僕もそれでいいと思うー



ナユタ・スノーホワイト View


「じゃ、俺は少し散策してくる」


「わかったのです」


「いってらっしゃーい」


 レイが森の方に行ったのです。

 色々とやることがありますが、先ずは。


「皆さん、大丈夫なのです?」


「ああ大丈夫だ」


「凄まじい、殺気でした」


「ヤバかったっすね」


「あれは、凄い」


「妹、死ぬかと思った」


「姉、私も」


「ナイっちは、マジになるとホントーにヤバいからねー」


 元の世界でも、偶になっているとこは見たのですけど、ここまで強いのは、結構久しぶりなのです。

 恐らく、異世界に来たというストレスから目を逸らしてたみたいなのですけど、この一件で爆発して表面に出てしまったというところなのです。

 後でフォローを入れておくとするのです。


「それじゃあ、先ず自己紹介からなのです」


「僕から行こうか―、ぼくは、シンラ・レオパルドよろしくねー」


「私は、ナユタ・スノーホワイトなのです、それと今行った白黒のがレイナイト・カラーレスなのです。」


「ではこちらからも、私達は、ここから東にある『空雷国ジェラウナ』の迷宮都市メイジスで活動している、Aランクパーティー七色の誇りカラーズ・プライドの、守護職ガーディアンのガイル・フォレスだ」


「同じく七色カラーズ所属、回復職ヒーラーのマリー・フォレスです」


「同じく、射手職シューターのアッシュ・ビーアンっす」


「同じく、魔法職マジシャン、シアロ・ハートリン」


「同じく、格闘職グラップラーのミル・サイオンジです!」


「同じく、偵察職シーフのメル・サイオンジでしゅ!」


 ガイルさんとマリーさんは夫婦なのでしょうか?

 あと、最後の人嚙んだのです、それにサイオンジってどういうことでしょうか?


「と言ったが、君たちには国名、都市名やジョブを言っても分からないのではないか?」


「っ!それはつまり、僕達が何者か分かってるってこと?」


「ああ、そうだ」


 この人、恐らく私達が異世界人だと気づいているのです。

 ま、でも警戒する必要ないのです、大方私達以外にもそういう人がいたのです。

 もしかしたら、私達のような人がいることは常識かもしれないのですから。

 警戒は、しますけどね。


「では、私達は、何者なのでしょうか?」


「貴殿達は、恐らく漂流者ドリフターではないかと私は、思っている」


「ドリフター?」


 ドリフターって確か漂流者でしたのです。

 つまり私たちは。


「偶然や何らかの出来事に巻き込まれた者ということですか」


「その通り、やはりその反応からして当たっていたようだな」


「あっ、姉!やっ、やっぱやらかしてるよ!」


「い、妹、あ、安心しろ、だ、だだ、大丈夫だからっ!」


「二人とも、うるさい」


「落ち着いて欲しいっすねー」


「そうならないように、これから頼むのですから落ち着きなさい」


 何故、ミルさんとメルさんは、慌てているのでしょう?


「それについては、私から説明させてもらおう」


 ん?ああ、顔に出てたのですか。


「君達のような漂流者を初対面で攻撃することは法で禁止されている、相手が先に攻撃してきた場合は例外だがね」


「でもそれはこの世界の人にもしていいものではないのですよ?」


「ああ、そういうわけでわなく、漂流者を攻撃すること対する刑が通常よりも重くなっているのだよ」


「具体的にはー?」


「この世界の住人、つまり私達同士の場合には、罰金、資格剥奪や強制労働などになるが、相手が漂流者の場合、最悪は死刑にまでなる」


「だったら、私達が漂流者なことは、言っておいたがいいのでしょうか?」


「いや、一概にそうとも言えない、リスクを冒してでも君達漂流者を手に入れようとする者もいるからな」


「それは何でなのです?」


「漂流者は、とても強い力を持っていることがほとんどだからだ」


「なるほどねー」


 これは、中々面倒そうなのです。

 ここら辺はレイと相談しますか。


「今回のことは、私達の要求を呑んでもらうことで水に流そうと思うのですけど、シンはどう?」


「僕もそれでいいよー」


「感謝する」


「あ、ありがとうござます!」


「ありがとうございましゅ!」


 メルさんよく噛みますね。


「で、実際のところ何してもらうー?」


「都市への案内は、もちろんですがお金はあるので他にどうしましょう」


「冒険者としての知識なら多くあるが?」


 冒険者ですか、そういえばどんなものなのでしょう?


