第13話 骨パラダイス
「マップ!」
マップに表示されている赤い点を目指す。
「ランクアップしなきゃだから、片っ端からダンジョン攻略しないとな」
『どのくらい攻略すればランクアップするんだろうね?』
「あぁ。聞いてなかったな。後で風香さんに聞いてみよう」
一先ず1番近い赤い点を探す。
「これが近そうだ」
少し南に進んだところに赤い点がある。
それに向かって歩く。
近づいてきたところで入口を探す。
よく探すと洞窟の入口があった。
「おっ! ここだ!」
中に入ると、地面が明るくなっている。
「見やすいな! 今回はこの前ゲットしたミスリル
のナイフで戦うかな」
『それ、良いやつだから重宝すると思うよ』
「だよな! よぉーっし!」
意気揚々と奥に向かっていく。
「ゲゲゲッ」
「おっと! せいっ!」
突然の魔物に驚いて身体を一瞬後ろに仰け反らせたが、即座に懐に入り胸を突く。
「グゲッ」
一撃で倒れる。
「うっし! 次ぃー!」
前進していく。
曲がり角に差し掛かる。
少しすると足音が聞こえてきた。
身体を壁に這わせて見つからないように注意する。
魔物が曲がり角に差し掛かった瞬間。
「フッ!」
ズシュッ
ゴブリンは声を上げることも出来ずに倒れ伏す。
「もしかして、ゴブリンばっかりかな?」
『そうかもね』
3回は分岐点を通った。
通った道に目印をつけて歩いているのだが、同じ場所には出ていないようだ。
「これぇ、かなり奥までありそうだし、階段見つけるのは至難の技じゃないか?」
『どれかの分岐の先にあった場合は最悪だね』
「だよな!? あっ! なぁ、ダンジョンって壁とか壊したらどうなるんだ?」
『ダンジョンコアが魔力使って徐々に修復するはずだよ?』
「いよっし! じゃあ、壁をぶち抜くか! 太刀を用意してくれ!」
道が行き止まりになった。
何も無い行き止まりだ。
「ただの行き止まりじゃねぇか! うしっ! ぶち抜く!」
横に壁をぶち抜く事に決めた。
狭いため、太刀を横に構える。
上段に突く姿勢で構える。
腰を引き力を溜める。
「ふぅぅぅぅ。はぁぁ!」
ズドォォォォォンッッッ
パラパラッ
隣の通路が見える。
出来た穴をくぐり抜ける。
その先には続いている道があった。
「よっしゃ! 続いてる!」
見つけた通路を行く。
再び行き止まりになる。
また壁をぶち抜いた。
現れた通路を行く。
大きめな扉が現れた。
「ありゃ? もしかしてガーディアン?」
『そうだね。一層しかなかったんだね』
扉を押して……入る。
中に入ると、ゴブリンが6体いた。
「小規模だとこんなもんなんだな」
太刀を構え走る。
「さっさと終わらせる!」
「ゲゲゲッ」
三角形に陣形を組んでいる。
「ボーリングみたいだな! うらぁぁ!」
先頭の右側を狙い、突っ込む。
ズバァァァン
横に薙ぎ払う。
すると、吹き飛ばされたゴブリンが後ろのゴブリンにぶつかり、連鎖して全員倒れた。
「はっはぁ! ストラーイク!」
転んでいるところをとどめを刺す。
スパンッ
首と身体を別れさせて戦闘は終わった。
「いっちょ上がり!」
奥のダンジョンコアを見てみる。
野球ボール大のコアであった。
地上に転移する。
「こりゃあ、ちいせえな」
『ホントだね。これでいくらなんだろう?』
「さぁなぁ。まぁ、小規模ダンジョンだからしょうがない! 次行ってみよー!」
「マップ!」
マップを見ると西の方に赤い点が見える。
「今度は西だ! 行くぞ!」
西にかけていく。
しばらく進むと発見した。
地面にトビラが付いているタイプのようだ。
取っ手をつかみ引き上げる。
ギギィィィ
下に階段が続いている。
「蘇芳、通るのギリギリじゃねぇか?」
『何とか通れそうだけど』
慎重に下に降りていく。
全体的に通路が薄暗い。
