第7話
私たちは教会をあとにして、次は役場へと向かう
子ども達が「お姉ちゃんいかないで」と寂しそうにしていたのが帰る時に心苦しくかったのがあり、またこちらにきた時に遊びに来る事を約束した
プロフィトに来るには王都と違い長旅になる
今回は仕事を十分終わらせてきたので、ジャン王子と共に訪問することができたけど
今後は計画をしっかりたてないと行き来は難しいと思った
役場では各予算の振り分けとか、街の活性化ではなにを中心に力を入れているかをジャン王子は主に聞いていた
さっきと違い、ここではエレナも話に混じる事ができ、議論も交わすことができたのでお互いが有意義な時間がとれた
それからは生産者にあったりと街をまた見て回った
気になったものは店主に聞いたり購入して実際に試してみたりとしている間にあっというまに夜になってしまった
今日は食べに行くことはせずに露店でテイクアウトしてきたものを宿で食べる事にした
少し冷めていても美味しくて、食べ終わるのが悲しかった
こういうのは王都では食べれそうにないので存分に堪能したい
「エレナ皇女は今日私の視察に1日付き合ってもらったのだが、行きたいところとかなかったのか?」
「そうですね…」
自分が視察に行く時に訪問するところを頭の中でリストアップしていく
だいたい自分が行くところとピタリとハマっており特にここだけは行きたいというところはなかった
ただ、プロフィトを見て思ったことだが、観光施設に力を入れすぎではないかと思った
役場の話を聞いていて、次は〇〇を建てると決めていますというのをきくとすべて観光施設で肝心の市民の憩いの場、生活整備などに力を入れていなさそうな雰囲気だった
街全体がその方向でいっているのならば、問題はないのだが、プロフィトの住んでいる人がどう思っているのか調査したいことだった
「いえ、ありませんわ。ただ、プロフィトに住んでいる人達の話をもっと聞きたいと思いましたわ」
エレナはジャン王子に特に見て回りたい施設などはなかったが、実際にプロフィトに住んでいる民の話をもっと聞きたいと思ったのだ
その旨をジャン王子に言うと彼は頷き、
「そうか、だったら明日は1日話を聞きに行こう」
「よろしいのですか?」
プロフィトへの滞在はあと1日ある
移動に時間がかかるため、そう何度もこれるところではないのに、そんな貴重な1日をエレナの予定に合わせていいのかと聞くと
「かまわないぞ。俺も少し気になる事があったので、市民の話を聞きたいと思っていたからな。それに、疑問に思っていることはたぶん一緒だと思うぞ」
「というとジャン王子も役場の方のお話を聞いて疑問に思ったことが?」
エレナが疑問に思ったのは役場の話を聞いた時だったので、確認のため聞いてみる
「あぁ、この街に着いたときは夜だったから気づかなかったが、どうやらこの街は観光施設が発達していると思う」
「そうですね、それは私も思いましたわ」
「もうすでに発達しているのにまだ観光施設を増やそうしているのが気になってな…」
やっぱりエレナと調査したい点は一緒で、役場と民との齟齬が生じていないか調査したかったそうだ
なのでエレナの申し出はありがたかったらしい
そこからエレナとジャン王子は他に疑問に思ったことやもっとこうしたらこのプロフィトはよくなるのではないかと議論をし食後は有意義な時間を過ごした
明日の調査にはプロフィトの事もそうだけれど失踪したお姉さまの事も聞こうと思っている
ジャン王子と波長が合わない、気に入らないからと誰にも言わずに失踪してしまったのはどうなのかと疑問に思うのだ
最初は姉の事を思い、無理に見つけなくてもいいのではと思っていた
いつかお姉さまの気が済んだ時にひょっこりと帰ってくるだろうと思っていたけれど、それではダメだということがわかってきた
なによりジャン王子はお姉さまとの婚約がどうしたというより、自分に課せられた責任や仕事をちゃんとしない人とは話したくないだけではないかと思う
最初の印象はどうあれ実際、エレナとは仕事の話もすれば雑談もできている
お姉さまは仕事はしていなかったわけではないけれど皇女、常に後回しにする方でやりきれない部分はエレナが代役していた
前までそれが当たり前に思ってきたけど、それは違うと思い初めてしまったのと
教会で思ったように自分でも探してみないと状況は変わらないと思うのだ
なにせうちの国王はお姉さまにすこぶる甘いのだ
お姉さまが帰りたくないといえばお父様は言う事を聞いてしまう恐れがある
それだけは避けないとと思う
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