神隠し

「さっきまで手に持っていたはずなのに何処に置いたんだっけ?」


男は四角い部屋の中央に立って考える。


「よくやるんだよな〜。チョイ置きは厳禁だよな。」


記憶を辿ってみるが、思い出せない。


「何処にやっちゃったんだろうな〜。」


ずっとこの部屋にいたのだ。

この部屋の中に必ずあるはずだ。

だが最初から全て探し直す気にもならない。


「こういうのは、忘れた頃に見つかるんだよな〜。まあ、気にせず1回忘れてみよう。」


・・・・・


・・・・


・・・


・・



男はオペの執刀を終えて手術室から出て行った。

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