背中の荷物

いつからだろう、街を行き交う人々の背中に何かがのし掛かっているのが見えるようになった。


あれは何だろうか?


人々が背負っている物の大きさは様々だ。

拳ほどの大きさから、洗濯機ほどの大きさまで個人差がある。


中にはもうほとんど潰されかけ、身動きが取れなくなっている人もいる。


ほんとうに辛そうに見えるのだが、自ら荷を下ろそうとする者はそういない。ギリギリまで耐えているように見える。


あと、傾向というか法則のようなものもあるようだ。子供は小さなものしか背負っていない。老人も同様だ。




もしかすると、、、


そうかなるほど。


あれは大人になるということなのだ。


責任やプライド、期待など、様々なものを背負っているんだろうな。背負うものが大きいほど強くなる。それが大人というものだ。


よく見ると私も背負っているようだ。よし!今日も必死に頑張ろう。


・・・


・・



政府戦略室

「もう少し国民に負担を負ってもらいましょう。増税しましょー」

「ちょっと背負わせ過ぎかなぁ」

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