第1章 黒の始点
エンカウントォォ!!
辺り一面にひろがっているのは、先ほどの森とは似ても似つかない銀世界。
「ハハハハッ、蜂などこの世から滅べ!!!」
恐らく、俺は蜂にびっくりしたことで、
「落ち着け俺よ、今怒鳴り散らしたところで、体力を奪われて、魔物に見つかり、死ぬだけだぞ」
落ち着くんだ、意味がないんだから。
ここから戻った暁には、あの森一帯の蜂を根絶やしにしよう、そうしよう。
「それにしても、どこなんだよ此処、いやさっきまでの森も分からんかったけど」
肉眼で見えるもので言うと右、雪、左、雪、後ろ、雪、前、雪、以上。
だって、仕方ないだろ馬鹿みたいに雪降ってて全然見えないんだから。
大体、こんなとこ、寒くて行動できな……あれ?
「全ッ然ッ、寒くないんだが?どうなってんだこれ?」
どういうことだ?
………ああっ!そういうことか!
これ、白星の能力か。
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{黒星竜装 白星}
死天神が自分の服装に似せて作った防具
装備者と共に成長し、使い続けるほど、
装備者に馴染む、黒星竜の素材が使われ
ているため基本の全てに耐性がある
装備能力 全環境耐性 全属性耐性
成長適応 破壊不能 清浄化
製作者 死天神 リュミス・タナトス
▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△
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全環境耐性、これのお陰か。
ありがとう!神様!出来れば俺も自由に変形できるようにして欲しかったけど。
いや、贅沢言ってるのはわかってるけど、ナユタとシンラのは、形を自由に変えられるんだぜ、そしたら俺だけ綺麗とはいえ、毎日同じ服着てるやつだと思われるだろうが。
まあそれは置いておいて、今この時から俺、レイナイト・カラーレスは死天神様を信仰することを誓います。
マジで、ありがうございます!リュミス様!これ無かったら死んでました!
(君には、期待しているからさ、頑張ってね)
はい!…え?
今、反射的に返したが、何故声がするんだ?
俺は、今一人のはずだろ?
(それは当然僕が、レイに話かけているからさ)
え?いや、え?……マジです?
(フフッ、本当さ、ステータス見てみたら?)
「ハハッ、そんなわけ……ステータス……」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――▼▽▼▽▼▽▼
名前…<レイナイト・タナトス・カラーレス>
年齢…15
種族…人族
称号…「死天神の使徒」「武器主」「世界を渡る者」「アルビノ」
「盤上遊戯愛好家」
HP…74206/100000
MP…12/10000
体力…A
防御力…B
攻撃力…A+
魔力…B
精神力…A-
知力…B
敏捷性…S+
素早さ…S
器用さ…A
運…S
NS…身体強化 思考強化 料理 分析
SS…⁅極撃⁆⁅次元操作⁆
US…『武器主』『記憶庫』『暴食』
エクストラスキル(EXS)…《死》
加護…死天神の寵愛 暴食王魔の関心
装備…武器
{千変万化 ノワール・ブラン}
防具
{黒星竜装 白星}
装身具
{解析計 トゥルース・オブザーバー}
{時空計 クロノ・コーロス}
▲△▲△▲△▲
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――――――――――――――――――――
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《
AS
死天神の寵愛を受けた者のみが使用可能
なスキル、死天神の権能の一部を完全に
行使できる、発動すると世界の理の範疇
に在るものに死の強制付与が可能になる
自身との格が違いすぎると、死が自身へ
返ってくる
代償 死の損失
▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△
――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――
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死天神の寵愛
加護
死天神リュミス・タナトスに誓いを立て
寵愛を授かり、使徒となった証
効果 天王念話 不老 死耐性 誓約
《死》使用許可
▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△
――――――――――――――――――――
何かメッチャヤバいのが増えてるんですけど、リュミス様ぁ~~!
後、魔力すっからかんだし、体力も削れてるんですけどー!
(フフッ、良いねその反応)
こっちは全然、良くないよ!!
出来れば、どうしてこうなったかと死と寵愛について教えてください。
(仕方ないね、僕は使徒には優しくするタイプだから、教えてあげるよ♪)
うわぁーメッチャ楽しそう、それに使徒って?
(先ずは、どうしてここに来たかだね。レイはさっきまで神秘の大森林っていうとこに居たんだけど、レイは試しに
そうですね、神秘の大森林ってなんです?
(この世界については後で詳しく説明するから、今は置いておくよ。レイは空間跳躍する時に蜂に驚いた、ここまでは覚えてるよね?)
