第7章 もっと深いところ

前章でのイメージは、本当はもっと複雑で、別のベクトル方向の次元の話など、だいぶ端折って説明したんですが、おそらく現時点でイメージするのは困難だと思います。これが確かってわけでもないのでスルーしてもらっても結構ですが、ゆっくりイメージしながら何度か読んでもらえれば少しずつイメージが伝わると思います。


面白いんですよね、こう言うのをとことんイメージするのが好きなんです。

こういう事実を含んだフィクションが好きな人は多いと思います。


さて、世界の構造が分かったところで、もっと深いところに行きましょう。具体的なイメージが詳細まで伝わってなくても結構、世界はかなり自由であるというのが伝わってればある程度成功です。


そこで、ますます眉唾というか、電波受けちゃってるなぁと自分でも思う話になるのですが、どうせなので、可能性も踏まえた胡散臭い話も、とことん行っちゃいましょう。


前章で書いた世界のイメージは、事実に基づいた憶測を含む、私が腑に落ちる形の世界を説明してきました。しかしそれでも、なかなか頭のなかのイメージを伝えるのは難しいため、かなり我々の物質世界に寄せて説明しましたが、実は頭のなかに有るイメージはプールやボールといった具体的な形状ではなく、全く違う形だと考えています。


場の中にプールがあり、その中にボールが満たされている。これはマクロ(大きい世界)の捉え方、実はそのボールが何であるか、プールが何であるか、物質世界といった、内部のネオジム磁石が本質的に何であるか、の説明は一切していませんでした。そこで今度はミクロの観点で説明します。こちらのほうが世界の本質であります。


場というのに関しては何もない空間ですら無い、ただそこにある場所、という意味でほとんど変わらないのですが、プールと言うのは実は例えて言うと液晶画面みたいなものです。液晶画面で全面が黒い状態を想像してください。


そこに、ペイントツールで赤い円を書きます。(ボールね)すると、そこに位置していた黒いドットが赤く変化します

輪の中に灰色の四角を書きます。(磁石ね)すると、赤い円の中のドットが灰色に変化します。


赤い円が右に1ドット移動したとします。(場におけるエネルギー密度変化)すると右の黒いドットが赤くなり、左の赤かったドットは黒くなり、同時に円の中の、灰色の右側の赤かったドットは灰色に、左は赤くなります。これで場における空間が移動したことになり、物質だけが移動すれば、赤い部分は動かず灰色だけが移動します。


そこで気がつくのは、液晶のLED自体は動いてません。


実はこれが世界のすべての構造の根幹です。粒子も物質も空間も全てがエネルギーの一種の形態でしかありません。

ひも理論を知っていれば分かりやすいと思うんですが、パソコンの液晶で32bitカラーであれば1677万色があり、1677万通りの色の、どれかになる為の電流が液晶画面の全ドットに流れています。


この電流のパターンと電圧が全てです。


ボールの中の磁石と言いましたが本質的には磁石に見えているだけでただのエネルギーです。私の脳も手も歯も飲んでいる水も吸ってる空気も全てエネルギーの形状の一種です。人類史上もっと有名な方程式E=MC2の通り、全ての存在するものは全てエネルギーで出来ています。ボールも磁石も飛び交う粒子もエネルギーで、液晶画面内のドットの無限にあるパターンのうちの1つの状態でしかありません。


3次元のセルオートマトンみたいな物だと想像してもらって結構です。特定の条件下でセルの状態が刻々と変化していくというものですが、セルオートマトン自体はONかOFFの1ビット状態です。私のイメージする世界は1つのセルが32ビットみたいな感じです。


※セルオートマトンとは格子状に配置された場に、隣り合ったマスの生死でその生命の生死が決定されるという単純なルールのみで構成される生命シミュレーションするプログラムです。これは1940年代ロスアラモス国立研究所でスタニスワフ・ウラムとジョン・フォン・ノイマンが発見した概念で、ライフゲームと呼ばれたりしています。近年ではコンピュータが強力になったお陰で広大な面積をシミュレーション可能になっています。その映像を見る限り、細胞といわれる生命の最小単位や、この世界全てすらこういった構造なのではないかと思われられるようなシミュレーションになってきています。時間の有る方は是非こちらのシリーズを御覧ください。全てを見終わった時、あなたの世界観が変わるかもしれません。


