下層からにご期待ー
さて、6階ここから中層でBランクからだから、難易度もちと上がるだろう。
上層は味気無くて、暇だったし。
「若干コケが多くなったか?」
通路に生えているコケが増えた、何て言うか遺跡感が増した。
シュ~ サッ
「危ねっ!シッ!」
暗闇から蛇が飛んできたので、即座に首を切り落とす。
こいつは、スタンスネークか。
この蛇に噛まれると、名前の通り気絶するのではなく、気絶したように体が動かせなくなる。
こいつはCランクなのだが、高ランクの魔物との戦闘中に現れると非常に厄介な魔物らしい。
そりゃ、体動かなかったら一瞬で負けるしね。
「コケのせいで同化されて見えにくかったな、こういう風にこのコケ機能するのか面倒くさい」
記録を閲覧しながら、最短距離で下へ行く階段を目指す。
まだ、蛇以外に新しい魔物来てないな。
ん~あんま変わんなっ!
「とっとと、幽霊…レイスか」
人っぽい形の白い靄が突如攻撃してきた。
レイスは確か物理無効だっけ。
「一応試すか、長剣」スンッ
なるほどっ!
「だから危ないって、後ホントに物理効かんな」
剣は綺麗にすり抜け、レイスが攻撃してきた。
何か撃ってくるし、近付けば物体を通過して逃亡か。
攻撃動作が少なすぎて、回避タイミングがムズイ。
「けどまあ、こうすれば簡単だろ」バンッ
そうなんのか、レイスは壁に入ることで弾を回避した。
じゃあ、壁に入る前に打ち抜けばいい。
「
倒せたか、まだ余裕だな。
地味にもう昼過ぎか、中層半分のセーフティーエリアと言ったが中層全部いけるかもな。
因みにセーフティーエリアは5の段の階にあり、地上帰還の転移陣は10の段の階に存在する。
ん~と、じゃ、何かあるまでカットで。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
特に何もなかったぜ。
いやマジで、本当に此処最難関迷宮か?楽勝過ぎる。
10階ってことで、元の目標の中層半分のセーフティーエリアに着いた。
人がいたような形跡の有る広場だ。
ま、多分もう転移陣で帰って人いないんだろうな。
「今日は中層を攻略したら、終わりにするか」
いくらこうやって野宿できる場所があっても、迷宮内は嫌だ。
ふかふかのベットで寝たいし。
贅沢を言っているのは分かるが、そっちの方が良いに決まっている。
「さっさと終わらせよう」
思ったが推奨ランクBなんだから、基本Cの敵しか出ないんだから俺が苦戦しないのは当然なのか。
むしろ苦戦した方が駄目だな。
後で、最難関迷宮について若干調べるか。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
ん?これは……誰かが戦ってるのか?
然も、乱戦っぽい?
面倒くさぁ~もう15階で中層終わりだから、帰ろうと思ったのに。
はぁ~見逃せない自分が恨めしい。
「クソが、危機的状況じゃなきゃ、ぶちのめす」
うん、唯の八つ当たりだな。
音を頼りに目的の場所へと向かう。
こっちは大広間か、でも目的無く入る場所じゃないんだよな。
迷宮に存在する大きく開けた場所はセーフティーエリア以外は魔物がかなりの頻度で出現し、一定数倒さないと無限に魔物が湧き続けるという仕掛けがある。
冒険者にはモンスターハウスとか言われてる、高ランク冒険者が資金策とか素材の為に使う以外は基本的に避けられている。
後は、ランクが上がったばかりの初心者が不注意で引っ掛かるくらいか。
「さて、どっちでしょうかね」
高ランクなら特に問題ないのだが、初心者だと面倒。
いや、そうでもないか、魔物も一瞬で片付けれるし。
「お~やってるねぇ~しかもご丁寧に押されてる」
広間の入り口から中を覗くと四人の男女(俺と同じかちょっと上)が大量の魔物と交戦している。
レイス、グール、アーマースケルトン、くらいか?
グールは、俺くらいのサイズで角の生えた所々腐ったような感じの人型の魔物。
アーマースケルトンは、スケルトンの上位種で鎧とついているが鎧だけでなく武器を扱って攻撃してくる。
全体でB-ってとこか、一応声掛けてから助けるか。
「あの~助けいりますか~!」
「済まないっ!頼むっ!」
「了解~」
黒白を杖に変え、集中する。
カルーさんの使ってたあれやるか。
「
辺りが凍結し今いる全ての魔物が凍った。
試験の時は、作り出した氷塊や雪が空間を冷やし凍結させてるのかと思ったけど、逆だったらしい。
空間の温度を極限まで下げることで、空気中の水分が凍り氷塊や雪になるらしい。
然も、凍ったものは意のままに操れるみたいだ、使いやすい~。
「ありがとう、助かった」
「いえいえ、ではっ!」
「あちょっ!待って!」
俺はもう帰って休みたいんだ。
だから全力で無視してその場を離れる。
話とか面倒だし、一緒に行動すると戻るのに時間かかる。
まだ全然迷宮を感じられてないな、明日からの下層に期待しよう。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
戻ってきた。
ん?帰りも少しは話をしろ?
代わり映えしないし、人とも会わなかったから特に話すこと無いよ。
というか結構な時間奈落に居たのに会ったのは、最後の四人だけだった。
全然音しなかったし、何か行かない方が良い日とか決まっているんだろうか。
そこら辺も明日、ギルドで見るか。
「温泉に行ってみよう」
既に夕食を食べた後で、お風呂に入ろうとしたが温泉のことを思い出した。
風波の半分くらい店舗に温泉があるらしい。
ここはあるとこみたいだ。
アヴァロンではお風呂だったし、此間の一週間はユナさん達の家ていうか多分
昨日はシャワーだけだったから、まだ俺は温泉を堪能していない!