洞窟と言うより地下室のような雰囲気を醸し出している。
ミスリルのナイフを逆手に持ち構えながら進む。
「なぁ、この雰囲気もしかして」
『うん。アンデッドかも。スケルトン出てきたら核を潰す前に骨引き剥がして! 簡単に取れるから!』
「す、蘇芳、怖ぇこというな?」
『アンデッドには痛くも痒くもないから大丈夫! 取った骨は渡してね!』
「お、おう」
ズリッ……ズリッ…………ズリッ
目の前に現れたのはゾンビであった。
「うっ! 初めて見た……コイツの核どこ? 一刻も早く倒したい」
『頭だったかなぁ。それ以外を攻撃してもずっと動いてくるからね』
「マジかよ」
ゾンビの頭は半分ない。
近づけば核は分かるはずだ。
間合いを詰める。
飛び上がり、頭を確認する。
赤い核が見えた。
「シィィィ!」
ナイフで核を突き刺す。
パリィィンッという音とともにゾンビも崩れ落ち土になった。
「うぅ。ゾンビ気持ち悪ぃ」
『翔真、ガンバ!』
カチャカチャ
何かがぶつかり合うような音がしてきた。
『骨のお出ましだ!』
胸にある赤い核が見えている。
そんなことはお構い無しにさびた剣を持ってこちらに向かってくる。
近づいてみる。
剣を振り下ろしてきた。
ギィィィン
ナイフで受け止める。
もう片方の手でスケルトンの腕を力いっぱい引っ張ってみる。
カラカラカラ
腕の骨が下に落ちた。
『放っておくとまたくっ付けちゃうから回収!』
言われるがままに骨を回収する。
その間スケルトンは武器と腕を失い、歩くことしか出来なくなっていた。
もう片方の腕も引っ張り回収する。
『足もだからね!』
また言われるがままに蹴りを放ち両足を分離させる。
地面に転がったスケルトンを哀れみの目で見ながら核を破壊する。
なんかスケルトンが可哀想に思えてしまった。
それなのに蘇芳は骨が入手出来てウハウハである。
『まだストックあるけど、多いに越したことはないしね!』
まぁ、俺もその恩恵を授かっているからなんとも言えないが。
更に奥に進む。
あっという間に下に降りる階段である。
「ここも小規模ダンジョンっぽいな?」
『うん。階層毎が狭いってことは小規模だろうね。3階層位で終わりなんじゃない?』
出てくる魔物もゾンビかスケルトンだけで難なく倒し進んでいく。
3階層で大きな扉を発見した。
「やっぱり3階層だったな?」
『ガーディアンはなんだろうね? 骨がいいなぁ!』
ルンルン気分で蘇芳が扉を開ける。
目の前に飛び込んできたのは骨。
巨大なスケルトンであった。
『おぉーー! ガシャドクロかぁ! ラッキー!』
「これってラッキーなのか?」
『僕も手伝うから! 大きい骨頂きぃー! ヒャッハーッ!』
何処ぞの山賊のようなテンションでガシャドクロに襲いかかる蘇芳。
「やるかぁ」
蘇芳だけに任せててもいいのだが、少しでも早く片付けて上げよう。
慈悲の心で早く終わらせてあげるのだ。
「蘇芳! 太刀出して!」
『あいよ!』
「サンキュー!」
太刀を受け取る。
標的がデカいので足から狙う。
蘇芳が気を引いてる間に股関節部分を切り離す。
スパァァン
ガラガラと音を立てて骨が転がる。
ガシャドクロがバランスを崩して転がる。
『チャーンス!』
蘇芳が腕と足を全部切り離す。
『回収してるから、あと片付けていいよぉ』
「へいへいー」
ガシャドクロの胸部に飛び上がり、大きめな核に太刀を突き刺して破壊する。
サラサラと消えていくガシャドクロ。
早く終わってよかったな。
奥に行きダンジョンコアを確認する。
1箇所目よりは大きいが小規模の範囲だろう。
外に転送されると、一旦街に戻る事にしたのであった。
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