セルオートマトンでは、セルという構成単位が「生命」とされていますが、この世界ではその最小単位が「エネルギー」というもので存在しています。電気が一番近いイメージですが、電気その物すら電子というエネルギーで作られています。光も電気も物質も、私の考えでは空間そのものですら全て同じもので出来ています、それはエネルギーなのです。


ただ、1つだけ別の要素があります


それは「構造」です


システム、プロトコル、コネクション、リレーション、形状、状態、特性、呼び方はなんでもいいです。世界にあるものが全て同じものでできてるのに、違って見えるのはエネルギー特性が違うからですが、バラバラのエネルギーが意味のある構造になるためにはデータが必要なのです。


液晶画面で黒い背景に白でアルファベットのAと書くと幾つかのドットが、Aという形に見えるように変化します。このAという「形」その物が「構造」で、白く見える為の電流や電圧その物も「構造」です。全てがエネルギーで成り立つ世界に構造が加わると意味をなします。


面白いことに、この構造というものは、そこに存在しなくても意味を成します。約束事(プロトコル)みたいなもので、例えて言うとバーコードみたいなものです。レジの場合、ある種の構造がデータベースの商品と関連付けられています

この場合、白黒の線の太さというパターンが構造です。だからスキャンするとコイケヤ、ポテチ、140円、外税8%と表示されるわけです。


世界にもこういった構造が存在します。例えばエネルギーがビビビであれば鉄になり、ビリビリであれば水素になる

ビであれば光子で、ビービビビーリリーならウランみたいな感じです。さらにはビョビョーならボール内部で、ビンヨヨーンならボールの隙間です。


そしてその構造は重なります


赤いドットと青いドットが重なった部分は紫で観測されます。個別に存在しているのですが観測すると重なってしか見えません。音楽の波形のようなもので、重なってしまう結果パターンは無限にあります。単純なサイン波形に、周期の違うコサイン波形を重ねて、波形が複雑な形になるのと同じです。プールの中にある、全ての領域はそういったエネルギーの形状で満たされています。


難しいのは音の波形のように、非常に複雑でグチャグチャになった波形から、周期と大きさの違う一つ一つの波形を取り出して最後にはフラットにするのが非常に困難というのが観測を難しくさせている理由です。人間には凄いことにそれを可能にする機能が備わっています。オーケストラの中で1つの楽器を聞き分ける機能です。ですが全ての楽器を知っていれば、最後には無音に出来るのですが、人類が知っている波形を全て取り除いてなお、複雑な波形が残るのです。残った波形は知らない波形の重なりなのでそれが何を示すのかは謎のままになってしまうのです。


こうしたプールの中のエネルギーのあり方は無数に重なった構造のせいで非常に複雑なのですが、3次元で観測できるエネルギーだけならまだしも、別のベクトルに存在する別の次元のエネルギーも同時に重なっていて我々の3次元だけでは分別するすべは無いのではないかとすら思えます。これが現時点での人類の感覚を含めた観測機器に備わっていないのが、今後の科学の課題かもしれません。


まぁ、多次元の話をするとどんどんややこしくなるので、あまり細かい話は端折って


そんな感じです。w


液晶で例えると「電圧の種類=色」これがプール(液晶)を満たしていて、「色+ドットのパターン+バックライトの強さ=文字」(その部分の状態)という事です。


この構造は、物質がそこになくても、エネルギーと構造が揃えば、突然物質になり得ます。場にはエネルギーしかない場合もあれば、この構造しかない場合も有ります。もちろん両方共ない場合は「何もない状態がある」のですが(黒いドット)その何もない状態が白いドットになるためには、黒いドットが白くなるためのエネルギーと構造というプロトコルが必要なのです。


さぁ、ついてきてねw


ここで面白いのはエネルギーは無くても構造だけ存在する場合です。構造というのはパターンの事なのですが、パターンその物が意味や結果を生み出すことが結構有ります。バックライトが消えて画面が真っ暗になってもパターンは存在して意味を成してるのです。そこにエネルギーが加われば粒子化したり物質化したり空間化するというだけです。


構造だけで意味を成すのであれば面白いことが起きそうなのです


白いキャンバスを眺めて、これから絵を書くキャンバスにイメージを思い浮かべます。キャンバスにイメージを思い浮かべてもキャンバスはキャンバスのままですが、そんな場合構造はどこにあるんでしょうか。これから未来に描かれるであろう図案はどこにあるのか。

世界で起きる自然現象の場合は、その図案が「偶然」の結果に存在するんですが、そこに意思は存在しません、自然が起す偶然、で世界が作られています。ただし、この例の場合、簡単に言ってしまえば脳にあります。


