第9話 狂喜乱舞

 「わーい!明日は新作ゲームの発売日だ!」

 いつにもなく貫太君は気分が上がっている。

 「珍しくテンションが高いね、そんなに楽しみなんだね」

 「そうなんだよ!待ちに待った発売日さ!もう狂喜乱舞だよ」


 「貫太君、それを使うならもっと狂ったように喜ばなきゃ」

 唐突な先生の登場に、二人は驚いた。


 「じゃあ先生は最近そういった出来事があったんですか?」

 貫太の質問に、先生が静かに答え始める。


 「先生は趣味で馬の順位を当てるゲームをやっています。毎回毎回、これだ!と思う所の券を買ってるんだけどね、ここ数ヶ月全くダメだったんだよ。でもね、つい1週間前、大当たりを引き当てたんだ。しかも、それだけじゃなく、昨日もさらに当たってね、もう家で叫び踊り狂ったんだよね」


 二人は割とドン引きしてしまった。

 そんな二人をよそに、先生は解説を始めた。


 「狂喜乱舞、 狂ったように喜び、乱れるように舞う、思わず踊ってしまうくらい大喜びすることだね。」


 「ゲームの発売日ごときで喜ぶのはまだ早いか…」


 貫太何とも言えない気持ちになってしまった。


 


  


 

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