「冒険者って何なのです?」


「冒険者とは、天王六国と契約した組織のギルド協会に登録している者を指し、主に依頼のこなしたり、迷宮の探索攻略、魔物の討伐などをする者たちのことだ」


「ではジョブは何なのです?」


「ジョブとは、冒険者として登録するときに決める自分の役割のようなもので、剣技職ソードマン格闘職グラップラー守護職ガーディアン射手職シューター魔法職マジシャン回復職ヒーラー偵察職シーフ、これは現在一人もいないが武器職ウェポナー、の全八種だ」


「ランクは―?」


「ランクとは、冒険者の強さの値を現すものだが、強いだけでは高ランクに上がることはできない。E、D、C、B、A、S、そしてQランクだ、ランクが上がるほど責任が伴うが発言力等も同時に上がる、Sランク以上は化け物の領域と言われることが多い、私達はパーティーとしてはAだが、私個人はSランクだ」


「なるほどなのです」


 何故武器職はいないのでしょう?気になりますが、それはあとでもいいのです。

 何にしても何をしてもらうかは、あらかた見えてきましたのです。

 先ず、都市への案内、このままいくと私達餓死しますし、次に私達が生活する場の確保。

 その後私達に、この世界の地理や一般常識を教えてもらう。

 その次には、漂流者である私達には危険が迫る可能性がある、つまり戦闘技術が必要のためその教授してもらう。

 最後に、私達が冒険者として安定するまでのサポートをお願いするのです。

 ここまで行けば、私達だけでも過ごせるはずです。


「今から、要求を言うのです」


「わかった」


「一つ目に都市への案内、二つ目に私達が生活する場の確保、三つ目にこの世界の地理、一般常識の教授、四つ目に私達への戦闘技術の伝授、最後に冒険者になる私達の生活が安定するまでのサポートです、シンはこれで良いのです?」


「僕もそれがいいと思うよー」


「ふむ、なるほど寛大な心に感謝する」


「実際の所もっとしてもらうこともあるのですけど、折角異世界に来たのですから私達でやってみたいのですよ」


「改めて、仲間の行動の謝罪と、その優しさに感謝を」


「いやー二人抜けるときっついですから本当に有難いっす」


「マジ、感謝」


「よ、よかったぞ、い、妹よ」


「ホント、ありがとうございます!、本気で頑張ります!」


 メルさん今回は噛みませんでしたねー。

 レイが戻ってくるまで行動できませんし、途中だったオセロの続きしましょう。


「シン、さっきの続きするのです」


「あー、あれねでも急にしまったから、ぐっちゃになったりしてないー?」


「私のインフィニトスを舐めないで欲しいのです、瞬間収納くらいお茶の子さいさいなのです!」


「わーそのままだ、便利だねー」


 これでさっきの続きができるのです。


コトッコトッコトッ


 そうだ。


「皆さんもレイが来るまで行動できないので、離れなかったら自由にしてていいのです」


「感謝するぜ、やっぱり堅苦しい喋り方は俺には似合わねーぜ、ガッハッハ!」


「あなたに、あの喋り方は似合わなすぎです」


「くくっ、僕も笑っちゃいそうになったっす」


「マジ、草不可避」


「危なかったが、私も笑いそうになってしまった、そうだろ?妹よ」


「私は、緊張してそんなこときにしてるひまなかったよ、姉!」


「お前ら、笑いすぎだろーが、ガッハッハッハ!」


 ガイルさん、元はああいう喋り方なのですね、でもあれはあれで合ってて良いのです。


コトッコトッ


「あのワイワイした感じ、良いねー、先輩達みたいだー」


「そうなのです、先輩達大丈夫でしょうか」


「きっと上手くやってるよー」


 ま、あの先輩たちなら大丈夫でしょう。

 ん?このいい匂いは?


「何してるのです?」


「ああ、まだ朝飯食ってなかったんで食べようかと思ったんだが、お前らも食うか?」


「シン、どうするのです?」


「色々あったし、御馳走になろうか」


「じゃあ、わたしもなのです!」


「わかった、おーいお前らお二人さんも食うってよ!」


「わかりました、追加で準備します」


「じゃあ、シア、机と食器出して欲しいっす」


「了解、完了、ご飯食べたい」


「シアさんもうすぐできるからもう少し待って欲しい、妹よこのサラダとスープをよそってくれ」


「わかったよ姉、アッシュさん、よそったやつ持ってってください」


「オッケーっすー」


 あれは、マジックボックスでしょうか、それに皆さん手慣れてます、料理もサラダ、スープ、パンにオムレツでしょうか、栄養バランスも良くていいのです。

 あ、準備終わったみたいなのです。


「ナユタさんとシンラさんも座ってください」


「わかったのです」


「ありがとうございますー」


「それじゃあ、全員座ったことだし、天王の恵みに感謝し」


「「「「「「「「いただきます!」」」」」」」」


 ん~このオムレツ美味しいのです、あと、使う食器は、スプーンとフォークなのですね。


「相変わらず、お前らの料理はうめ~なぁ」


「特別なことはしてないのですが、何故なのでしょう」


「不思議っすよねー」


「ん~、美味」


「ふっ、シンプルイズベストということさ、そうだろ?妹よ」


「そうだねー、ナユタさんとシンラさんもおかわりは一杯あるのでいっぱい食べていいですよ!」


「ありがとうなのです~」


「美味しいからいっぱい食べるねー」


「いえいえ」


 こんな美味しい物食べられないなんて、レイは損してるのです。

 早く戻って来ないかな、なのです。


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