第12話 読みやすい文章に書き直す

 ぼちぼち文章そのものに手をつけようか。

 見た目をいじるだけでは、やはり限界がある。


 ルールを守って書いていけば、ヘタクソなりに読める文章になっていくものである。


1、同じ末尾で終わらすな!


 まずは簡単なとこからいこう。

 意味はそのまま。以下に例を記す。


――――

 きのうは遠足に行った。

 登山だった。

 昼ご飯は山頂で食べた。

 お弁当を開いたらお箸がなかった。

 てきとうに木の棒で食べようとしたら、友達に止められた。

 けっきょく素手で食べたんだけど、おにぎりだったから助かった。

 友達はカレーじゃなくてよかったねって笑ってた。

 俺は本格派だからカレーでも素手で食べるよって言い返しておいた。


 A子が、うちら成人式のかわりに登山って変わってるねって言った。

 みんなで笑い合った。

――――


 大人やないか!

 「た」ばっかりで、小学生みたいになっとるやん。

 もっといろいろあるやろ。

「か」とか「る」とか「な」とか。

 それによって前も変わるやん。


 うまく散らしていけ。飽きがこない文章は、このへんをうまく使い分けている。



2、一文は短く。


――――

 昨日だったか雨がはげしく降り続く中、翔太が大事そうにカバンを抱えていると、同級生の葉山かおるがやってきて、自分が濡れるのを気にもせず、持っていた傘を翔太に手渡し、笑顔で使ってくれと言ってきて、それを聞いた翔太は……


――――


 わからんわからん。

 一個も入ってけーへん。


 WEBでは簡潔な文章が好まれる。

 前回紹介した私の作品ですら長いぐらいだ。


 もっと情報を整理しよう。

 ここで出てくる登場人物は二人。翔太と葉山だ。

 それぞれを主語として文章を構築してみよう。


――――

 雨が激しく降り続く中、翔太は大事そうにカバンを抱えていた。

 そこへやってきたのは同級生の葉山かおるだ。

 葉山は自分が濡れるのも気にせず、持っている傘を翔太に差しだす。

「使ってくれ」

 笑顔で語りかける葉山。

 翔太は……


――――


 とりあえず分解してみた。

 あとはこれをもう少し小説っぽく直すわけだが、まあ次回にしようか。

 人称を説明せんといかんしな。


 とにかく一文は短く。

 特に主語が変わる場合は分けるんだぞ!


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