課題3 シップリバーシブル

 沈没した船を海底から引き上げると元の新品のように元に戻りエンジンもかかる船舶復元現象が起きるようになった未来。

船の引き上げが可能になった事によって、わざわざ大金をつぎ込んで新造の船や中古の船を買う必要がなくなり、世界的な造船不況に陥った。

 船のサルベージによって大金をせしめる引き上げ屋ベルトスグループは今回第二次大戦で日本軍が拠点にしていたトラック環礁での船舶引き上げに従事することになった。

 そこには無残にも沈没した日本の艦船が豊富にあり引き上げ屋からはまさに金のなる木そのものだった。

 引き上げの方法も今までのクレーンやフロートのようなつり上げ式ではなく、沈没現場の残骸の空間を隔離して、水槽のようにして引き上げ、そして徐々に水抜きをして、引き上げると塗装なども元に戻っていた。

 そしてほとんどの船を引き上げたときに、遺族会が抗議に来るが、超音波で追い払う。

 そしてほぼ全ての船を引き上げると、そのまま日本の造船所に輸送して、閑古鳥が鳴いて塩と錆で朽ち果てかけたドックで修復をおこなう。

 造船氷河期で食い詰めていた技術者はこの日の為に非正規雇用に入る。

新造の船になった船舶は博物館、新たな船会社、考古学者、そして発展途上国などの国に旅だった。

 しかし、このドル箱もいつ続くのかわからない。しかも、造船不況で技術も失われつつある。

 また、丸木舟の時代に戻るのか誰にもわからなかった。


 アピール

 今回の課題、少しの嘘で最大の効果をという課題に悩みましたが、思いついた物としては、沈没船を水から引き上げると巻き戻って新品の船に戻るという嘘をつくとどうなるのかを考えました。

 まず、新品の船を作る必要もなくなり、引き上げの黄金時代になる。

 だが、造船業は衰退して、その技術も失われていき、人類は船を事を忘れかける。

 さらに、違法な引き上げが横行して、遺族の怒りなどを買うなどして世界的に問題になっていく。

 失われた技術を題材にして、時が逆回りするという物を船に置き換えて考えました。。

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