覚えてます、チッ、蜂など死滅しろ!
(フフッ、驚いたことで君の集中が乱れ、それに伴い空間跳躍の指定も乱れた。結果的に直線状で魔力の限界までレイは転移したのさ。魔力を急に消費したから気を失った、体力が減っているのは直線状の上空に移動したから、地面に体を打ち付けたダメージだね)
「はぁー」
溜息が出る、マジ何してんだよ。
(そう言わないでさ、元気出して)
ありがとうございます、リュミス様。
それで、不満は無いですがどうして僕は使徒になったんです?
(ああそれは、レイが僕に誓ったからさ)
誓ったって、さっきの[死天神様を信仰することを誓います]のことですか?
(そうそれだよ、加護を受けた者が、その加護与えた神や悪魔に見られている状態でその神や悪魔に誓いを立てることで加護が寵愛へと変化し、使徒となるのさ)
その、良かったんですか?俺でも。
(別にいいよ、レイのことは気に入ってるしね。それに誓いと言っても、そこまで硬くないよ。君は僕を信仰するという誓いを立てたけど、僕を信仰してさえいれば特に問題ないさ。勿論悪いことは駄目だけどね)
う~ん例えば、リュミス様に信仰していて、その心さえ変えなければ、他の神や悪魔も信仰しても良いってことですか?
(そうだね、僕を信仰していれば、モノとかサクラとか天王神魔誰でも信仰していいよ、それに僕達同士は仲良いから別に何も問題ないね)
他の寵愛の効果は、どんなのですか?
(不老、死耐性、《死》使用許可についてはそのままだね。若干死耐性が強くなっているくらいかな、天王念話っていううのは許可みたいなものだね、僕と君は寵愛で繋がっているからこうして話しているけど、本来はできないんだ。でも天王念話の効果がある装備などを持っていると、国の大聖堂とかにある端末で僕達との念話ができるのさ)
不老…か、まあなってしまった仕方ない、あいつらも巻き込もう。
では、誓約は?
(誓約は、君が僕との誓いを破った時に君のスキルが全て消える効果があるよ)
なるほど、誓うからには全力で守れ、破ると力を失うぞということか。
ありがとうございます、次に《死》ってどんなの何ですか?
(そうだね~、丁度良いから実戦で覚えようか♪)
「え?うごあっ!!」
突如、背後から強烈な風が吹き、俺は雪の中に突っ込んだ。
急いで体を起こして、後ろを向いた、そこには。
グォオオォォーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!
耳を劈くような咆哮をする、全長10m以上ある
「リュミス様…ハハッ、俺、最初の魔物は、スライムが良いと思います」
(さあ、張り切っていこうか♪)
「『
今の魔力無し状態だと
(無理さ、竜種は適応した環境では、通常より強さが跳ね上がるからね)
ヒュウゥーーーーーーー!!
何だこの音?
(あ、ブレスが来るよ、全力でジャンプだね♪)
楽しそうですねぇ、リュミス様ぁ!
「
両足に極撃を発動し力を籠めジャンプする。
リュミス様が全力でと言ったので全力で飛んだ、20mくらいか?飛びすぎたか。
ズゴゴゴゴゴ!!!
「全然飛びすぎじゃねえな!」
放たれたブレスは途轍もない勢いで地面を削りながら、俺の下すれすれを通って行った。
あいつ体長10mくらいなんだけどナー。
ヤバすぎる強すぎだろ、勝てるのか?これ?
(大丈夫、急所を狙って全力で行けば一撃さ♪)
楽しみすぎじゃないすか?
竜種って、どんな特徴があるんです?
(竜種は高い魔法と物理両方の耐性を持つことが特徴だよ。適応した属性なら9割カットだね、だからといって弱点属性ができるわけでもないんだけど)
俺は魔法使えないから、属性は関係ないが物理にも耐性あるんじゃ勝てなくない?
(あっ、そろそろ地面だからね)
「タイミングゥ!喰らえ!」ドゴーン!
暴食で、地面に触れる時に衝撃を捕食した。
「ギリオーケーだな」
これは、暴食の検証の時に発見したものだ、あらゆるものを捕食分解できるなら、形が無くてもいけるんじゃ?と思ったらやったら成功した、けど完全には捕食しきれなくて少し流れてきた、足がピリピリする。
ヴォン!!
「休む時間くらいくれ!」
白竜は、右手の爪で攻撃してきた。
それを間一髪で回避する。
左右から爪の連撃が来る
「リュッ、ミス様ッ、どうすれっ、ばっ、いいんっ、ですかっ!」
爪を回避しながら、何とか伝える。
何でこいつ、この図体でこんな早く攻撃できんだよ!
