4
「遅いぞ、ヒュウガっ!」
友人の元に来るなり、友人が怒声混じりで言ってきたのを、「わりぃ、わりぃ」と苦笑混じりの顔で謝った。
「行く途中でさ、倒れているヤツがいて、少し看病してたんだわ」
「はぁ? オマエ、本当に世話焼きだよなぁ」
「オレらにはマネ出来ませんわ。オレにも優しく接してくれよ」
「調子乗るヤツに優しくするかよ」
「ひでー!」
冗談混じりに言う友人にそう返してやると、どっと笑いが起き上がった。
ひとしきり笑った後、大鎌の特訓するべく、大鎌を召喚し、彼らと刃を混じり合った。
帰宅し、すぐに少年がいる部屋に訪れると、顔を少し出し、瞳を閉ざしている少年の姿があった。
「寝ていやがるのかよ」
やはり、この少年はまだ大鎌を持てない半死神なのかもしれない。
寝ているのならまだいい。人の顔を見るなり、あんな顔をするよりかは。
自室で鎌の手入れをしようと踵を返そうとした時。
苦痛そうに眉根をきつく寄せ、胸辺りを苦しそうに雑に掴んで、声にもならない潜もった声で
「起きろっ! 大丈夫かっ! オイッ!」
思わず身体を強く揺らし、大声を上げていると、上がった息を吐いて、徐々に瞼を開かせた。
とりあえず、目を開けたことに安堵の息を吐き、またしばらくぼぅとしている少年のことを見ていた、が。
ヒュウガの姿を捉えた少年は、身体中震わせて、再び布団に潜ってしまった。
「あのなっ! オマエがすげぇ魘されていたから、起こしてやったのに、なんだよその態度は! オイッ!」
あの時は思い留まったが、今回は布団をひっぺ剥がそうと、強く掴み、乱暴に引っ張る。
が、相手も取られまいと必死になって掴んでいるのが気に食わなくて引っ張り続ける。
そうしているうちに段々とバカバカしく思えてきたヒュウガは、「勝手にしろっ!」と布団を投げ捨てながら、捨て台詞を吐いて、わざと音を鳴らしながら、部屋を去った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます