登場人物紹介&用語解説(2)


こんにちは、お世話になっております、縹です。こちらは登場人物紹介&用語解説となっておりますが、ここで三つ程注意書きをば。



①この一つ前の話「34,政府専用病院/談話室・昼」までのネタバレを含みます。嫌な方はブラウザバックをお願いします。


②文字数が25000字くらいあります。文章量が最早wi○iです。ピ◯シブ百科事典とかニ◯ニ◯大百科とかの記事を読むのが好きな方は恐らく大丈夫だと思いますが、嫌いな方は多分無理です。読み切れません。ブラウザバックを推奨します。


③用語解説について。文章量を削減するべく、「登場人物紹介&用語解説(1)」の内容と変わらない用語解説は全て「登場人物紹介&用語解説(1)を参照。」と書かせて頂きました。つきましては、今回の用語解説は孵化篇〜対「能力」保持者部隊篇までにおける初出単語、および解説内容が追加された既出単語、前回作者が書き忘れた(は?)初出単語の解説が載っております。載っているはずです。



以上の事項を容認して頂ける方のみ、この先の登場人物紹介をお楽しみ頂くことをお勧めします。



【補足】用語解説について。〇:項目 →:〇の関連項目 ⇒:→の関連項目



〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜



〇敵勢ギルド





ラルフ・バンギュラス

年齢:17歳

性別:男

身長:178cm

体重:70kg

≪霊力データ≫

能力:自然現象系・放電

霊力量:E

身体強化率:MAX 300%

霊力耐性:衝撃(Ⅴ)、電撃(Ⅴ)、高温(Ⅳ)、音(Ⅳ)、閃光(Ⅲ)、対人有毒物質(Ⅱ)、???(?)


≪TIPS≫

 本作の主人公。丈の長い黒コートに瑠璃色の瞳を持つ青年。全体的に白髪だが、前髪の向かって右側が黒いという二色に分かれた変わった髪色が特徴。


 寡黙で無表情な上に自らの感情に疎く、およそ性格と呼べるものが見て取れないものの、エーティ曰く「律儀なヤツ」。ある一定の時期より前の記憶が無いのだが、それらに対して「どうでも良い」「大勢に影響は無い」などと言って一切興味を示めさず、こと「自分」という存在に関してほとんど関心を示さない。だが最近はハクアの言葉に影響されたのか、特に自らの過去に関して少しずつ興味を持ち始めており、過去を思い出せないことにささやかな苛立ちを覚えることも。


 戦闘においては大振りなナイフを使用する他、不意打ちや「能力」を主体とした近接格闘を得意とするが、それ以上に突飛な行動力が目立ち、鉄鋼の町ハークトで盗賊捕縛の依頼を遂行した際には遮蔽物の無い場所でハクアの真後ろに隠れて盗賊の長に奇襲を掛けたり、切迫した状況だったとは言え、何の躊躇いも無く火矢を素手で掴んで握り消したりした。


 リゼルをして「出来ない」と言わしめたその行動力は、自分への無関心が関係しているのか。それは本人さえも分からない。



【能力:自然現象系・放電】

 ラルフの持つ「能力」。自らの霊力を電撃に変換、任意の方向へ撃ち出したり、身体や武具に纏わせたりする事が出来る「能力」。電流、電圧を含めた出力の微細な調整も可能で、その幅は生体電位並みの微弱なものから雷をも上回る超々高出力までとかなり広いが、通常の使用時においては人を一撃で気絶させる程度の出力で抑えている。


 一度牙を剥けば絶対に逃げられない、驚異的な威力と命中率を誇る「能力」であるが、無論撃ち出した電撃の方向を途中で変えることは絶対に出来ない(電気は光速で進む為)他、何よりラルフ本人の霊力が非常に少ないことが祟り、普段の霊力量では全快状態で人一人を気絶させる程度の出力の電撃を一発放つのが限界。ただ、リゼルがこの欠点を埋める何かを用意しているらしい……?



【吸収体質】

 ラルフの持つ特異体質。霊力を外部から吸収し、自由に行使できる力。一見すると強力な体質に見えるが、吸収すると一口に言っても「能力」を発動している霊力や、発動済みの術式に流れている霊力は吸収出来ないため、霊力を無条件で切断出来る「龍刃」が無いとこの体質を最大限に活かしきれないという欠点がある。



【銀のペンダント】

 加入祝いにと、ハクアがラルフへ贈ったペンダント。鎖もチャームも全て銀色(銀製ではないっぽい)であり、宝飾は一切無い。ハクア本人へ礼こそ言わなかったが、常に肌身離さず身につけているあたり、相当気に入っている様子……?




ハクア・ガントゥ

年齢:17歳

性別:女

身長:165cm

体重:62kg

≪霊力データ≫

能力:自然現象系・炎

霊力量:?

身体強化率:MAX ???%

霊力耐性:衝撃(Ⅴ)、高温(Ⅴ)、閃光(Ⅳ)、音(Ⅲ) 、???(?)、???(?)

≪TIPS≫

 銀髪に赤い瞳を持つ少女。いわゆるクールビューティーな美貌とは裏腹に健啖家であり、性格も明るく大らかで素直、かつ単純。喜怒哀楽がそのまま顔と行動に出るためころころと表情や挙動が変わり、特に屈託のない笑顔や美味しそうに料理を頬張る姿は非常に魅力的。


 また心根が非常に優しく、ネフィの希死願望やルシュクの悲痛な心情を細やかに汲み取り、涙を流す深い感受性を持つ。またどれほどの悪人が相手だったとしても、何時か何処かで善をなすかもしれないという一縷の可能性を真っ直ぐに信じ、誰であろうと手を差し伸べようとする確固たる善性の持ち主であり、その精神性をシンからは「甘えなどではない、れっきとした強さ」と称賛される一方、フェリーナからは「圧倒的な強さありきの優しさ」と評され、「何かのきっかけで土台が崩れれば二度と元には戻らない」とも言われる。


 戦闘においては得物を一切用いず、無手で近接格闘を行う。が、上記の優しい人柄からは考えられないほどの攻撃性能を誇り、身体能力、破壊力、霊力量、「能力」の出力、どれをとっても「敵勢ギルド」ダントツ。特にその身から繰り出される蹴りは強烈で、その威力は顔面の縦幅だけで自らの背丈ほどもある獅子型の黒い生命体の上半身を一発で半分吹き飛ばすほど。


 余談ではあるが、黒い生命体を主とした対巨大生物戦闘においては無類の強さを発揮する一方、上記の性格が影響しているのか、対人戦闘がかなり苦手。「普通逆じゃね?」などと言ってはいけない。



【能力:自然現象系・炎】

 ハクアの持つ「能力」。自らの霊力を炎へ変換、身体に纏わせたり周囲を一度に焼き払ったり出来る「能力」。彼女が元来持つ破格の霊力量や出力、そこに大らかな性格が合わさった結果、黒い生命体を体内から大火力の炎で爆散させたり、二十人そこらの盗賊たちを一気に爆炎で焼き払ったりと、創意工夫とは程遠い、火力と攻撃範囲に物を言わせたデタラメな使用法が目立つ。


 有無を言わせない破壊力という点では非常に優れているが、やはりと言うべきか、彼女自身、出力調整が非常に苦手であり(「敵勢ギルド」に加入するまでは黒い生命体との戦いに明け暮れる日々を送っており、手加減をする余裕が無かったため出力調整を一度もやったことが無かった、という理由が一応あるにはある)、シン曰く「イチかゼロかしかない」。ので、現在は出力調整をシンと共に鋭意特訓中。目標はマシュマロをこんがり焼けるようになること。




レギン・ヴァルキード

年齢:19歳

性別:男

身長:182cm

体重:75kg

≪霊力データ≫

-SECRET-

≪TIPS≫

 顔面の右半分を覆うように伸びた黒髪と白いネクタイ、赤い上着が特徴の青年。凄腕の術式使い、リゼル・ヴァルキードの実兄。


 常に笑みを浮かべており、流れるように平然と社交辞令を口にするなど、どこか飄々としていて捉え所の無い印象。何とはなしに近寄り難い雰囲気を醸しているが、それらの態度は全て演じている節があり、ハクアの美貌に赤面したり、少女への乱暴を繰り返す無法者集団へ静かに怒りを露わにしたり、貧民街で霊力砲が出回っていることに疑問を持ったりと、正義感が強く思慮深い、ごく普通の青年としての本性が稀に表出することも。


 戦闘においては基本、そこら辺の武器屋で安く買った剣を得物として戦闘を繰り広げる……のだが、得物から既に察せられる通り、真面目に戦うことはほとんど無い。それどころか「ギルド」の依頼遂行の際、剣を忘れるという剣士にあるまじき事態を起こし、体術で応戦した結果二発ほど撃たれるというある種の事件を起こすなど、無鉄砲さ加減はかなりのもの。そのため、ほぼ毎度リゼルやユーリアが彼のフォローに入るのだが、それでも大体怪我をして帰ってくるのでどうしようもない。しかも当の本人が怪我に対して無頓着なので改善の兆しが一向に見えず、依頼や任務から帰ってきた後は大体エーティに文句を言われながら手当てを受けているのが日常。


 ただ、それでも彼が戦力として一級品扱いされるのには理由がある。それは二発程度撃たれた後でも平然と行動していたり、弾丸を発射後に回避したりなど、時折見せる人外じみた頑強さと身体能力に関係がある……?




エーティ・アシュレ

年齢:18歳

性別:男

身長:175cm

体重:72kg

≪霊力データ≫

能力:???・???

霊力量:?

身体強化率:MAX 280%

霊力耐性:-SECRET-

≪TIPS≫

 赤みがかった金髪の癖毛が特徴の、比較的表情に乏しい(無論ラルフほどではない)青年。料理、裁縫から武具製作まで何でもそつなくこなす万能型であり、兄の無鉄砲さを嘆くリゼルを宥めたり、任務や依頼の度に怪我をするレギンを手当てしたり、霊力切れで倒れかけたラルフの元へ真っ先に駆けつけたり、全員分の飯を欠かすことなく毎日作ったりと、かなり頼りになる性格をしている……のだが、身長を気にしているシンに対して怪我の程度の話だったとは言え「小」と言ってしまった上にリゼルに指摘されるまでそれに全く気付かないなど、ややデリカシーに欠けている一面も。


 戦闘においては物理的な罠の作成を得意とするため、後方支援をする事が多い。また頭も非常に良く回り、彼の推測は大体当たる。しかし、戦闘以上に彼の特筆すべき特徴は、非常に高度な医術を習得している点である。その技術は縫合程度であれば息をするように行い、必要に迫られれば切開や体の一部の切除も平然とやってのける。何時、何処で、何故この技術を学んだのか。それは彼が過去に置かれていた境遇が大きく関係しているらしい……?


 ちなみに余談ではあるが、かなり恵まれた体格をしており、それは彼よりも背の高いラルフよりも体重があることからも見て取れる。




リゼル・ヴァルキード

年齢:16歳

性別:男

身長:172cm

体重:58kg

≪霊力データ≫

能力:超常現象系・空間操作

霊力量:A+++

身体強化率:MAX 200%

霊力耐性:衝撃(Ⅴ)、高温(Ⅳ)、閃光(Ⅳ)、音(Ⅲ)、電撃(Ⅲ)、対人有毒物質(Ⅲ)

≪TIPS≫

 レギンと顔立ちのよく似た痩身の少年。ぶかぶかのブーツと緑のベストが特徴。無精者の剣士、レギン・ヴァルキードの実弟。


 慎重で疑り深い性格であり、一度心を開けばノリの良い軽快な一面を見せるものの、戦闘時や見知らぬ人間相手には人一倍警戒心が強くなる。その為ラルフの加入を「敵勢ギルド」で唯一快く思っていなかったが、最近は彼に対して徐々に心を開きつつある。しかし無鉄砲な兄に日々悩まされている彼にとって突飛な行動力を持つラルフの存在は兄がもう一人増えたも同然であり、口にする小言も二倍になってかなり辟易している様子。それでも彼らのフォローに日々余念が無い辺り、実は相当面倒見が良いのかもしれない。


 「敵勢ギルド」唯一の術式使いであり、その名の通り、戦闘においては術式と「能力」を駆使した近〜中距離からの攻撃を得意とする。また術式に関する豊富な知識を生かして全体の情報統括を行う他、術式を使った装置を作ることで「敵勢ギルド」全体の戦略の幅を広げる役割も担っており、ネフィ討伐の際に使用した通信機(仮)は彼の製作である。また、最近だとラルフの少ない霊力量を補助するためのアイテムも作っているらしい……?



【能力:超常現象系・空間操作】

 リゼルの持つ「能力」。自らの霊力が及ぶ空間範囲内全てにはたらく力の大きさと向きを、霊力を消費することで自在に操作出来る「能力」。大きさと向きを持った力、つまりベクトル量を持つ力であれば何でも操れ、操作対象は可視光、音、熱、圧力、電場(磁場)、気流、垂直抗力、エトセトラと多岐に渡る。ちなみに一番得意なのは圧力と垂直抗力の操作。一方、電場の操作はやや苦手な様子。


 汎用性に関しては申し分無い「能力」だが、操作範囲が「自らの霊力が及ぶ空間範囲内全て」であるため、特に圧力や垂直抗力を扱う時は術式できちんと「能力」の発現範囲を指定しないと意図していないものまで巻き込んでしまう危険性がある。またどんなに強力でも「能力」であることに変わりは無いため、シンの反転の「能力」や、霊力を切断できる「龍刃」「煌刃」との相性は最悪(どの「能力」にも言えることだが)。



【空間遮断術式】

 リゼルが自分の「能力」を制御するために開発した術式の一つ。上下(前後、左右、どれでも良いけど)二つの術式に挟まれた空間の内外にはたらく力の出入りや、術式の内側にはたらいている力を自由に制御出来るというトンデモ術式。


 基本的に彼の「能力」をベースに作られているのでベクトル量を持つ力であればなんでも制御可能。術式内部の光を増幅させてレーザーを撃ったり、自分や周辺一帯に光学迷彩を施したり、内部の音が外部に漏れないようにしたり、術式内部に電位差を作って電撃トラップを作ったり、自らの周囲に術式を展開して空を飛んだりと、かなりやりたい放題。しかし、この術式の最大の特徴は霊力の出入りまで制御可能、果ては「特定の人物は入れて他の人物は弾かれる空間を生成可能」な点である。


 ただ、特定の人物の出入りを制御するには対象となる人物が保持している霊力を事前に同定し、その情報を術式に組み込まなければならないため、初めて遭遇する人間に対しては使えない、簡単に言うと初見さんは確定で入れないという側面もある(全ての人間が入れる状態になっている術式であれば内部へ入れるが、そう言った使い方はほとんどしない)。


 ちなみに一般化(詳しくは用語解説へ)していないため、現状この術式を使える人間は彼一人だけである。一般化すれば文明が発達するレベルのチート術式なのだが、意地でも他人に使わせる気は無いらしい。それを技術の独占だと非難するか、自分の力の恐ろしさを理解していると感心するかは判断する人間次第である。




シン・スケルス

年齢:24歳

性別:女

身長:156cm

体重:55kg(体脂肪率10%以下)

≪霊力データ≫

能力:自己強化系・反転

霊力量:B

身体強化率:MAX 350%

霊力耐性:衝撃(Ⅳ)

≪TIPS≫

 帝国陸軍隠密大隊の隊服を着た「敵勢ギルド」最古参の女性。切れ長の目に黄色い瞳、そして深い青緑色の長髪が特徴。マスター代理であるフェリーナとは古くからの友人同士。


 隊服から察せられる通り、かつて帝国陸軍隠密大隊、通称暗殺部隊に属していた人間だが、国家反逆罪を犯したとして帝国から指名手配されている。顔も公表されているため一歩も外へ出歩けず、肩身の狭い日々を送っているが、そのような閉鎖的な現状を当人はあまり気にしておらず、それは姉御肌で面倒見が良く、他人に教えることが好きという性格にも反映されている。また無類の酒好きで、昼間だろうが何時だろうがほぼ毎日酒瓶片手に千鳥足。ちなみに身長が周囲と比べて小さいことを気にしているらしく、間違ってもチビなどとは言ってはいけない。殺される。ガチで。


 戦闘においては短剣二本を得物としており、殺しにおいては卓越した隠密技術を用いて対象を暗殺する戦法を取る。ただ彼女の脅威は暗殺術ではなく寧ろ体術であり、真正面から殴り合って彼女に勝てる人間は少なくとも「敵勢ギルド」内にはいない。彼女もそれは十分承知しており、暗殺術はあくまで殺すためだけの手段として使い、戦闘時は体術を使用することの方が圧倒的に多い。



【能力:自己強化系・反転】

 シンの持つ「能力」。触れた対象と逆の性質、向き、強さを示すことで「能力」や身体強化、術式の無力化が可能なアンチ系の「能力」。無効化ではなく無力化であるため対象の霊力による武装をワンタッチでひっぺがすことが出来、実際この「能力」でネフィの大規模な術式を易々と解除したりマリアンヌの「能力」を破ったりした他、ハクアの放った、青々と茂る芝生を一瞬で焦がす威力の爆炎を至近距離で防いで見せた(とは言え、高温耐性を持っていないため軽く火傷した)。


 事実上リゼルの空間操作の「能力」すら物ともしない、「能力」保持者からすれば厄介この上ない「能力」だが、自己強化系であるため、対象に触れないと「能力」を発揮出来ない。また無力化できるのはあくまで「能力」、身体強化、術式の三つであり、霊力そのもの自体を消すことは出来ないため、霊力の塊である黒い生命体への効果は薄い(それでも若干は効くっぽい)。



【アレグリアとの因縁】

 シン自身、アレグリアを「クソ野郎」と呼んで骨の髄まで嫌っている。と言うのも、七年前、皇帝暗殺を試みた際に上官であるアレグリアと交戦、彼女に腹を貫かれて敗走した経験があるからである。その他にもアレグリアの持つ自己中心的で子供じみた残虐性も理由としており、彼女に対して「自分の異常性癖を満たすためだけにあの部隊(暗殺部隊)を創設した」「あそこまで悪趣味全開な人間を今まで見たことが無い」という評価を下している。


 上記の経験はシンにとってそれなりにトラウマになっているのだが、一方で自身の耐久性への自信にもなっており、彼女を「能力」に巻き込んでしまったことを泣いて謝るハクアに対して「アンタ如きの『能力』でくたばるワケ無い」と一蹴している。




ユーリア・イーレン

年齢:18歳

性別:女

身長:158cm

体重:53kg

≪霊力データ≫

能力:???・???

霊力量:?

身体強化率:MAX 250%

霊力耐性:-SECRET-

≪TIPS≫

 白い長髪に深い緑色の瞳を持つ少女。何時も丁寧口調なのが特徴。「敵勢ギルド」の面々を「さん」付けで呼ぶが、シンだけはとある事情により呼び捨てで呼ぶ。


 優しく思いやり深い性格で、黒い生命体との戦いに慣れているハクアに対し真っ先に「怖くないのか」と聞いたり、剣を忘れたレギンに文句一つ言わず自腹で剣を買い与えようとしたりと、仲間を気遣う一面が多々見える。また、メイラ・エンティルグ帰還の注意喚起の書面を送ったギルドマスターの意図を冷静に考察したり、レギンの受けた依頼に作戦を立てたりするなど、聡明な一面もある。


 しかし一方で寝起きや急いでいる時に限り、何故か「敵勢ギルド」拠点の居間に敷いてある絨毯によく躓くというドジっ子体質を発揮する。色々と自分なりに対策は立てているらしいのだが全て失敗に終わっており、その理由は本人にすら分からない。


 戦闘においては主に拳銃や小銃を用いた中〜遠距離からの後方支援を得意とするが、必要とあれば超遠距離からの狙撃もお手の物であり、その腕前は百発百中を超えて百発百一中レベル。無論、実弾銃の扱いにも長けるが、それ以上に霊力砲、特に小銃型霊力砲の扱いを最も得意としている。しかし彼女にとってそれはラルフやレギンにとっての「龍刃」「煌刃」と同等の切り札であるため滅多なことがない限りは持ち出さず、代わりに小型の拳銃型霊力砲を使用することが多い。



【霊力砲の謎】

 霊力砲は術式兵器(詳しくは用語解説へ)の一つであり、本来であれば帝国軍の厳格な管理下の元、実物はおろか、その技術すら外部へは漏出しない……筈なのだが、何故か彼女はそれを持っている──しかも二丁も。その理由は最近貧民街や路地裏を中心に大量に出回っている謎の術式兵器(?)と関係がある……?




フェリーナ・メアンドラ

年齢:25歳

性別:女

身長:162cm

体重:52kg

≪霊力データ≫

-UNKNOWN-

≪TIPS≫

 編み込んだ赤紫色の長い髪と菫色の瞳を持つ麗人。「敵勢ギルド」のマスター代理兼手代であり、拠点の維持や資金管理、「ギルド」から送られてくる任務内容の精査、任務達成の報告書の作成及び提出、メンバーの「ギルド」の依頼受理の許可など、「敵勢ギルド」の運営管理を現在失跡中のマスターに代わって一手に担う。


 性格は穏やか且つ物腰柔らか。普段は常に微笑みを浮かべており、たおやかな印象が目立つが、黒い生命体と鉢合わせした際にはパニックに陥ること無く冷静に対処しようとしたり、酒に酔った男数人にだる絡みされたりしても顔色一つ変えないなど、胆力のある一面も見られる。またネフィ暗殺の依頼に関して契約上に無い『復讐代行』の意図があったとして目付きと声音だけで「ギルド」マスターを威圧した他、調子に乗って金をせびる男に向かって「こっちの方が(お礼の言葉より)分かりやすい」と笑顔で銀貨を渡し、遠回しに彼を馬鹿にするなど、気に入らない相手に対して攻撃的な態度を示すこともしばしば。


 非戦闘員であるため、前線に出ることは無い。しかし実戦経験が無いわけではないようで、実際シンは彼女の戦闘を見たことがあるらしい……?


 余談ではあるが、実は重度の歴オタ。多くの本が部屋にひしめき合っており、彼女の部屋はその物量のあまり、足の踏み場も無い状態だったりする。エーティが近々部屋を片付ける計画を実行する模様。




ゼド・バートン

年齢:??歳

性別:男

≪霊力データ≫

-SECRET-

≪TIPS≫

 フェリーナに「彼」と呼称された男。「敵勢ギルド」を設立した人物で、三年前に突如として失踪するまでマスターを務めていた。フェリーナはその代理にあたる立ち位置である。ちなみにこの名前、どうも偽名らしいのだが……?





〇帝国陸軍 / 対「能力」保持者部隊





メイラ・エンティルグ

年齢:24歳

性別:女

身長:167cm

体重:61kg

≪霊力データ≫

能力:無し?

霊力量:?

身体強化率:MAX ???%

霊力耐性:-SECRET-

≪TIPS≫

 アレストリア帝国陸軍に所属する軍人。階級は大佐(一等佐官)。アレストリア帝国陸軍第一師団所属・第三機動防衛大隊(通称、第一〇三防衛大隊)大隊長(隊長)、及び特殊部隊・対「能力」保持者部隊隊長。


 黒紫色の髪と薄紫色の瞳を持ち、端正な顔立ちと凛とした風格を持つ女。淡紅色の髪留めが特徴。かつて北西部防衛戦線を「たった一人で」守り抜くという空前の戦果を上げたアレストリアの英雄であり、それを理由に国内において「帝国軍最強」と呼ばれ、他国も彼女個人を国家レベルで警戒対象にしていると言う、何処ぞの白い死神とかバケモノス◯ーカ乗りとかと同等の扱いを受けている。


 性格は正義感と責任感が強く、真面目で忠実。上官に決して背くことは無く、皇帝に十全たる忠誠を捧げている。また皇帝が示した「能力」保持者死亡事件の内容から「ギルド」が「能力」保持者を集団としてまとめている可能性を一目で見出し、情報収集のために「ギルド」で稼いでいた「能力」保持者であるジェンを部隊へ引き抜くなど、頭も非常に切れる。


 が、それはあくまで軍人としての彼女であって、実際はかなりの無精者。作戦から帰還して自室に戻ったらまず真っ先にシャワーを浴びるなど綺麗好きではあるようだが、基本的にズボラであり、髪は石鹸で洗うし、化粧も一切しない通り越して毛ほども興味が無く、そのせいで結構な美人なのだが色気が全く感じられないと言う、見る人が見たらかなり残念な女性。また、事務作業も苦手な模様。


 こんな彼女ではあるが、正義感と責任感が強いのは根っからなようであり、悪逆の限りを尽くしてやりたい放題なアレグリアとは、上官であるにも関わらず顔を合わせた瞬間口論すっ飛ばしていきなり戦闘が起きかねないほど真っ向から対立している。実際アレグリアに対してシカト同然な態度を取って彼女を怒らせたことがあるが、メイラ自身、一切気にしていないどころか記憶から存在を積極的に抹消しようとするなど、生理現象レベルで嫌っている模様。反対にジェンに対しては、初っ端から「ギルド」の情報収集と言う暗殺される危険を明らかに伴う任務を課さなければならないということもあり、上官の立場でありながら彼に頭を下げた。


 大佐という立場もあり、戦闘に出ることはほとんど無い。が、軍から支給された一振りの剣(サーベル)を得物としており、皇帝に危害を加えようとした東方民族(詳しくは用語解説へ)の首長を一瞬で取り押さえた他、「能力」保持者であるジェンやスズミでもほぼ歯が立たなかった相手を一撃昏倒させるなど、近接戦闘において相当な実力があると見られる。


 ちなみに、かなりの下戸である。でも部下から勧められた酒は一滴も残さずちゃんと飲む。何だったらおかわりまで要求する。



【メイラの「能力」について】

 当初、彼女が対「能力」保持者部隊の隊長に就任することを渋った理由として、彼女自身、「能力」を持っていないという事実が挙げられる。身体強化こそ出来るようだが、「能力」の発現は出来ておらず、他の将校に隊長の座を譲ろうとしたのもこれが理由である(彼女が名前を挙げたグンテンバート、ビリルオン、キルシュタインの三者は皆将校かつ「能力」保持者である)。


 しかし、過去に陸上戦線をたった一人で維持した、という人外じみた偉業をブチ立てている辺り、何も無いと言う方が無理がある。皇帝はそんな彼女を「この国を守れるだけの力を充分に持っている」と評しているが……?




ジェン・クスト

年齢:18歳

性別:男

身長:174cm

体重:68kg

≪霊力データ≫

能力:自然現象系・風

霊力量:B+

身体強化率:MAX300%

霊力耐性:???(?)、衝撃(Ⅴ)、低温(Ⅳ)、電撃(Ⅲ)

≪TIPS≫

 明るい茶色の短髪にややくすんだ赤色の瞳を持つ青年。濃い灰色を基調とした服装と灰緑の布に包まれた剣を背負っているのが特徴。元々「ギルド」一の依頼解決件数を誇る「ギルド」有数の実力者だったが、現在は「ギルド」を離れ(抜けてはいない)、帝国軍の特殊部隊である対「能力」保持者部隊での活動を主としている。


 男数人に囲まれていたフェリーナを助けたり、彼の身を案じるデルノレの町長に安心するよう諭したりと、正義感の強い好青年。しかし一方で、海辺の街デルノレにてメイラから入隊の誘いを受けた際は帝国軍への入隊を、彼女を困惑させる勢いであっさりと承諾するなど、やや淡白な一面も見られ、下手すれば自分が暗殺される危険性のある「ギルド」の情報収集の任務も同じようなテンションで受け入れてメイラを再度困惑させているが、これは周囲の人間から常に好奇と羨望、そして期待の眼差しを向けられている環境への辟易から来るもの(それでもある程度は仕方ないと思っている)であり、自身の非道な行いを正当化しようとする男に対して重傷を負って尚啖呵を切っている辺り、正義感の強い性格が本来の彼なようである。


 戦闘においては細く長い刀身が特徴の両刃の剣と「能力」を併用した近〜中距離の攻撃を得意とする。銃を難無く真っ二つにするなど、太刀筋単体で見てもかなり強い部類だが、それ以上に「能力」を発現しながらの剣戟は圧倒的な攻撃範囲と破壊力を誇り、その威力は一振りで海賊船二隻の帆柱をまとめて破壊したり、一突きで術式兵器(?)(詳しくは用語解説へ)を破壊し装備していた男を吹き飛ばして岩壁にめり込ませたりするほど。



【能力:自然現象系・風】

 ジェンの持つ「能力」。自身の霊力で周囲の気圧を操作、風を起こすことの出来る、偏頭痛持ちは真っ青な「能力」。原理は一般的な扇風機よりも気象学における風(気流)、扇風機で言うならダイ◯ンの羽無し扇風機に近い。風の起こし方や勢いは任意で調整が可能であるが、戦闘時に使用する際の威力はどれをとっても災害級。また、自身に風をまとわせることでマシンガン程度の弾速であれば至近距離で発砲されても当たらないどころか弾が自身から勝手に逸れていくという、どっかの狩りゲーのクソ古龍が怒り時にまとうクソ風圧みたいな性能の障壁を全身に展開することも可能。


 威力に関しては申し分ない「能力」だが、攻撃のほぼ全てが範囲攻撃となるため、開けた場所でないと意図しない破壊をしてしまう危険性が大いにある。また、気圧操作の出力次第では偏頭痛持ちでなくとも一発KOさせてしまう可能性が高いため、狭く人の多い場所での戦闘、主に市街地戦となると「能力」がほとんど使えない。




スズミ・ティノーチェ

年齢:22歳

性別:男

身長:185cm

体重:72kg

≪霊力データ≫

能力:自然現象系・液体操作

霊力量:A

身体強化率:MAX300%

霊力耐性:衝撃(Ⅳ)、高温(Ⅳ)、低温(Ⅳ)

≪TIPS≫

 アレストリア帝国陸軍に所属する軍人。階級は伍長相当。帝国陸軍第九師団・中心地区警護隊所属 → 特殊部隊・対「能力」保持者部隊へ転属。


 後ろで一房にまとめた深青色の長髪と紺碧の瞳が特徴の男。すらりとした長身にその気が無い同性でも息を呑むほどの美貌が特徴。また礼節を重んじ公私を分ける気質でもあり、特に人称に関しては公の場や任務中、上官や部下の前では一人称に「私」、二人称に「貴方(貴女)」を使うが、任務外における一人称は「僕」、更に親しみを感じた相手に対しては二人称に「君」を使うなど、相手の立場や状況に応じて徹底的に使い分けている。


 穏やかで思慮深く、気遣いの出来る性格であり、若くして部下を持ち、隊長に面と向かって意見するなど早熟で優秀な印象だが、幾度となく同じ過ちを犯す部下を来訪者であるジェンの眼前で問い詰めたり、彼の「能力」を封じて自己陶酔じみた発言をする男へ「能力」の出力を全開にして切り込もうとしたりするなど、年相応に短慮な一面も見せる。とは言え、他人を気遣う心は本物であり、中央政府内で最も地位の低い隠密大隊に所属するセレスに肩の力を抜くよう声を掛けたり、自身の「能力」を心底嫌うサシェに「嫌うのも良いが、(自分の『能力』と)向き合ってみるのも悪くないのでは」と諭したりと、ささくれ立った心を宥める能力は随一。


 戦闘においては「能力」に重点を置いた槍術を用い、中距離からの攻撃を得意とする。知的な外見をしている彼だが、その見た目に反して相手に向かって巨大な水の塊を頭から叩きつけるといった物量に物を言わせた質量攻撃を多用するなど、割と脳筋っぽい。



