第15話 一朝一夕

 「次はこれです、一朝一夕。さすがにお嬢様でも読めますよね?」


 「馬鹿にしないで、いっちょういっせき、でしょう?」


 「正解です。さて、意味はいかがでしょう?」


 「そうね…一回の朝と一回の夕方…という捉え方でいいのかしら?となると…短い期間を指す言葉ね!」


 「もうほぼ正解と言っていいでしょう。さすがはお嬢様です。非常に短い時間の例えです。例文を用いるなら…勉学は一朝一夕では身につかない、などでしょうか。」


 「さっすがは私ね!天才じゃない!!」


 「簡単すぎましたかね?でも、知っていて損はない言葉ですよ。…もう少し、レベルを上げましょうか。」


 「私に不可能なんてありませんわ!!!」


 「(はいはいいつもの調子に乗るパターンに入っちゃいましたか…こうなったら…)」


 そう言って、次に莉奈が書き出した言葉は、柚莉愛が絶句するほどの難しさであった。

 

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