Chapter 5. 最後のピース
あれから現場へと
まさにユウレイの正体見たり
『つまり、——なぜ犯人はあの時間にブラックライトを持ってあの場所にいたのか、だよ』
家に帰ってからも考えてみたが、何ひとつ理由が見えてこない。
やはり
気になるが、しかし調査ばかりもしていられない。いくら
学園祭まで一ヶ月を切っている。そろそろ本格的な準備が始まる。校内はにわかに騒がしくなっていた。
むろん俺たちのクラスも例外ではない。
「——
「早いところでは夏休み
「だよな」
「うんうん、あたしもそう思うー」
「ああ、遅すぎるくらいだぜ!」
東の言葉に
俺たちはまだ二年だが、それでもクラスを見渡すと負けられない戦いに
俺も何か意見を出そうと、ブラックライトに引っ張られていた頭を切り替える。
学園祭、いわゆる文化祭といえばやはり
あるいは
「——わたるん」
と、脳内会議が
「なんだ?」
「へへ、わたるんはさ、めぼしい企画思いついた?」
「いや、色々と考えてはいるが、どれも
「ま、そうなんだけどなー」と背もたれに身を預け、
「……そうか」
客を呼び込むためとあらばいかなる手段も
「まあ来年を楽しみにしておくさ。見てろよ、わたるん。この俺、
「ほどほどにしとけよ、K」
しかしメイドカフェ、か。ほどほどにしろとは言ったが、俺としても興味がある。もしも本当にKの
俺は
『——お帰りなさいませ、ご
『お待たせいたしましたー、ボク
『えへへ……
『きゃっ! ごめんなさい!
『いってらっしゃいませ、ご主人様……ボク、
それから俺はKの肩に手を置いて、
「K……俺はお前を
そうなれば
「へへ、なんだよわたるん。お前も好きだな」とKはしばらくの
「面白い話? 何だよ、それ」
首を
「これは先輩から聞いた話なんだが」と耳のピアスに触れながらKは
「大物ゲスト?」
「ああ、みんなが知ってるような有名人みたいだぜ?」
「有名人ねぇ」
推理するまでもない。
「どうでもいいな」
「あらら、わたるんは
「ま、俺は特に芸能人とかに興味はないからな」
どうせなら妹が喜ぶような人物であれば良いとは思うが、俺としては別に誰が
「へへ、じゃあこれは知ってっか?」とKはなおも
「なんだそれ。
「いいや。なんでも
なるほど、そっちのゲテモノか。しかし学園祭でそんなものをやるとはな。さすがは理系クラス。
「女子ウケはすこぶる悪そうだな」
「なはは、九組はほぼ男しかいねえからな。そっち方面の案が通るのも無理はないぜ。でも行って見たくね?」
「そりゃお前……見たいに決まってんじゃねえか」
祭りと
「しかしどうやってトカゲやらクモやらを集めるんだ? 九組の奴らが
「いや、なんでも九組には爬虫類ショップの息子がいて——」
「——ちょっといいかい、マツシタくん」
と穂村が会話に割り込んできた。
「おっホム子っち」とKは言った。「なに? ホム子っちも興味ある感じ?」
「ある意味では、ね」と穂村は
「俺に?」
それから穂村はKの
「ん……あ、ああ、いるみたいだぜ」
「やっぱりか」
穂村は
「おい、なにか面白い出し物でも思いついたのか?」
「そのとおりだよ、モリタニくん」
と、探偵は
「たった今、すべての点と点が
「なんだって? それじゃあ……」
「ああ、——推理の時間だ」
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