ラブソファに、ひとり / 石田衣良
石田衣良さんの小説にハマってしまったので図書館で借りました。タイトルから「ラブソファに、ひとり」という可愛いさと寂しさを兼ね備えた雰囲気を持っていて素敵だなぁと思いました。
石田衣良さんの恋愛短編集って本当に読みやすくて、可愛くて、計算高くて、寂しくて、儚くて……。男性が書かれる女の子ってどうしても「女の子はこうであってほしい」という理想が織り交ぜられる気がするのですが、石田さんの作品はリアルな女性の気持ちがきめ細やかに書かれていたように思いました。
まず「23時のブックストア」結構すきです。本屋さんって書くんじゃなくてブックストアって書くところなんかお洒落っぽくて好きです。
好きな作家が10人中7人被るくらい気の合う年下の男性に告白されるって、本好きにとってはなかなかロマンティックな話だなぁと思いました。少女漫画みたいな、きゅんとくる感情が生まれました。
「ドラゴン&フラワー」は共感の嵐でした。色恋沙汰の悪い噂が絶えない龍児先輩、「好きにならないようにしよう」と思っていたのに告白され、好きになってしまう……。私もほとんど同じような体験をしたことがあったので、細かい気持ちの描写にどんどん魅了されました。石田衣良さんは登場人物を魅力的に書くのがとても上手だなぁと思います。(これは毎回言ってる気がする。)
それから……最後の「魔法のボタン」!
この短編集の中では断トツで好きになりました。友達から恋人へ発展するって、相手の人格を好きになったって感じじゃないですか。お互いに「男として」「女として」接してないような状態から、一気に距離が縮まるのがすごく可愛いなぁと思いました。
特に女の子の萌枝ちゃんの「今回、勇気をだして女みたいな格好をしてきたのは、いつもジャージですっぴんの酒のみじゃなくて、わたしを女の子として見てほしかったからなんだ。メイク下手だし、ファッションなんてまるでわかんないんだけどさ。でも、女の子のわたしを見てほしかったんだよ」という言葉にぐっときました。
むしろこれが女の子!って感じの言葉じゃないですか?かわいい。
私ももっと勇気もって、努力しようって思いました……。
2019.5.20.
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