脳内には細胞で作られたシナプスという構造があります。そこに生体電気や化学物質という動きが加わり思考が生まれています。これはその人の感情や行動、記憶や想像といった全てが含まれています。もちろん、脳というものも物質ですから、細かく分ければタンパク質などの有機物質や、なんかいろんな液体や化学物質でできています。それらは全て、水素や炭素といった原子で出来ており、そういったものは電子や中性子、果てはクオークの単位までミクロの世界で考えると、生命とか抜きに、全てただの物質、つまりはエネルギーです。

私の考えでは空間(ボールその物)ですらエネルギーの一形態であると考えていますので、私達も含めて全ての生き物、有機物も無機物もミクロの視点ではただのエネルギーの一形態の集合でしかありません。その集合が脳という構造であり、生命という結果を起こしている訳です。


ここで、少し戻って「構造だけで存在する」という事を考えましょう


構造はそこにエネルギーがなくても存在する事が出来ます。構造は既に自然界に無限に備わっていてあとはバーコードを読み取りエネルギーを用意するだけなのです。


じゃあ、自然による偶然以外の構造が用意されていた場合はどうなるのでしょう。


この話、とても奇妙だと思うんですが


私達の思考や経験、感情や想像生み出す脳という臓器そのもすら全てがただのエネルギーと構造で作られていて、しかもそれは構造だけで存在する。という話をしてきました。人間の感情や意識の全ては脳で生まれているのはほぼ疑いようがありません。そういった意識や思考が、脳の活動で生まれるのか、脳という構造で生まれるのかは、正直はっきりしないのですが、先の話のように構造だけで意味を成すのであればとんでもないことが起きます。


私が生まれて、数十年生きて、成長してしまったせいで、その結果、私という意識を生み出す、私の脳という構造を、この世界に構築してしまっています。


ここまでは私の中の事実に基づいた仮定のお話です。


ここからは想像のお話。私自身本当のところどうなのか、というのがまだ腑に落ちていない仮定の話です。


「もしエネルギーが失われた後も、何らかの形で場に構造として残っていたとしたら」


という仮定です、残るかどうかは実際分かりません。世界が続く限り液晶の電源は切れないのですが、バックライトが消えた後でも本当に構造だけが残っていたら、という話です。


これ、いろんな事が説明できるようになっちゃうんですよ。勘の良い人は、あーなんか、これから何の話するか分かる、と思います。もしそういう人がいたらこの「可能性」もあながちありえなくもない気がするんですが・・・。


とりあえず


私はね、無神論者で、幽霊だの霊体だの、なんて胡散臭い話だとずっと思ってました。

例えば、誰かが死んだとします。脳を物質世界で形どっていた分子は崩壊します。まぁ腐ったり燃やしたりしますね。エネルギーの形と場における座標は当然変化します。つまり体を体として認識させていた光っていたドットはどっかに移動します。


でももし、場に脳という構造が残っていたら、その残像に意識は残るのか、という話です。


サーモグラフィで赤外線カメラを通して見る世界のようなものです、机においた手のひらは、手を離しても、温度として机に残像が残ります。残った手の形は間違いなく「構造」です。


そんな風に「構造」その物が「場」に残像として残ったらという仮定です。


我々の脳は、そのシナプスの構造自体が重要です、同じ働きをする巨大なデータベースを作ればそこに私は存在するかというと、たぶん「私」が居ることになるでしょう。有機体ではない生命は作ることが可能で、そこに意識をコピーすることはできるはずなのです。過去の経験や感情、見ているものや五感から入力される情報、それらを記憶してる脳その物を

まるごと再現すれば、それは私になるはずです、コピーされた直後から別人にはなりますが、意識のコピーは可能でそれが脳という有機体である必要は無く、脳の構造さえ再現できれば機能するはずです。


そのデータベースには記憶や経験、感情といったものが構造として再現されています。もちろん各細胞に適切に刺激が加わらなければ新たな変化は起きませんから、悲しんでいる脳の状態まま死んだとして、その構造が場に残ったとしたら、私は、その残像が消えるまでずっと悲しみ続けるのかもしれません。このプールという液晶画面の電源を落とすことは出来ないんです。昔の液晶画面で起きる焼きつき、みたいな現象だと考えると分かりやすいかな。


