第2話:幼少期における競争社会 ①
日本というのは幼少期から誰かと競っている事が多い国だろう。そして、何事にも順位が付けられ、ネームバリューでイメージが決まってしまうなど個人対社会のような構図が出来上がってしまう。
そのため、幼稚園から受験をする子供、海外に行く子供などさまざまなパーソナル・カラーがあるが、それをする際に子供の意見や価値観を尊重することなく押し進められる事が多い。そうすると、次第に自己肯定感が失われ、洗脳まではいかないが自己判断力が低下し、自分で判断する際に恐怖を感じる場合も少なくない。そうなってしまう背景にも家庭環境に起因する価値観と家庭における教育スタイルの違いが子供に良い影響を与えるのか、悪い影響を与えるのかという基準が変わってくる。
例えば、良い大学に入るために普通の公立学校に通いながら目指すという子供と有名進学校などの私立学校に通いながら目指すという子供がいたとする。前者は進学校を断念して自力で進学を考えていると両親に伝えて承認された。しかし、後者は良い大学に入るためにはイメージが良くないと将来困るという両親の考え方だったため、無理矢理勉強させられて、強制的にその学校に進学させられた。と対照的な両親の対応により、子供たちの“自己形成”や“人生観”が十分に発達しない可能性がある。そして、これらの視点が子供たちの価値観に悪影響を及ぼす可能性も有るのだ。
今は組織に入社するためにはそれなりにネームバリューが良くないとそれなりのレベルが維持できず、お互いに良い思いはしないだろう。
私はこれらの競争することはお互いに切磋琢磨する意味でも大いに競争するべきだと思うが、これらの競争が自身の意思に基づいて行われていないならその競争はするべきではない。なぜなら、自身の意思に背いてまでイメージを優先させることはあってはならないし、無理をしたことにより大切な物を失う可能性があるのだ。
今の子供たちは学歴を優先させる傾向にあり、やむを得ない場合を除き、大学・大学院まで卒業する人が多い。なぜなら、企業に就職するためには最低卒業条件が設定されており、ほとんどが大卒以上という条件が付けられていること、給与が大卒とその他ではかなり差がある場合もあり、これらの条件を満たすためにはお金を掛けてでも大学を卒業しなくてはいけないと考えるのだろう。これでは競争社会を生き抜くには“最低学歴を大卒程度と設定せざるを得なくなり、経済格差が問題を引き起こしたとしても奨学金や教育ローンなどを借りてでも進学したいと思う学生が増えているのも事実だ。
どこまで競争社会が学歴社会に直結するような状態では個々の潜在能力よりも好条件の人材の選別につながってしまう。これは早急に改善すべき課題だろう。
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