六
宿題を写し続けた三日間が終わった。バイトへ行くと、佐竹と同じシフトだった。バイトの合間に佐竹が声をかけてきた。
「今日この後予定ある? もし空いてるならちょっと話したいことがあるんだ」
「全然空いてるよ。話したいことってもしかしてこの前のこと?」
「そう! 須藤くんの様子が変だなって思ったの。砂川くんは何か聞いた?」
「全くもって何も聞いてないよ。昨日まで毎日友也とは会ってたけど、須藤からその話題が出ること一度もはなかった。俺が一度だけ話題に出したけど、はぐらかされたよ。あの話をしてほしくなさそうな顔してた」
「そうなんだ。大丈夫かな。何かあったのかな」
佐竹と話をしていると、扉が開きカップルがやってきた。付き合い始めて間もないのだろうか。二人の距離感にぎこちなさがある。佐竹が水を用意して、注文を取りに行った。
十八時になり、バイトが終わった。以前と同じように駐輪場で佐竹を待っていた。ごめんね、と言って佐竹が小走りでやってきた。着替えた佐竹は白いレース襟のブラウスにギンガムチェックのスカートを身につけていた。「行こっか」と言って佐竹と共にドーナツ店へ向かった。
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