【能力:自然現象系・液体操作】

 スズミの持つ「能力」。自身の霊力を介して液体の形状や温度を自在に操作する「能力」。中でも水の操作に関しては群を抜いており、自身の霊力を放出した範囲内にある水分を一点に凝縮させて水の塊を形成、自在に操る他、緻密な温度操作によって過冷却水を生成、対象に水をまとわりつかせた瞬間凍らせて拘束するなど、応用の幅も利く。


 また操作対象を水だけに絞れば流体操作、つまり液体の水だけでなく気体の水も操作することが可能であり、固体の水(氷)の形状操作も多少なりともできる……が、氷の操作に関しては流体である二者と比べて操作性が一気に落ち、ゆっくりとしか変形出来ず、温度を操ろうとすると多大な霊力を消費する。気体→液体→固体や液体→気体の温度操作は得意だが、固体→液体の操作だけは苦手(と言うかほぼ不可能)。



【碧玉の填め込まれた銀の槍】

 スズミの得物。対「能力」保持者部隊に転属するまで自室に保管してあった。見た目は装飾品と見紛うほどの美しい長槍だが、その実態は彼の液体操作の「能力」を補助するお助けアイテムである。と言うのも、彼が「能力」を使用する際、霊力の放出範囲の調整と霊力による凝縮起点の生成を同時に行うという非常に高度な霊力操作が要求されるため、常に緊張状態となる戦場においては精神的負担が大きいのである。


 そこで登場するのがこの銀の槍。填め込まれている碧玉には彼にしか発動できない術式(リゼルの空間遮断術式みたいなもの)が描かれており、彼が霊力を解放、放出すると術式が自動的に発動し、「能力」を発現すると無条件でそこが凝集起点になる。これのお陰で槍を携えている間、彼は霊力を放出するだけで「能力」の使用が可能になり、精神的負担が大幅に減るという仕組みになっている。


 ……でもまあ、実際のところ、槍が無くても「能力」を完璧に制御可能だったりする。それにかまけること無く、戦場において負担はなるべく減らすべき、と合理的に考えられるのは流石と言ったところか。




セレス

年齢:15歳

性別:女

身長:150cm

体重:45kg

≪霊力データ≫

能力:???・瘴毒

霊力量:?

身体強化率:MAX280%

霊力耐性:対人有毒物質(Ⅴ)、衝撃(Ⅳ)

≪TIPS≫

 アレストリア帝国陸軍に所属する軍人。階級は無し。帝国陸軍第十師団・隠密大隊(通称・暗殺部隊)、及び特殊部隊・対「能力」保持者部隊所属。


 隠密大隊の隊服を着た小柄な少女。二つに結わえた金髪と紫色の瞳が特徴。表情の変化が少なく、必要最低限の会話や発言以外は言葉を発しない、近寄り難く冷たい雰囲気を醸しているが、大元の作戦内容を無視して敵を皆殺しにしようとしたシグネを微力ながらも止めようとしたり、瀕死の重傷を負い、助かる見込みの無いジェンを安楽死させようとしたりするという心ある行動を取る一面も。


 ただ、どうやらこれらの態度は単なる人見知りな性格から、というわけではないらしく、スズミから隠密大隊の所属で間違い無いかと訊かれた際には怯えたような表情を見せたり、あらぬ勘違いをジェンにしてしまった際には全然大したことない内容だったにも関わらず深く頭を下げて謝ったりなど、何かただならぬ理由があるようだが……?


 戦闘においては暗殺部隊に所属しているだけあって、隠密技術を用いた暗殺を行う……のだが、戦闘シーンが無いので今回は割愛。ただ身体能力は常人以上なようで、森林地帯に潜伏していた敵十数名をものの数分で捕縛を完了させ、シグネに相対していた敵数名にも一切気付かれること無く「能力」で行動不能にしている(当然シグネも気付けなかった)。



【能力:???・瘴毒】

 セレスの持つ「能力」。触れた相手を毒物に晒された状態と同じ状態にさせることが出来る「能力」。「毒物に晒された状態」であるならばどんな状態にすることも可能であり、「どの毒の」「どんな毒性を」「どの程度効かせるか」まで調節可能。全身を麻痺させたり、皮膚をただれさせたり、果ては即死させたり、肉はそのまま骨だけ溶かしたりと、色んなエグいことが出来る、触れたら終わりの死神のような「能力」。


 また、最大の特徴として「能力」を解除しても「能力」暴露時と同じ症状が一定時間続く(症状の進行は無い)というものがあり、これのお蔭で(せいで?)敵数名を全身麻痺により行動不能にした際、「能力」解除後も依然として彼等は麻痺したままだった。




シグネ・キャスティ

年齢:21歳

性別:女

身長:160cm

体重:50kg

≪霊力データ≫

能力:???・???

霊力量:?

身体強化率:MAX 250%

霊力耐性:-UNKNOWN-

≪TIPS≫

 アレストリア帝国陸軍に所属する軍人。階級は二等兵相当。帝国陸軍第九師団・シュダルト警備隊及び特殊部隊・対「能力」保持者部隊所属。


 高い位置でまとめられた栗色の長髪が特徴の女性。大きな声と笑顔でハキハキ喋る快活さを持ち、人の話を最後まで聞かない傾向が若干あるものの、悪いことをしたと思ったらすぐに謝るなど、素直で明るく、溌剌とした性格の持ち主。それは警備隊の業務においても変わらず、帝都シュダルトの平穏を維持するという強い使命感の下、日々大通りやその周辺を駆け回っている。また仲間に対する情も非常に厚く、瀕死の重傷を負ったジェンを涙ながらに介抱した。


 ……と、基本的には正義感が強く仲間思いな彼女だが、一方で過去に無法者に両親を殺されたことから、盗賊などに相対した際には先程の性格や笑顔が掻き消えるほどの強い憎悪を露わにし、命令よりも私情を優先させる偏狭的な一面を持つ。この性質は特に対「能力」保持者部隊での任務において強烈な独善性と共に顕著に現れており、無法者集団と相対した際には「対象の捕縛」というメイラからの命令を無視して憎悪の赴くままに敵対者を皆殺しにしようとし、セレスやジェンの制止を「危ないから下がっていて下さい」「言うことを聞かない無法者共を懲らしめようとしているだけです」と一切聞かず、あまつさえセレスによって既に捕縛済みの無法者まで手に掛けようとするという、最早凶行と呼ぶべき暴走っぷりを見せた。


