第3話
学校に着いた。
今日も変わりばえのない1日が過ぎていくんだろうな。
そんなことを思いながら私は隣で上履きに履き替えている神原君に話しかけた。
「神原君、先に教室に行ってて。私、図書室に寄ってから向かうね。」
「お、了解。お互いテスト頑張ろうな。」
そう言って神原君は右手を軽く挙げると、階段を上がり教室に向かっていった。
私は一息つく。
「ふうー。」
神原君は誰にでも分け隔てなく接するため、男女ともに人気のある人だ。
暗くて面白みのない私にも話しかけてくれる。
ただ、神原君の人の好さが私には居心地が悪いときがある。
それにあまり人と話さないため、たまに誰かと話すと緊張で疲れてしまう。
その中でも神原君と話した後は有名人に会ったかのような緊張感がある。
図書館に特に用はなかったが、休憩がてら朝礼が始まるまでいよう。
そう思い、私は図書室を目指して歩き出した。
図書室に向かう道中で何人かとすれ違ったが、皆学校というものをだるそうにしつつも楽しんでいるようである。
楽しそうな生徒を見て、私は「この中に何人くらい今まで死にたいと思ったことがある人がいるのだろう」と思った。
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