夜の桃 / 石田衣良
石田衣良さんの作品にどっぷりハマってしまったので図書館で借りてきました。大人の恋愛長編小説です。不倫や浮気がぐちゃぐちゃに混ぜられたお話です。
まず21ページ目の麻衣佳ちゃんの言葉が個人的に滅茶苦茶かわいいと思いました。タクシーから降りるときに
「『じゃあ、お仕事よろしく。比沙子さんも大切にしてあげてね。それから、わたしのことも大事にね』」
というシーンがあるんです。
わたしのことも大事にね、って言える女性ってあんまりいないと思うんですよね。
ずるい女の子って感じですよね。私が男の子だったら絶対惚れちゃいます……。この作品の中では麻衣佳ちゃんが断トツかわいくてずるい女の子だと思っています。一番好きです。
次に62ページの「実際の不倫は徹底的に攻撃する女性たちが、同じ題材をテーマにした小説や映画ではうっとりと滂沱の涙を流している。」という言葉です。
驚くことに以前全く違う本のレビューに同じような感想を書いたことがあるんです…(「MILK」の感想です)。わかる、すごいその表現わかる、と思いました。
小説の主人公と同じことを考えていたというのはなんだか不思議で、嬉しいような気もしました。
最後に213ページの「奪われ続けることがわかっていても、切れない男女がこの世界にはあふれている。」という言葉、現実っぽくて人間味があるなぁと思いました。
わかっていても断ち切れない関係って、切なくて辛いですよね。
家族だからといって、みんながみんな仲が良い訳ではないんだということが大人になるにつれてはっきりと分かってくると思います。
石田衣良さんの作品は物事をはっきり書いてくれるのでとても好感が持てます
遠回しに比喩で表すのもいいけれど、はっきり一刀両断しているのもまたいいなと思います。
最後に、千映ちゃんには誰よりも素敵な人生を送ってほしいなと願うばかりです……。
2019.5.23.
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