 このように両極端に振り切れた性格をしているせいか、ジェンからは「本当に人の話を聞かない」と呆れられ、サシェからは「うざったい」と煙たがられているが、その一方でスズミからは「彼女の笑顔に心救われる人は多いでしょうし」と好意的に評されている(そうは言っても最終的にシグネを拘束したのは彼である。建前が上手いと見るか、公私を徹底的に分ける彼の気質がここでも窺えると見るかはその人次第)。


 戦闘においては謎の赤黒い液状物体を足元に展開してそこから腕を作り出し、それを用いた中距離攻撃を得意とする……のだが、この腕、貫通力に関しては一本一本が小銃型霊力砲の熱線クラスであり、その威力は一発で人一人の腹を半分抉り飛ばすほど。また、シュダルト警備隊で犯罪者を取り押さえる必要があるためか、徒手空拳も得意としている模様。



【異様な力の謎】

 どうやら彼女が用いる謎の赤黒い液状物体と腕は「能力」っぽい何かであるようだが、ジェンからは「『能力』なのか、アレ」と疑問を持たれている。彼女がこのような異質な力を持つ理由は、彼女が「お師匠様」と慕ってやまないアレグリアと関係があるらしい……?




サシェ・ソミオロ

年齢:20歳

性別:女

身長:157cm

体重:50kg

≪霊力データ≫

能力:自己強化系・超回復

霊力量:C

身体強化率:MAX125%

霊力耐性:対人有毒物質(Ⅴ)、衝撃(Ⅲ)

≪TIPS≫

アレストリア帝国陸軍に所属する軍人。階級は伍長相当(軍医)。帝国陸軍第六師団・西部国境警備軍所属 → 特殊部隊・対「能力」保持者部隊に転属。


 淡紅色の髪に碧い瞳を持つ、きりりとした顔立ちの少女。顔立ち通りの気の強い性格をしており、重傷を負って尚前線に立ったジェンを病室で怒鳴り散らした挙句、頰を思いっきりつねるという蛮行に出るなど、非常に気性が荒い(これを見たメイラとスズミは「迂闊な負傷は絶対に出来ない」と震え上がった)。だがそれは軍医、つまり医者として患者の命を何としてでも救うという強い意志と仲間を心配する優しさの裏返しであり、実際も重傷(大火傷)が原因のショックを起こして倒れたジェンを、回復が絶望的であることを承知で尚懸命に治療しようとしたり、その後無事に回復したジェンへ見舞いの品を両手に抱えて持って来たりと、強靭な精神力や気遣いとしてもその性質が表れている。


 また(下っ端とは言え)軍医という比較的高い立場に身を置いていたからか、教養にも富み、裕福な家の出身ということもあってほとんど世間に触れないまま士官学校を卒業して軍へ入隊、国境警備軍へ配属されたにも関わらず、たった数日の帝都シュダルトでの生活やジェンの発言からアレストリアの抑圧されている現状を見抜いた。


 戦闘においては、非戦闘員であるため戦線に出ることは無いものの、いち早く負傷者を保護、手当てするべく前線には積極的に出る。また戦場においては護身のために実弾拳銃一丁と手榴弾を複数個携帯しており、射撃の腕は中々のもの。



【能力:自己強化系・超回復】

 サシェの持つ「能力」。対象の霊力の残存度合いに応じ、対象の体内の血糖を消費して肉体を強制回復させる「能力」。元来は自身の霊力の残存度合いに応じて自身の肉体を回復させる、いわゆるリジェネ系の「能力」なのだが、彼女は自己強化系の「能力」の性質(詳しくは用語解説へ)を応用、負傷した対象に触れることで対象にも身体強化を掛け、自身ごと対象の肉体を回復させるという回復系の「能力」へと昇華させている。


 回復速度もジェンの致死的な大火傷をほんの数十秒で回復させるなど凄まじく、戦場において重宝されることが目に見える「能力」だが、肉体の回復は霊力の残存度合いにのみ依存しているため、対象が霊力を消耗した状態だと完全に回復しきれず(ジェンの腹に火傷痕が残ったのはこのため)、出血多量など血糖が足りない状態で「能力」を使用すると重度の低血糖(回復そのものは血糖量の多寡に左右されないため)により昏倒し、最悪そのまま死亡する危険性がある。


 ちなみにサシェ自身、この「能力」やその使用を徹底的に嫌っている。と言うのも、「能力」保持者である以前に医者でもある彼女にとって、霊力という枯渇さえしなければほぼノーコストで使える力で肉体的損傷を回復させることは、今まで医学を発展させてきた先人の努力や偉業、患者自身が持つ傷を治す力という、医者として信じなければならないものを全否定するのと同義だからである。


 ……なのだが、スズミに諭されたことをきっかけに自身の「能力」に対する考えが少しだけ変わった模様。絆されてる?





◯帝国陸軍 / 第一〇三防衛大隊





メイラ・エンティルグ

 →対「能力」保持者部隊「メイラ・エンティルグ」を参照。




ケイ・オミウ

年齢:26歳

性別:男

≪霊力データ≫

-SECRET-

≪TIPS≫

 アレストリア帝国陸軍に所属する軍人。階級は軍曹。アレストリア帝国陸軍第一師団所属・第三機動防衛大隊(通称、第一〇三防衛大隊)副大隊長(副隊長)。


 出不精のメイラを凱旋の酒宴に誘い出した気の良い男。彼女にとりわけの信頼を置かれている人間の一人であり、軍人としてでない、本来の彼女の姿を知る数少ない人物。かなりの世話焼きらしく、酔い潰れたメイラをおぶって居住施設へ送り届けるなどした。





◯中央政府





皇帝

年齢:52歳

性別:女

身長:159cm

体重:47kg

≪霊力データ≫

-SECRET-

≪TIPS≫

 アレストリア帝国第二十一代皇帝。アレストリア帝国国家元首及びアレストリア帝国軍元帥。


 潤んだ黒の長髪に黒い瞳を持つ女性。色白な肌と銀の髪留めが特徴。国務、特に他国または他民族からの侵略や国内の反乱分子に対しては敵味方問わず犠牲も厭わないなど厳しい態度を取るが、調停の場で自身に攻撃を仕掛けてきた東方民族(ノリッチ)の首長を「敗者に対して血も涙もないというのは些か狭量が過ぎるというもの」として一度牢に入れ、再考の余地を与えるなど、寛大な措置を取ることも。


