なろうとカクヨムどっちに投稿すればいいのだろうか?

ウツロ

一章 カクヨムのすすめ、なろうのすすめ

第1話 なろうとカクヨムどちらに投稿すべきか

 初めて小説を書こうと思ったとき直面する問題がある。

 どこに投稿すべきかだ。


 投稿サイトはいくつもある。

 どうせ書くなら多くの人に読んでもらいたい。

 少しでも読んでもらえる場所で投稿したい。


 ならば読者が多いサイトを選ぼう。読者が多ければ多いほど、自分の小説が読まれる可能性があがるからだ。

 だったら三つぐらいしかない。

 なろうとカクヨムとアルファポリスだ。


 で、今回はなろうとカクヨムに絞らせてもらった。アルファポリスを除外した理由はのちのち語るとして、とにかくこのふたつだ。


 そして、タイトル通り、なろうとカクヨムどちらに投稿すべきかだが……


 どちらにも投稿しちゃいなさい。

 これが答えです。


 なろうとカクヨム、どちらもマルチ投稿は禁止していない。だったらひとつに限定する意味はないのだ。

 両方投稿して読者がかぶらないかな?

 パイの奪い合いにならないかな?

 そんな心配をするかもしれない。


 ――しかし、大丈夫。インターネットの世界は広い。

 砂漠の砂が一粒増えたところで誰も気づかないのである。


 とはいえ人それぞれ立場も違えば考え方も違う。

 二か所はメンドクサイマンや、とりあえずお試しマンもいるだろう。

 あるいは、ながらくカクヨムで書いていたが、移転先を考えているひともいるかもしれない。

 本小説では筆者自身の例もまじえて、どちらがどの程度読んでもらえるか示させてもらう。


 まずは作品A

 矢印の左側がカクヨム、右側がなろうに投稿したときの数字だ。


 ジャンル ハイファンタジー

 話数 138

 フォロー(ブックマーク) 115→841

 ☆(評価) 80→3245

 PV 29,485→457,221

 コメント数(感想) 11→228


 おお~。かなり差がある。

 特筆すべきはPV(閲覧数)だ。

 さすがなろう。業界一位の名はダテじゃない。

 桁が一つ違う。


※ちなみになろうではフォローをブックマークと表現し、ひとつにつき2ポイント評価に加算される。カクヨムでは加算されない。

 また、評価だが、カクヨムは一ユーザーにつき付けられる☆は3つ。なろうでは10ポイントだ。

 そこは単純に比べられないことに注意していただきたい。


 この結果をどう考えるだろうか?

 なろうで投稿すべきだと思えるだろうか。



 ――しかし、ちょっと待っていただきたい。

 この作品は三年ほど前の投稿だ。今は状況が変わっているかも知れない。


 近年、なろう一強から、徐々にカクヨムが巻き返していると聞く。

 それにつれて読者数にも変化があるのではないか?


 てなワケで最近の作品Bを紹介したいと思う。


 ジャンル 詩

 話数 1(短編)

