(二)-5

 中から返事はなかったが、私はドアを開けて中に入った。

 こちらの部屋は1DKで、ダイニングは休憩スペースとして、そして奥の部屋を仕事場としていた。

 夫がその仕事場の一番奥にいるのが見えた。四人のアシスタントのうち、二人がまだ残っており休憩スペースでくつろいでいた。

 今日は締切開けの日と聞いていた。いつも昼から夕方に原稿を取りにくるという。もう原稿を渡したのかどうかはわからなかったが、アシスタントの二人がくつろいでいるということは、原稿は完成したのだろう。



(続く)

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