第24話 R6.12/13


 時に及びてAさんを、思い出すべきだろう。

 普段の紳士的な物腰、常にたたえた微笑みだってそうだ。派手なスキルじゃないからと、自分に自信がない部分で逃げているから、etc,etcと、とかく軽視しがちだけれど。とてもハイレベルなことなのだ。

 僕は、あの人の微笑みをたたえながら「ええ、ええ」と相槌を打つ姿に惹かれる。

 人間力や人格を測られるのは、立ち居振る舞い・普段の行動なのだから。自分が次の段階に行くためには、いつか習得すべきものなのだ。普段の大笑いというか、バカ笑いも好きなのだけれどね。注意されてもやめるつもりもないけど、それだけじゃやっぱり軽い。

 お客さんの前なら「自分がウケた」と思ってくれるからいいじゃんって言い訳を続けていたのだけれど、俺がAさんに惹かれるように、両方持ってた方が良い。Aさんも両方使っているし。


 今まで逃げていたものに挑戦しようとしている自身が、少しだけ誇らしい。

 理由は、いくつか思い当たっている。

 一つに。社員で笑顔がない子に、笑顔を出したら良いのに、と思うことが多くなっているからか、笑顔を持っている人を褒めることも多くなった。

 も一つに。口癖による宇宙へのオーダーの成果だろう。脳が、どうやったらコミュニケーションをしっかり取れるようになるかを模索して、過去のデータを勝手に検索してくれているのを感じる。

『あの人は素敵だったな』って思い返す時間も、良いものだ。少し、ヒロを思い出す。

 最後に、肉体改造の成果で段々自身のビジュが良くなっていることもある。『微笑むこと』に対して萎縮する(何だ微笑みに対してビビるって)理由の一つに『僕なんかが微笑んでも……』っていう卑屈さがある。絶対に有用なスキルというか、立ち居振る舞いであるのに。

 それが、自分のビジュが良くなってきている自信で解消され始めている。呪いが徐々に解けていくかの如し。

 腹筋の上の部分は、割れているのがはっきり分かるようになってきた。


 閑話休題。

 ケトジェニック開始以来、昼食は魚の惣菜を多めに摂ることが多いのだけれど、毎回お腹を軽く壊している。夜は大丈夫なのに。

 16時間以上胃を動かしていないからか、摂りすぎなのかは分からない。今日以降は、少し昼食の両を減らそう。

 昨日、またケトジェニックダイエットに関する動画を一つ観た。知らなかったコツに、いち早くケトーシス状態(糖質でなくケトン体をエネルギーとして使う状態)に体を移すために、やはり減糖でなく断糖すべきとのことだ。糖新生による筋肉分解を防ぐために。

 あとサバ缶が、やっぱり優秀らしい。


 今日の営業は、上記を意識してやった。

 正直、上手くいった。

 微笑みをたたえた余裕の態度は、よほど効果があるらしい。余裕ぶってると、本当に余裕も出て来るしね。

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