第3話 孤独の夜

 自宅に帰って考え込むことや眠りが浅くなることが増えた。彼に対しての未練じゃない。結婚生活に対しての執着だった。

 今まで何人にご祝儀送ってきたんだろう。


 疎遠になってしまった友人もいるし。


「結婚はしたかったんだけどなぁ」


 元カレに言われた言葉があたまから離れない。

『君は思いやりがないね』


 どうやら私は


 何かが欠落しているらしいが、


 どこがどういけなかったのかまるで心当たりがない。


 よほど相手に我慢させていたんだろうな。


「うまくいっていたと思ってたんだけど、

 しんどいな」


 歴代元カレの最後の言葉を思い出してみても


 落ち込むことしかない。


 強いから大丈夫でしょ。

 一人で生きていけるよね。


 などなどなど。


 確かに人よりは強いかもしれない。


 しかしながら、一人で生きていけるわけではない。


 昨年夏に帰省した時にはついに母親から突っ込まれたことを思いだしてしまう。

「いつまで一人でいるつもりなの?」


 相手いないのだから仕方なくない?とは思う。


 家を継げとか言われることがないのが救いではある。

 一人は嫌だ。

 でも好きな人と歩めない人生も嫌だ。


「お見合いでもしちゃいなさい」

 母親の言葉がふと思い浮かんだ。


 昭和のころのお見合いは

 家柄や人のつながりが重視されたらしい。

 時は流れ、今は令和。

 最近の出会い方はマッチングサイトやアプリ、

 結婚相談所だ。


 アプリでは相手の本気度合いがわからない。


 結婚相談所では契約料がかさむ。

 私にはそんなに金銭的に余裕はない。


「遊びと結婚メインの人の区別なんてつかないよ」





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