 フォロー(ブックマーク) 0→5

 ☆(評価) 0→178

 PV 4→609

 コメント数(感想) 0→5


 ヒドすぎ。ワロタ。

 特にひどいのがPVだ。カクヨムでは4。

 わずか4クリックしかされていない。

 こんなもん評価はおろか感想などつくわけがない。


 思うにこれはサイトの特性が大きく関係しているのではないか。

 まず、詩というジャンル。極めて人口が少ないのだ。

 カクヨムでは読み手がほぼいない状態だ。読んでもらうためには企画に参加するしかない。

 街頭のティッシュ配りのごとく、自分から歩み寄るより他に手がないのだ。


 一方なろうでは少ないながらも読み手は存在する。

 ちゃんと評価はつくし、それなりに感想ももらえる。

 とくに読者=執筆者だったりするので、過疎ジャンルを盛り上げようという意識が働くのだろう。


 あとは短編か長編かが大きく関わっていると思われる。

 なろうでは、とにかく短編が強いのだ。

 短編ならトップページに新着、完結した作品として乗る。それがデカい。

 サイトを開いた読者が、詩に興味がなくてもタイトルで釣られる可能性があるのだ。


 結果として、変な現象が起こったりする。

 長編より短編としてコマ切れで投稿したほうが読まれてしまうのだ。

 もちろん、中身は一緒だ。

 これはジャンル問わず起こりえる。


 たとえば、ハイファン作品A、全十話より、同作品A、一話のみのほうがPVも評価も何倍もつくのだ。


 そんなアホなだ。

 とうぜん、一話のみだから話は終わっていない。それでも圧倒的に読まれる。

 なんと理不尽なのだろう。


 とうぜん書き手もそれを意識する。

 すなわち、一話プロローグのみの投稿だ。それで反応を見る。

 人気が出れば続きを書く。

 先が読みたければ応援してね。こちらで連載するからって誘導するのだ。


 なんとセコ……頭がいいのだろうか。


 しかし、これが真実。駄々をこねても仕方がない。

 読者が多いゆえの弊害だろうか。空き時間にサッと読める短編が重宝されるのもある意味自然な流れなのだ。


 ついでにもうひと作品紹介させていただく。

 中編C作品だ。

 以下を見ていただきたい。


 ジャンル 現代ファンタジー→推理

 話数 38

 フォロー(ブックマーク) 9→33

 ☆(評価) 7→246

 PV 799→13,887

 コメント数(感想) 5→4


 ここは投稿したジャンルが違うことに注目してもらいたい。

 カクヨムではジャンルを現代ファンタジーにした。あるていど読者のいるカテゴリーだ。

 対するなろうでは推理。ぶっちゃけ過疎ジャンルだ。


 なぜ違うジャンルに同じ作品を投稿したのかというと、当時なろうの現代ファンタジーはダンジョンもので埋め尽くされていたからだ。

 現代社会にダンジョンが現れ、どうのこうの。それがブームになっていた。

 ダンジョンでないと見向きもされない可能性があったのだ。


 幸い作品Cは、閉鎖空間からの脱出ものという推理要素も強かったので、どちらにも対応できた。

 結果として、そこそこ読者のいるカクヨムジャンルVSなろうの過疎ジャンルという構図をみることができた。


 結局まあ、どうなったかは数字を見てもらえば分かるように、なろうの圧勝だ。

 唯一勝ったのは感想ぐらいなものだ。


 しかし、このカクヨムの感想、じつは知り合いからだ。

 よって、実質0と考えてもらったほうがよい。

 書いてて悲しくなってくるが、結果は結果として真摯に受け止めたいと思う。


 まあだいたいこんな感じだ。

 全ての数字を考えると、なろうを選ばない理由がない。


 とりわけ、マイナージャンル。

 それも短編だ。

 閲覧数も違うし感想数も違う。読んでもらってるんだという実感がより湧くのは、なろうという結論に達する。


 ――しかし、しかしだ!

 小説の投稿とは趣味の延長だ。これだけで選ぶものではない。

 読者数以上に重要視するものがあるはずだ。

 カクヨムにはあってなろうにはないもの。

 疲れ果てたオッサンが目にする最後の光。

 それは……金だ。


 現状なろうで金銭を受け取ろうとすれば、受賞するか書籍化するしかない。

 山の頂まで上り詰める以外に手はないのだ。

 しかし、カクヨムにはインセンティブというシステムがある。

 それを利用すれば小銭ていどなら稼げるかもしれない。



 次話ではこのインセンティブをメインに語っていきたいと思う。

 よろしくね!


※2024/03/21追記

 どうやら小説家になろうがインセンティブを導入するらしい。(事実確認はまだとれていないが)

 もし、なろうに投稿する予定があるなら少し待った方がいいかもしれない。

 どうせならインセンティブによる利益還元も狙っていきたい。

 カクヨムのみではたいした金額にはならないが、なろうも合算するとそれなりのお小遣いになるかもしれないからだ。

 作品を温存しつつ、なろうで読まれる方法を学んでいただけたら幸いである。

 そのあたりについても書いてあるから、気になる人はフォローして読み進めてちょ。


※さらに追記

 4/2のアナウンスで「利用者の方への何らかの形での収益還元」と書かれていた。

 直接インセンティブとは書かれていないが、ほぼ間違いないと私は見ている。

 すでに小説家になろうはWEB投稿サイトとしてカクヨムに抜かれたのかもしれない。それぐらい書き手の流出は深刻みたいだ。


 こういう物事が大きく動く時期は混乱もあるがチャンスでもある。

 しっかり備えてみてはどうだろうか。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る