第2話 『オクリ音』の話。
『オクリ音』
故人に贈る、歌があるー
林ゆきの勤める葬儀場には、遺族の希望により"お別れビデオ"を作成するというオプションプランがある。
故人の好きな曲・所縁のある曲に生前のエピソードが添えられる”お別れビデオ”。 お別れビデオの為に遺族から聞く故人との思い出に心を動かしながら、大切な人を優しく送る為の最後の映像を作成するゆき。
尊敬する先輩や気の置けない仲間達のいる職場で奮闘するゆきには、哀しい過去があったー
***
『オクリ音』(オクリネ)
この作品は「小説家になろう」「星空文庫」に掲載中の同作品を加筆・修正したものだ。
今回カクヨムでの公開を始めるにあたり、主人公の恋愛部分は描かずに進めていく事にした。
恋愛部分が必要かそうでないかはまだ答えが出ていない為、小説家になろうではそこはそのまま掲載。
カクヨムでは"お別れビデオ"に重点を置いた話だけを公開しているので、『オクリ音』というタイトルは同一だが全体を通して見ると違ったイメージを持つだろう。
そもそもこの作品は、2016年に「星空文庫」でスタートした桐谷綾の処女作である。
葬儀場に勤務する主人公・林ゆきが、お葬式で流す為の映像"お別れビデオ"を製作しながら故人とその家族に想いを寄せるというストーリーだ。
そこに恋愛要素も織り交ぜて、1人の女性の人生も描き出したかった。
林ゆきには「生涯、この人さえいれば良い」というくらいに心を寄せた人物がいて、まわり道はしたけれどまたそこに戻る未来がある。
ここにこれを書いてしまう事は大胆なネタバレだが、バレるも何もそこに辿り着ける文章が全くもって書けていないという事実があるので既にネタバレでもない。
ただ、当時の自分の脳内ではそういったストーリーがイメージ出来ていて、最終的な流れも大まかに決めていた。
そのはずなのに実際に物語をスタートさせてみるとだんだん違う方向へ話が進んで行き収拾がつかない。
その内に、彼目線のスピンオフ作品『守リビト』にまで手を出してしまいどうにもまとまらなくなった。
これに関しては最早、モリビトなのかマモリビトなのか、読み方すらも思い出せない。
この辺りで一旦、投げ出した。
彼はまだ、守りたい人に再会出来てすらいない。(本当にごめんなさい)
2020年。
もう一度この作品を書きたくなり、心機一転「小説家になろう」に登録。
当時の自分は異世界系漫画にハマったばかりで(ちなみに今もまだ異世界系漫画に夢中)、異世界系と言えばなろうかな?という発想で再び書き始める事になった。
何故異世界系?
そう、懲りもせず同時進行で転生系小説『帝国を救う2人 〜私たちは転生魔法を使いたくない』もスタートさせてしまう。
書いた事のない転生系な上、W主人公に挑戦してしまって収拾がつかなくなり休止した。
『オクリ音』はここでいくつかの新しい話を重ね息を吹き返したかのように見えた…のも束の間、やはりと言うかまたしてもと言うか、再び筆が止まってしまう。
まず、書き手である自分の技術不足により恋愛部分が一向に進まなくなってしまった。
というか、「生涯、この人さえいれば良い」というくらいに心を寄せた人物なのに全然話に出てこないのである。
恋愛要素も含んだ作品なのに、12話まで進んで未だに相手と再会してもいないってなんだそれ。
それでいて先輩や同期は度々出てくるので、読者的にはこの先輩と不倫するか当て馬ポジの同期と付き合うかの間違った2択を想像させてしまう。
更には、肝心の"お別れビデオ"のテーマも浮かばなくなってしまった。
もともとこれに関しては、書きたいと思う曲、もしくは映像で観たいと思う曲が浮かび、それを具現化するという書き方に近い。
所謂、降りて来る的なそれだと思う。
それがピタリと止まってしまったのだ。
これにより仕事の話も恋愛の話も、つまりはこの作品の何もかもが書けなくなってしまった。
2022年。
またしても小説が書きたくなり、「カクヨム」に登録。
職場のスタッフが小説を書いていて、2021年頃からよく話を聞いていた事にも影響を受けたかもしれない。
1年近く寝かせてきた『雨と涙の色は』をスタートさせる事にした。
この作品に関してはもう少し話数を進めてから、後日ここで詳細を書きたいと思う。
「カクヨム」で投稿を始めるようになって、少し経ってから『オクリ音』にももう1度向き合う事にした。
上にも書いたが、今回「カクヨム」での公開を始めるにあたり主人公の恋愛部分は描かずに進めていくと決める。
『雨と涙の色は』が恋愛を中心にした作品という事も関係しているのだろうか。
もしかすると、ゆきの恋愛観はそのまま『雨と涙の色は』の主人公に引き継がれているのかもしれない。
以前執筆した『オクリ音』から"お別れビデオ"に重点を置いた話だけを抜粋して、加筆・修正した作品の公開を始めた。
それに伴い、加筆・修正した話は「小説家になろう」でも同様に編集し直し再投稿している。
そして遂に本日。
過去作がストック無しになる。
ここから先は全て、新たに書き上げるという状況にまで辿り着けたのだ。
幸いな事に、書きたいと思う曲も映像で観たいという曲もいくつか浮かんでいてメモに残してある。
改めて気合いを入れ直して、また『オクリ音』の世界を広げていきたい。
ここに至るまで、友人である作家・深水千世さんと、もう1人の物書き仲間から励まして貰いながら、止まっては歩き止まっては歩きを繰り返してきているように思う。
長々と書いてしまったけれど、これが今日までの6年分の想いだ。
因みに、まるで完結したかのような書きようだが完結はしていない。
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