不明なメモ1

おはよう。

ちゃんと眠れたかどうか、不安になってると思うから教えてあげるけど、僕はこれを書いたら眠るので、このメモに表示されてる時刻からだいぶ時間が経ってたら、ちゃんと寝てたってことになるよ。


勝手に薬をもらったり女の人と話したりしたのは、悪かったと思ってる。ごめん。

君のこと心配だったんだ。僕が急にいなくなって、君がおかしくなってしまわないか。

でも君がおかしくなったのは、ほとんど僕のせいだよね。ごめんね。

あの女の人は悪い人じゃないし、たぶん君の友達になってくれるんじゃないかと思うんだ。だからそんなに警戒しないで。あと僕は、僕の話しかしてないから安心してよ。

君の話は、君があの人に自分の話をしたくなったときにするといいよ。


たくさん不安にさせてごめんなさい。

僕はちゃんと幸せだったよ。25年とかいう、短い人生だったけど。そのうちの3年、君といられて、君が僕の隣にいてくれて。


僕はあのとき君がどんな顔してたか、よく覚えてるんだ。朦朧とする意識の中で君が何にもできないって顔でただただ僕のことをみてるの。あの時にそんなこと考えてたとは知らなかったけど。

それで、そこで意識が途切れて、何日か後に、君の中で目が覚めた。僕がいなくなってから、君の生活がめちゃくちゃになっていることがわかったから、君が疲れちゃいそうなことは僕がやることにした。

でも結局、君の身体だから、君が疲れてしまうんだけどね。

医者は僕たちのことを二重人格って言ってたけど、僕にはどうしても、あのときあの瞬間に君の身体の中に入り込んでしまったとしか思えないんだ。君はどう思う?


本当は僕から君に連絡を取ったりしないつもりだったんだけど、君をあんまり不安にさせるのもなんだか申し訳なくて、それでこんなものを書いています。


ずっと同じになりたいって言ってたでしょう、僕と。だから君にとってはこの状況はむしろ願ったり叶ったり、なのかな?

僕は、君に触っても自分に触ってるのとおんなじなのが、とっても寂しいです。


冬夜 より

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