第5話:競争が辞められない社会 ①
今の社会には価格競争や技術競争など何でも争うことが定常化してしまい、これまで恒久化していたことがいつの間にか社会で定常化していることも少なくない。
そのため、安価で高品質な商品を求められること、高くなっても同業他社が出していない価格帯で販売することなど商品開発の段階で制限が出されることが多い。これらの問題としてきちんした販売基準ではなく、企業間で相場統計を基に算出してそこで価格をどれだけ安く出来るかといういわば“薄利多売”状態になることもある。
私はきちんとした卸値と販売価格の差が大きくならないようにすること、価格の値上げ・値下げ競争は社会経済に大きな影響を与え、これらの製品の品質などにも大きく影響を与えることになるだろう。
私はこれらの行為に巻き込まれるのは会社だけでなく、社員に対しても波及することがあると思っている。その中でも最も影響が出る可能性があるのは社員の給料だろう。これは、その製品がどれくらい売れたかという統計を基に算出されている場合が多いからだ。もちろん、たくさん売れるとたくさんもらえるが、売れないと給与も下がってしまう。だからこそ、多くの利益を上げるために日々努力をしているのだろう。しかし、これは生き残るために必要な行為なのかも知れないが、その反面としてきちんとした労働対価から生まれている製品なのかという疑問はある。
私は今の日本のおける競争社会の急速な定常化により、その人材を確保する際に高額な労働対価を提示する。そして、その製品が一定以上の売り上げを達成した場合、賞与や特別給与として支払うことも必要だろう。
しかし、日本にはそのような給与システムはあってもあまり機能していないように感じる。例えば、ある商品が売れたことにより、一定額以上の収入が入ってきたとする。しかし、これはほとんどが還元されることはなく、会社の内部留保として貯蓄されてしまう。これでは個人所得は良くならないし、これらの問題を起因とした風潮を変えようという人が現れない限りこれらの問題が良い方向には進んでいかないだろう。
日本というのは競争することで相互利益などを維持してきた。そのため、競争に勝てるような組織作りと優秀な人材が欲しいのだ。しかし、優秀な人材ではないと判断すると、あの手・この手でその組織から追い出そうとするのだ。それは、日本に限った話しではないが、実行に移すような企業はそこまで多くない。仮に実行に移した場合、たいていの国では労働管理機関などへの通告やひどい場合には訴訟を起こされることがしばしばだ。
だからこそ、人材育成を定常化し、今実際に起きている問題を少しでも解決することが大事ではないだろうか?
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