第4話
「神原、おはー。」
「和彦(かずひこ)、昨日のドラマ見た?」
「おはよう。テストやべー。和彦は勉強した?」
俺が教室に入るやいなやクラスメイトが話しかけてきた。
俺はそれらに適当に返答しながら、自分の席に座った。
「おい、和。俺見たぞ。今日櫻井さんと一緒に学校来てただろ。」
前の席に座っている雅人(まさと)が後ろを振り返り、にやにやとこちらを見てきた。
「ちょうど電車であったんだよ。それでそのままの流れで一緒に来ただけ。やめろ、その顔。きもちわりい。」
俺は雅人の冷やかしに少し既視感を感じながら、イラっとした気持ちに任せて雅人の顔面を手のひらでホールドした。
「痛え痛えっ。離して、ごめんっ。」
そう言って雅人は顔を揺らしながら俺の手をつかんできた。
「ったく。小学生みたいなからかい方しやがって。」
「ごめんって。そっかお前ら地元一緒だもんな。てかあんな田舎から来てんのお前らくらいじゃね。地元にも高校くらいあるだろ。なんでそっち行かなかったんだよ。」
俺は回答に戸惑った。特に理由はないと思いたかったし、だからといってこの高校を選んだ理由もない。
「なんでだろうな。電車通学してみたかったからかな。」
「なんじゃそりゃ。」
少し間が空いて返答したが、雅人は特に何も思わなかったのか、俺の理由を聞いてただただ呆れていた。
「それよりさ、今日のお昼も食堂行くよな?何食べる?」
嫌な記憶を思い出しそうになって、急いで話題を変えた。
「最近ラーメンばっかり選んでるから今日は親子丼にしようかな。」
「あー、親子丼ありだな。俺は--------------------」
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