創設者が
愉しみだ。
「この時間帯は空いてるって旅館の人言ってたし」
青の暖簾を潜り脱衣所に入る。
服を脱いでっと、ストレージに入れるか。
ドアを開ける。
ガラガラッ
「なるほど、いいね」
中央に岩造りの露天風呂があり、左右が洗い場で、奥はよく見えんけど別の物があるっぽい。
先ず体を洗おう。
「石鹸は分かるが、ボディーソープとかシャンプーってどこで作ってんだろ」
元の世界にあったその二つが普通に置かれてる。
ボディタオルでソープを泡立てて体に付ける。
今日そこそこ動いたし、魔物の汁とか飛んでるかもしれないからしっかりやる。
次にシャンプーを手に出して髪に丁寧に付ける。
この白い長い髪は、今や俺の自慢で手入れは欠かしていない。
痛まないように何時も丁寧にゆっくりと洗っている。
一週間の内はユナさんがやってくれた、人にやられると何かくすぐったくて気持ちよかった。
ん?何一緒に入ってるんだ、だって?
仕方ないだろ拒否して逃げたら、またあの銀の鎖に拘束されて連れていかれたんだから。
あの鎖マジで理不尽すぎる、触れられた瞬間に何も出来なくなる。
そして、連れられた俺は色々と体を洗われ、一緒にお風呂に入っていた。
然も、途中でローズさんとか皆入ってくるの!何もしなかった俺を褒めて欲しいものだよ。
時間が経ったのでシャワーで体と髪を洗う。
「よし、これでオッケー」
では、温泉を堪能しよう!
音を立てないようにゆっくり入る。
「ふぁ~良いぃ~ねぇ~」
何か不思議と声出るよね。
正直サイズ感としては、ユナさん達の屋敷と差は無いけど、雰囲気の差が大きいんだよなぁ。
そして、俺以外に人が一人も居ない。
人が少ない時間と言ってもゼロって凄くないか?
俺にとっては好都合だから良いけど。
ゆっくりが一番だぁ~。
ユナさん達と入れるのは嬉しくはあるが、緊張が先行して体が安まないんだよ。
(楽しそうだったよね?君)
っす~何のことだかわかりませんが?
そんなことよりオセロしましょう、リュミス様。
(レイ誤魔化すの苦手だよね、まあいい乗ろう) ポンッ
目の前の空中にオセロが現れた。
(雑談しながらゆっくりやろうか、念じればそこに石現れるから)
便利すぎる、じゃ、俺黒でお願いします。
(じゃあ、僕が白だね、いくらオセロとは言え君に負ける気は無いよ)
望むところですね。
ま、そんな本気過ぎると休め無いんで何かしながらにしようっと。
……そうだ、久しぶりにアレの確認しよ~。
「ステータス…」
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▼▽▼▽▼▽
名前…<レイナイト・タナトス・カラーレス>
年齢…15
種族…人族
称号…「死天神の使徒」「死を扱う者」「武器主」「世界を渡る者」「アルビノ」
「盤上遊戯愛好家」
HP…201000/201000
MP…20450/20450
体力…A
防御力…B
攻撃力…A+
魔力…B
精神力…A
知力…B+
敏捷性…S+
素早さ…S
器用さ…A
運…S
NS…身体強化 思考強化 軽業 料理 分析
RS…[武術][魔道知識]
SS…⁅極撃⁆⁅次元操作⁆
US…『武器主』『記憶庫』『暴食』
EXS…《死》
加護…死天神の寵愛 暴食王魔の関心
装備…武器
{千変万化 ノワール・ブラン}
{戦壊無刃 ホロウ・エンド}
防具
{黒星竜装 白星}
装身具
{解析計 トゥルース・オブザーバー}
{時空計 クロノ・コーロス}
{ストレージリング}
▲△▲△▲△
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軽業 NS
PS
軽業時に素早さが上昇
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[武術] RS
PS
武の一端に立ち全ての基本術を扱うこと
が可能になる
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[魔道知識] RS
PS
魔道の一端に触れそれを扱うことが可能
になる
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色々上がってんなぁ。
HPMPが二倍ちょっとと精神力知力が一つ位が上がったみたいだな。
スキルも少し手に入れたし。
リュミス様にボッコボコにされたお陰ですね。
(順調に強くなってくれて、僕は嬉しいよ)
強くされてるが合ってると思いますけどね。
まあ、シンラ達と再会した時に負けるわけにはいかないんで頑張りますけど。
(その調子だね、角もらいっと)
順調に押されてるねぇ。
でもこの感じも久しぶりだな、異世界に来て初めてかもしれん。
(ユナちゃん達ともあったんじゃない?)
何て言うか、あるにはあったとも言ってもいいですけど。
自然体というか、繕わずいるのは久しぶりな感じが。
(きっとそんなにしない内に、繕わ無くても彼女らと過ごせると思うよ)
ん?何か知ってるんですか?
(そうだね、君に大きなものが来るよ)
それって教えてもらえませんよね?
(当然、教えないからこそ今回は意味があるのさ、その後は今より話せること増えると思うよ)
何があるんでしょうかねぇ~楽しみにしてます。
(うん、これで僕の勝ちだね)
「つ、強い」
そっちだけに集中してないとしても一色負けとか久しぶりなんですけど。
次やりましょ、次は負けません。
(本当に好きだよね、いいさ、しようか)
その後、五回やったが全敗した。
強すぎ、容赦がなさすぎる。
それで気落ちした俺は部屋に戻り、転がるようにベットに飛び込んで泥のように寝た。
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