第6話 今日も義妹のデレは絶好調なようです
「律、起きて」
フニフニ。
「ん……んん?」
「律」
フニフニ。
うっすらと目を開くと、目の前に叶の顔が。
「起きないと……色々……しちゃうよ?」
「////*☆¥$%>○€♪☆っ!!!???」
ガバッと起き上がると、俺に馬乗りになっていた叶と正面衝突。
「あいたっ!?」
「っうぅっ!?」
お互い変な声が出て身悶えする。
「うう……律のいじわる」
額を擦りながら涙目でウーッと軽く睨んでくる叶。
「不可抗力だったんですけど!?」
「私はただ律におはよう、って言いたかっただけなのに」
ムスッとする叶。表情がコロコロ変わるなこの子。記憶が無くなる前とは大違いだ。
「おはようの仕方が過激なんだよ……」
俺はヒリヒリする額を擦りながら、叶の額に軽くデコピンをする。
「あうっ!?」
「次同じことしてきたらもっとすごいことしちゃうからな」
「うう……ごめんなさい」
叶はあからさまにしょぼん、とする。
それを見てさすがに申し訳なく思った俺は「ぶつけたとこ、大丈夫か?」と言った。
「腫れて……ない?」
前髪を少し持ち上げて額を見せてくる叶。
俺はもうちょっと近くで見るために、叶に近づいた。だが、気づかなかった。そこまでが、叶の策略だったのだ。
「大丈夫そうだけど……おわっ!?」
一瞬、何が起こったか分からなかった。けど、頬に当たる温かくぷにぷにした感触で、すぐに理解した。
「////ちょっ、おまっ!!??」
「デコピンの……お返し」
ニヘラ、と頬をうっすらと赤らめて笑う叶。
「次同じことしたら……もっとすごいこと、しちゃうからね?」
この義妹は……どれだけ積極的なんだよっっ!?
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「ねえ、律。今日はどこかに行くの?」
「ん?ああ。今日は何も入ってないな」
今日は休日だが、特にこれといった予定は入っていない。
「その様子だと……どこかに行きたいのか?」
「うん、これ」
ピラ、と2枚の長方形の紙を見せてくる。
どれどれ……?
「シン・ウル〇ラマン……?こんなの興味あったのか?」
コクコク、と叶は頷く。そして気づく。
(ものすごい行きたいって目をしている……)
叶の目はワクワクという文字で埋め尽くされていた。
「特に予定もないし……じゃあ、行くか」
「!!……ありがとう、律。準備、してくる!」
早足で自分の部屋に戻って行ってしまった。
そんなに嬉しいのだろうか。でも、何だろう。喜びの原因は、映画だけじゃない気がする。
「…………あっ」
そして気づいた。これは、これは……もしや……もしかしたら……!
「デートって……やつなのでは!!??」
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叶にもっと甘甘して欲しいと思ったら★または感想などをぶん投げくれると嬉しいです
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