第20話 誰だ君は!?

「夕飯は食べれそう?」


「うん。日中はずっと寝てたからそれなりにお腹は減ってるよ」


 食卓を見ると俺の好物である肉料理が沢山の豪華な食事が並んでいた。病み上がりだけど……いけるだろうか。


「私と叶ちゃんで作ったけど、無理して食べなくてもいいよ」


 俺の気持ちを察したのかおばあちゃんがそう言って気を遣ってくれた。確かによく見てみれば、盛り付けがぎこちないものがある。

 ……叶が作ったのか。悲しませないためにもちゃんと食べないとな。


「まぁ、無理しない程度に食べるよ」


 4人全員が椅子に座り、いただきますをしてから食べ始める。まずはおばあちゃんお手製の肉巻きを口に運ぶ。


「おいしい」


 病み上がりだけど、不思議なことに食べていてつらくない。おばあちゃん、やはり長年の経験があるからだろうか。普通に尊敬する。


続いて叶の作った青椒肉絲チンジャオロースを食べてみる。


(……!普通に美味い。っていうか叶、料理できたのか)


家では俺が普段食事などを作っているため普段は叶はあまり料理をしていない。それなのにこの出来……やっぱりおばあちゃんの血を継いでいるだけあるな。


ふと視線を感じ横を見ると、叶がソワソワしていた。どうやら食べてからしばし無言だったため不味いと思われているのかと心配しているのだろう。


「美味しいよ。すごいな、叶。俺でもこんなに作れるか分からないよ」


言い終えてから「少し極端すぎたか?」と思ったが、叶はニヘラ、と嬉しそうにはにかんだ。


────────────────────


夕飯を食べ終えて、食器を片付けている時ふと疑問に思った。


「そういえば、お隣さんはどうしたの?」


「律が熱を出したって言ったら、じゃあまた夏休みくらいにリベンジしようかって話になったぞ。………あー、でも」


おじいちゃんが続きを言おうとした……が。


ピンポーン♪


突然、家のチャイムが鳴った。


「おっ、噂をすれば。律、出てあげなさい」


「え?どういうこと?」


「いいからいいから」


何を言いたいのかがよく分からないが、とりあえず対応すればいいんだろう。俺は居間を出て廊下を小走りで通り玄関に向かう。


「はいはーい。どちら様ですか……」


ガチャ、と玄関を開いたその時。


「りっちゃーーんっ!!」


が玄関から俺に突っ込んできた。


「おわァァっ!?」


そのままバランスを崩し、玄関で倒れ込んでしまう。何が起こったか分からず、混乱する。そしてそのの正体は……


黒髪ポニーテールの、超美少女だった。


(んん……どゆこと?)



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