第7話 心が泣く

どうしたら良いんだ。

お前が俺に残していった

ものがあまりに多すぎて。

戻ってくるのを信じて

ただ待てば良いのか。


愛のない世界に戻っていった

お前が悲し過ぎる。


この手からすり抜けていくお前を声もなく見送る俺が我慢の限界なんだよ。


ごめん……泣かす気なんてなかったよ。

お前がこのままが良いと言うなら

俺はそれで構わないと思っていたのに。

逢うたび泣き出すお前を抱き締めているうちに、お前の涙はすべて俺が貰うと決めたんだ。


俺たち暗闇の中に 

のみ込まれてしまおうか。

誰も追いかけてなんか来やしない


俺とお前……

それ以外に必要なものなんてあるか? 

お前は

俺の心に触れていれば良い。

俺の愛に

包まれていれば良いんだ。


すべてを剥ぎ取れば

自由になれる。


俺はお前の 

お前は俺の

すべてを纏って生きて行けば良い。


こんなにも

お前を愛してしまった俺は

なあ、どうすれば良い?


お前を連れ戻す術を 

教えてくれ。


お前が恋しくて

狂いそうだ。


触れてくれ!

俺のすべてに。

触れさせてくれ!

俺だけのお前を。


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