第7話 温故知新

 「次はこの言葉、『温故知新』です」

 

 「おんこちしん、昔のことをまた調べたり考えたりして、新しい知識を得ることですね」


 「さすが」

 毎度の如く四字熟語を知っている卓真君を先生は褒め称える。


 「この字は、ふるきをたずねてあたらしきをる、と覚えましょう」


 「はーい先生、温泉の温にたずねるなんて読み方しりませーん」


 舐めた態度を取る貫太に再びチョークが飛んでくるかと思いきや、今日の先生は機嫌が良いらしく、そのまま説明を続けた。


 「そうですね、温ねる、という言葉には実は復習する、よみがえらせるといった意味になります。あつねる、おんねるなんて読まないように気をつけましょう。難読漢字になりますから、知っているといつかは自慢できるかも知れませんね?」


 「よし、いつか自分を馬鹿にしてくる奴らが現れたらこれで自慢してやろう!」


 貫太君…そんな事でいいの…?と思う先生と卓真であった。


 まだまだ特別授業は続く。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る