「遺志」タラス・シェフチェンコ(ウクライナ語)


 我の死にたりし時は、我を土に埋められたし。

 我がなつかしきウクライナの地に。

 広大なる草原の中の、なだらかなる丘の墓に。

 そこよりはさだめて見えむ、

 広らかなる小麦の畑と、

 ドニエプル川が岸に立つ断崖の。

 そこよりはさだめし聞こえむ、

 川の流れの咆哮の。


 敵の血潮が、ウクライナより、

 紺碧の海へ流るる時、

 我は野山より去りぬ。

 全てのものと苦悩とを捨て、

 神の御許まで行かむ。

 しかして祈らむ。

 ゆえにそのころまで我は、

 神のことをば知らざらむ。


 我を土に埋められたし、

 しかして汝らは立ち上がらむ。

 重き鎖を断ち切りて、

 敵を弑し、その血を流し、

 汝が意志を広められたし。

 汝らは大いなる家族のもとで、

 新たなる自由な家族のもとで、

 ひそやかに情け深き言葉にて、

 我がことを語らむをな忘れそ。





***

 原典・参照:https://taras-shevchenko.storinka.org/taras-shevchenko%27s-poem-my-testament-english-translation-by-alexander-jardine-hunter.html

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