(やることは簡単、《死》を使い白竜の耐性を殺し、頭を全力で殴るこれで良い)
「耐性っ、を殺す!?」
(君が暴食で衝撃を捕食したのと同じさ。形の無いもの、運命、未来、法則、概念すら僕の権能なら殺すことが出来る、けど《死》使った回数、君は死を失う)
「死を、失っ、うっ!?」
爪がうざ過ぎる、けどこれ本来きっと避けられないだろう、記憶庫で攻撃の前兆がわかるからできる芸当だ。
(死を失うっていうのは、死の運命が消えるってこと、つまり君は《死》使った回数死ねなくなる)
「死ねっ、無くっ、なるっ、別に、良くない!?」
(これを使い続ければ君は、不老不死となってしまう。悠久を生きる僕達と違って、刹那を生きる君にこれは酷なことだと思うよ。老いず、死なず、周りの者は死に消えていく、そして辛く苦しいくても死ぬことができないから逃げることもできない道だ。それでも、君はこの力を使うのかい?)
俺は、再度極撃を使い上空へと逃げ、答える。
「先のこと何て俺には分からない、けどそれって結局来る運命なんだよ。何事にも基本的には終わりが来るものだ。故に俺は自分の選んだ道を否定しない!後悔はするだろうけど、それも俺自身の選択だと納得し受け止める。だから!今、全力を尽くす!それに、使わなきゃその未来にすら、たどり着くことはできねぇよ!!」
……………
(くくっ、やっぱり君は最高だ!脅すようなこと言って悪かったね。ナユタとシンラのことは大丈夫さ、きっと二人とも使徒になるからね。死ねないなんて言ったが、君が死を失っても殺せる存在はいるから安心して欲しい♪)
それは、安心していいのだろうか?敵に居たら駄目じゃないか?
(攻撃するのは、次のブレスの後だ、ぶっつけ本番で、使うのは不安だろうから地面に当たるときの衝撃を殺して感覚を掴んでね♪)
「無茶ぶりが過ぎるんですっ、ガントレットッ!
ブンッ!!! ガンッ!
白竜は俺が落ちている最中に、尻尾を叩きつけてきやがった。
体が吹き飛ばされる。
落ちるタイミングを計り、イメージを固めろ。
ここだ!
「『死ね』…よっしゃー!成功!」
ヒュウゥーーーーーーー!!
(ブレスが来るよ、次、本番ね♪)
「本番早すぎだと思うんだけど!!クソッ、極撃っ!、
極撃で飛び上がる。
ガントレットを右手のみにして、ブレスの上を通り、白竜の頭へと向かう。
白竜の青い瞳が俺を見る。
(タイミングが重要だよ。逃せばさっきの死の損失で生き残れるけど、頭に行くことを警戒されて攻撃が出来なくなる、そして最終的に死ぬよ。だから死ぬ気の全力でぶん殴った方が良いよ)
「了解っ!極撃!」
もう白竜の頭は眼前だ。
俺は集中し、強くイメージする。
右手をに全力を籠める、そして。
「『死ね』」
言葉と共に白竜の眉間の辺りを全力で光る拳を叩きつけた。
何かの音と共に白竜は後ろに倒れこんだ。
「喰らえ」トスン
暴食で衝撃を捕食し、白竜の腹の上に着地する。
「終わったのか?」
(うん、そうだね、完全に生命活動を停止しているね、君の勝ちだよ、レイ)
「よっしゃー!」ボヨン!
竜のお腹って柔らかいんだな。
最初の魔物が竜とか、どこの自殺志願者だよ。
「生きてるって、素晴らしい――!!」
(僕の使徒とは、思えないこと言うね)
「死の神の使徒だからこそだよ、生というものがあるから死も尊く感じるんだよ」
『死』そのものが素晴らしいのではなく、生の謳歌した後の死にこそ意味があり素晴らしんだ、自殺や自己犠牲何て命をただ捨てているだけだ。
(そうか、やっぱり君は良いね、僕を新しい考えに導てくれる♪)
お気に召したようで良かったですよ。
「それにしても、これ「ねぇ」どう……」
「ねぇ、君」
「……何です?」
こいつ、俺の感知に反応しなかったんだが。
「こんなところで何してるの?」
「ただ寝てっ………」
「ん?」
後ろに居たのは、見惚れるほど美しい、魔女の恰好をした銀髪の少女だった。
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