これはもう、俗にいう、地縛霊じゃないですかw


呼び方はどうでもいいのです、宗教と関連付けると私にとって、とたんに胡散臭いものになるので別の呼び方をしたいのですが、日本語の単語の中で当てはまるものが他にないので仕方なくその単語を使わざるを得ません。「地縛霊」と呼ばれている「何か」は、脳という構造が、場に焼きついた現象、その現象その物が引き起こしているのかもしれない、というお話です。


しかも、世界は粒子で溢れエネルギーはどこにでも存在します。もし、そういった構造に物質にならないまでも何らかのエネルギーが加わったとしたら・・・


レールという構造を走る電車のように、パイプを流れる水のように、脳という構造にエネルギーが流れ出したら、その構造は稼働し始め、死んだあとですら、意識は継続する可能性だってあります。そうなるともう物質ではなくただのエネルギー体であり、生命と呼べる代物では無くなりますが、粒子の状態ですらありませんからボールを飛び出すことすら自由です。つまり宇宙のどこにでも自由に行けます。


そんなことを前提にたとえ話を考えてみると


愛しい我が子を残して死んでしまった父の脳の構造が場に残り、その構造が存在する場に、世界を飛び交うエネルギーが影響した場合、意識が存続し、更には宇宙のとこでも行ける。となれば、我が子の元へ行くでしょうね。我が子を見守り続ける意識の有るエネルギー。もし行ったとすれば俗にいう守護霊ですかね。


こんなことですら、私のイメージする世界像ではあながちありえなくもないという困った展開になっていくのです。


そしてさらに。追いうちを掛けましょう。

単純なエネルギーと化した私という脳の構造は、ボールの中も外も干渉ができます。ボールの中、つまり物質世界に干渉できるわけですから、すでにある似たような構造、つまり細胞や別の生き物に何らかの影響を及ぼせる可能性も。無いとは言い切れない。眼に見えないものが他のものに干渉することは、自然界において別段不思議ではありません。見えないだけですから。


もし、そうだった場合、もう一度人生をやり直したいと思えば、これから生まれてくる赤ちゃんの脳に自分の構造の影響を与えられるかもしれない。机に置いた手の温度が、机自体に手の形として影響を与えると同じように、生まれ変わりたいと思う人が、他の脳へ自分の脳の形として影響を与えることが可能かもしれない。その脳の構造は元のその人の記憶や感情、意識全てを含むわけです。


ともなれば、もうこれは輪廻や、転生とかいう物じゃないですか。


胡散臭さ満点な話です。でも全ては本当にただのエネルギーと構造なのです。


場に構造の残像が残り、エネルギーがあれば意識が宿る、だとしたら、死んだ人は「生まれてきて脳という構造が出来てしまったがために」世界から消えることが出来ない状態になっているかもしれない。


これ自体「あり得る」と腑に落ちてしまうと、かなり衝撃的な結論なのではないでしょうか?


ましてや、死んだ人の脳の構造がボール(物質界)の中の物に影響を与えるってなれば、生まれてくる脳だけじゃなく、生きてる人に感じ取ってもらえることすらありえるわけです、霊感と言われるような話や、霊を見たとか、感じたとかね。


さらには、もしその脳の構造が、場から受け取ったエネルギーがそれなりに高ければ、意識が存続するだけでなく、物理世界に直接作用だって起こせるかもしれない。ポルターガイストみたいなものや火の玉なんかね。だってそもそもがエネルギーですから。ものを動かしたって、写真に写ったりしたって何ら不思議ではない。


もうね、たった一つですよ、何十行か前に書いた・・・


「もしエネルギーが失われた後も、何らかの形で場に構造として残っていたとしたら」


という可能性だけ、この一点だけを認めてしまえば、人類、数千年間、人種や文化を超えて言われ続けていた事、現代科学が胡散臭いというものがいきなり可能性を帯びてきてしまうわけです。


みなさんはどう思いますか?


まぁでも、ほとんどは私の想像であり、なんの確証も無いんですが、なーんか変な感じがするんですよね。本当にこうだったらどうしよう、と怖さすら感じるくらいなのです。


でもですね、私はこれを「死後の世界」と呼びたいとは思わないのです。文字からしたらたしかに死後の世界の話なのですが、言ってみれば死後の世界というより「真実の世界」なのかもしれません。


この世界は全てエネルギーだということは近代量子物理学の世界では、ほぼ間違いないのではないか、という所まで研究されているのは事実です。ひょっとしたら、と思えてくる人は居るんじゃないですかね?



私が死んだら、真っ先に息子に会いに行くんだろうな。

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