられた。

でも小学生は若い分残酷だ。


これでだめならと、どんどんエスカレートしてくる。

止めたら次は自分が、と思っているのか他のクラスメイトは見て見ぬふり。


みんな自分の世界を守るのに必死だ。


でも最初の1週間はあの子のおかげで頑張れた。

あの子が告白してくれたのはれいちゃんじゃなくて私。

そう思うことで頑張れた。


頑張れてた。のに。


「ねぇ、どうせまだ告白に返してないんでしょ。今返してよ。この教室で。」


その日は一段とひどかった。

靴箱には生ごみ、お弁当は移動教室中に捨てられ、トイレでは水を浴びせられた。

昼休みは鬼ごっこと称して延々走らされた。


その放課後。

まだクラスの人も多く残っている状況で、そんなことを言い出した。


さらにれいちゃんは近づいてきて、


「絶対断れよ。断らなかったら、明日からもっと頑張らないとね。」


そう耳元で言ってきた。






頑張れてたはずなのに。

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