(四)-4(了)
このマンションの五階に住んでいる三つの世帯の住人は、今まで良好な関係を築いてきたと言っていい。しかしここへ来て、それぞれに秘密があることがわかった。隣の三川さんにしても竹浦さんにしても。しかもウチの夫についても。
そしてそれらを壊すことができるのは、恐らく今のところ、私だけだろう。
そう考えると、私は少し気持ちが軽くなった。それらを明らかにしてしまえば、多くのことが壊れてしまう。そんな核爆弾みたいなものを私は手に入れたのだ。そう思うとそれらの世帯の人たちの頂点に立った気がした。
(了)
DINKsたちの午後 筑紫榛名@12/1文学フリマ東京え-36 @HarunaTsukushi
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