第17話 蓴羹鱸膾 2

 「休憩も済みましたし、取り掛かっていきましょうか。まず、蓴羹鱸膾じゅんこうろかいの蓴は、蓴菜じゅんさいと呼ばれる植物のことを指します。この漢字には草冠がついていますので、そこから植物系を指すのだなと覚えてしまいましょう。次にあつものです。肉や魚、野菜などを入れた熱いお吸い物のことを指します。つまり…」


 「蓴羹の二文字で植物のお吸い物のことを指すのね。」


 「そういうことになります。そして後半部分、鱸膾のは、魚編から分かるように、スズキと呼ばれるお魚を指します。そして最後のかいは、なます、と呼ばれる料理のことを指します。これは魚や野菜などを刻み、生のまま調理酢で料理したものです。


 「ということは、後半部分の意味は、スズキのなます、といったことかしら。」


 「はい、その通りでごさいます。」


 「なんとなく理解できたけど…やっぱり書くってなったら漢字が難しいわね…」


 「そうですね、なのでやはり書こうと思うのであれば反復練習が欠かせないかと。」


 「うげぇ…ということは…?」


 「10回くらい、早速書き取りの練習しましょうかお嬢様♪」


 「いやだぁ〜!!」


 してやったりと性悪そうに微笑むメイドに対して、いつか目に物見せてやるんだからと、心に誓うお嬢様であった。

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