正義感

次の日、花村紫音はなむらしおんが事故にあった話を聞いた。


新田にった君が、花村君を使えないと言っているのを聞いてしまった。


私の正義感が、また動き出してしまった。


私は、出来る限りの我慢をしたのに…。


卒業式の前日、私は新田にった君に話を聞く事にしてしまった。


何故かと言うと…


その日の昼休み。


「マジ、紫音、使えねーよな。」


「あれから、マジ。無理だわ」


「隆太、どうにかなんねー?」


「そうだな。入院してる紫音に会いに行ってやろうかな?」


「使うか、紫音の事」


花村君を利用しようとする新田にった君を私は許せなかった。


最後に、新田にった君の担任としてやめさせたかった。


新田にった君、放課後、話があるのだけれど、大丈夫かな?」


「いいですよ。小野田先生。それじゃあ、一階の空き教室にしませんか?」


「わかったわ」


授業が終わり、放課後の教室に来た。


ガラガラ…


新田にった君だけを私は、呼んだんだけど…」


私は、扉を開けて固まってしまった。


私の目に、飛び込んできた光景に動けなかった。


私は、自分の正義感を酷く後悔した。




「先生、玩具は有意義に使わないとね」


「玩具って、私の事を言ってるの?」


「おのちゃん、そうだよ」


新田にった君は、私にジリジリと近寄ってくる。


新田にった君が、花村君を利用していたの?」


「あいつは、俺達の玩具だよ。利用価値だらけの…」


「そんな言い方、酷いでしょ」


「おのちゃん、俺達、説教聞くために来たんじゃないから…」


「やめて」


私は、腕を引っ張られた。


絶対に勝てない。


一希かずきが、言っていた事がわかった。


彼等は、生徒ではない。


ただの、雄なのだ。


「おのちゃん、めっちゃいい匂いだよね。香水つけてなくて、この匂いは、ヤバイよ」


「紫音のせいで、俺達ずっとおあずけなんだよ。先生、責任とってよ」


「わかるよね?大人なんだから」


「やめて…。」


花村君の取り巻き10人。


私に、勝ち目なんてない。


「おのちゃん、俺ね。ずっーとおのちゃんが好きだったんだよね」


新田にった君が、私に近づいてきた。


ガンっ…。


体を後ろの棚に押しつけられた。


「ビクッとしちゃって、可愛いね。放課後の教室って、誰も居なくていいよね」


「やめて」


私は、佐伯君と数人に押さえつけられた。


新田にった君は、私のカーディガンとカッターシャツを引きちぎった。


ビリッって音と共にボタンが弾けとんだ。


「やめて」


「叫んだら、どうなるかわかってる?俺、おのちゃんに襲われたって言うよ。」


私は、新田君を睨みつけた。


道留みちる、優しくしてあげるから…。最初は、俺がおのちゃんとするから押さえとけよ」


「わかってるよ」


「やめて、離して」


道留みちる


無理矢理、キスをされた。


「ぅんんっ」


「可愛いね、舌だしてよ。道留みちる


私は、首を横にふる。


涙がとまらない。


「ダメだよ。ちゃんと言う通りにしなきゃ、羽尾はお先生に話すから」


私は、新田にった君の言う通りにする。


一希かずき、助けて


私、こんな人数にされるの…。


「動画とろうぜ。証拠、証拠」


「んんっ」


新田にった君は、私のタンクトップに手を入れていく。


やめて…


「皆に見てもらわなきゃね。笹部」


「はいよ」


「動くと切れちゃうからね」


鋏で、タンクトップを切られた。


「やめて」


「やっぱり、道留みちる。綺麗な体してるよ」


「ビク、ビクしちゃって感じてんだよな!隆太も、イケメンだもんな」


「俺、ずっとこうしたかったんだよ。」


あの日噛まれたように、鎖骨に舌を這わされる。


「いや」


「いやじゃないよ、もっとでしょ?」


新田にった君は、ブラジャーに手を入れて胸を揉みながらキスをしてくる。


「んんっ、んんっ」


いやー。助けて、一希かずき、助けて


ガラガラ…


「何してる?」


その声に、手を離された。


私は、新田にった君を押した。


「いてーな。」


「手を上げたら、どうなるかわかってるのか?」


「なんだよ、管野」


「お前達、明日卒業式だろ?高校に行けなくしてやろうか?」


「はあ?証拠なんてないだろ?おのちゃんから、襲ってきたんだよ。」


「ふざけるな」


一希かずきは、スマホを取り出してさっきの会話を再生した。


「ふざけんな。行こうぜ」


新田君は、全員を連れて行った。


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