(二)-4

 部屋は賃貸の2DKだった。私と夫が住むには十分の広さだった。

 その夫は今、隣の部屋にいる。夫は漫画家で週刊誌に四コマ漫画を連載している。人気があるわけではなかったが、連載は長く続いていた。

 私は、食器棚から平皿を一枚取り出し、キッチンの台の上に置いた。そしてその隣に先ほど置いた買い物袋の中からスナック菓子の袋を取り出して開封すると、中身を隣の平皿に入れた。

 私はそれを持って、部屋を出た。そしてマンションの一番奥の部屋で、私の部屋の隣の506号室のドアの前に立つと、鉄製のドアをノックした。


(続く)

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