第2話保育園にて

ここは、某保育園。年に1度の七夕祭り会で保護者も集まる。

広い部屋に、チビッ子、保護者、保育士が集まっている。

司会の園長さんがマイクを持って園児に話しかける。

「さあ、みなさん、今日は特別ゲストのトリスおじさんと人形のたくや君が来ています。みんなで、たくや君を呼ぼう。せーの」


た~く~や~く~ん


「やぁ、皆さん。お揃いで。ねえ、たくや君お友達がたくさんいるよ!」

【トリスのおじさん。僕はもう37なんだよね。おじさんとコンビ組んでから、30年だよ!夢も希望もねえや】

保護者はニヤニヤしている。

「チビッ子のみんな~、夏に食べるもので、美味しいしモノをたくや君に教えてあげてよ」


スイカ~!かき氷!ガリガリ君!


「たくや君、みんな美味しそうな食べ物、教えてくれたよ!」

【食べる気しないなぁ~】

「じゃ、何が食べたいの?」

【トリスおじさん。夏っていったら、鮎でしょ?】

「鮎ね~」

【串に刺して塩焼きや、背ごしも、ビールが進むねぇ】


たくや君、子供なのに、お酒飲んじゃためだぞ!

そうだ、そうだ!


【だまらっしゃい!僕は37歳って言ってるでしょ~が!】

「チビッ子のみんな~、たくや君は37歳なんだ。君たちのお父さん、お母さんより、歳上かも知れないよ」


こんな、人形なんか面白くないっ!


園児たちは、積み木を投げ始めた。

トリスおじさんとたくや君は事務所に戻った。

「すいませんね。トリスさん。謝礼です」

「ありがとうございました。また、呼んで下さい」

帰りの電車の中で封筒の中身を確認した。

7万円入っていた。

その晩は、焼き肉へ行った。

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