 そんな彼女だが、実際は混沌を憂い、民草の安寧を日々願う慈悲深い性格の持ち主であり、中心地区で起きた「能力」保持者殺害事件の犯人を治安維持部隊が見つけ出せない現状をアレグリアが謝罪した際には「(貴女達は悪くないのに)どうして頭を下げる必要があるのかしら」と宥めたり、彼女の勅命により「能力」が無いにも関わらず「能力」保持者を率いることとなったメイラに「この国を守れるだけの力を十分に持っているのですから」と激励したりと、周囲を元気付け、奮い立たせるような言動が目立つ。


 また対「能力」保持者部隊の隊員全員の役職や入隊して一日しか経っていないジェンの存在を把握しており、彼等と直々に握手をするなど、下級の人間に対する気遣いも細やかであり、ジェンからは「本当に凄い人」「並大抵の気遣いじゃあ無理」と絶賛されている。


 しかし、このように聖母のような彼女であっても一国の元首。疎かな治世による治安悪化の元凶というわけだが、心を痛めている素振りが無いあたり、どうもそれに関心が無いようである。それが単純に自らの悪政を何とも思っていないだけなのか、それとも何かが原因で気付いていないのか、未だ不明のままである。


 ちなみに対「能力」保持者部隊の発足式の際、セレスと握手をしようとした彼女の挙動がほんの一瞬だけおかしくなる様をジェンが目撃している。彼が目撃した彼女の挙動不審の真意を、メイラとスズミは何か知っているようだが……?




アレグリア・スファロウス

年齢:?歳

性別:女

身長:138cm

体重:??kg

≪霊力データ≫

-UNKNOWN-

≪TIPS≫

 中央政府宰相及びアレストリア帝国軍元帥補佐、並びに帝国陸軍第十師団・隠密大隊大隊長。


 アレストリア帝国で皇帝に次ぐ権力を持つ、透き通るような金の髪と薄紅色の瞳が特徴の女。アレストリアのナンバー2。普段はローブのフードを目深に被っており、顔を見せるようなことはしないが、忠誠の表れなのか、皇帝にだけはフードを脱いで接している。


 基本的に忠実な性格で皇帝のことをよく気にかけており、書簡をしたためる彼女に声をかけ、その内容を伝えられた際には根回しを進んで実行しようとするなど、非常に機転が利く。また強い責任感も持ち合わせており、中心地区における「能力」保持者殺害事件の犯人を治安維持部隊が見つけ出せていない現状を、彼女の管轄でないにも関わらず働きかけが不十分だとして膝をついて謝罪した。


 ……と、ここまで見れば真面目な文官なのだが、その本性は某跳躍少年誌の呪いの王のように己の快不快のみを行動基準とする、残虐非道を極めた悪女。自らの持つ権力を濫用、中央政府を手中に置いて悪政と言う悪政を敷き、他国に火種をばら撒くアレストリア帝国退廃の元凶。メイラからは「真正の魔女にして生粋の外道」と評されており、実際に「負け犬だから」という理由だけで捕縛された東方民族(ノリッチ)の首長の頭を、気分を高揚させながら踏みつけ蹴り倒した挙句、「ちょっとイライラしたら憂さ晴らしに」という子供じみた理由で殺害宣言をするなど、非常に悪辣。これらの残虐性は自らが大隊長を務める隠密大隊にも向けられているらしく、シンが彼女をクソ野郎呼ばわりする理由はここにある。セレスが常日頃怯えている原因もここにあるらしい……?


 またやはりと言うべきか、皇帝の前での態度も全て演技であり、中央政府においても帝国軍においても重鎮的な役職に就いているにも関わらず、これら全てを「(皇帝の)ご機嫌取り係」程度にしか思っていない。また皇帝に対する忠誠心も低いどころかアイツ呼ばわりして見下しており、彼女自身、皇帝の前で示す恭しい態度を「大劇場の主役並みの演技力」と自賛している。


 ここまで苛烈な行為をすれば彼女を糾弾し、対立する人間が一人でもいそうなものだが、アレストリアにおいては一人を除いて誰も居ない。と言うのも現状、帝国軍の将校や中央政府の高官の約半数が彼女に買収され、かつて存在した彼女の反対勢力は革命軍に寝返った後に弾圧されており、その他にいたとしてもメイラ曰く「軒並み陥れられるか不明な手段によって惨殺されている」らしく、反対派の人間はほぼ皆無に等しい状況となっている。


 そしてここまで名前の登場頻度が多いと流石に察しがつくだろうが、アレグリアに真っ向から対立している一人の人間とはメイラのことであり、彼女自身、メイラに「その可愛くない面を削ぎ落としてやりましょうか」と殺意を向け、どんな上官にも基本礼儀正しいメイラも彼女に対して投げやりな態度を取るなど、他に類を見ないほどの犬猿の仲である。


 本来であれば自分が一度不快と判断すれば例え大佐という高位の人間ですら簡単に首をすげ替える彼女であるが、メイラに対して不快に思い、唾棄するほど嫌っているのは事実であるものの、実際に彼女と戦闘を起こすことは避けている傾向がある。また、これほどの残虐性を持ち、民草を虐げて国を腐敗させている人物がすぐそばにいるにも関わらず、皇帝はそれに全く気付いていない様子である。これらには何か理由があるのか……?





◯その他





ティモス・トント

年齢:50代後半

性別:男

≪霊力データ≫

無し

≪TIPS≫

 「ギルド」のマスターを務めている、蓄えられた白い顎髭が特徴の初老の男。「ギルド」一の依頼解決件数を誇るジェンへ面と向かって礼を言うなど義理堅い一面がある一方、契約違反である「復讐代行」に抵触するような依頼に貧民街の安定化のためという口実を付けて「敵勢ギルド」に任務として遂行させるなど、賢しい一面もある。


 その正体はかつて帝国軍によって徹底的に弾圧された革命軍の現・元帥。表向きこそ革命を諦め、穏やかに「ギルド」を運営しているように見えるが、裏では「敵勢ギルド」を利用して何かを目論んでいるようである。それは革命の成就なのか、それとも……?




ルシュク

年齢:14歳

性別:男

≪霊力データ≫

無し

≪TIPS≫

 鉄鋼の街ハークトにて石炭搬入用トロッコの線路を塞いでいた盗賊集団に所属していた少年。癖のある赤毛が特徴。強い口調で物を言われると何も言い返せなくなってしまう、気の弱い性格の持ち主。


 貧民街の出身。虚弱体質ゆえに両親に見捨てられてしまい、食糧を求めさまよい歩くも周囲からその非力さを蔑まれ、遂に力尽きそうになったその時に盗賊集団の頭目と出会い、彼に命を救ってもらった過去を持つ。そのため当初は頭目に一生ついて行く思いでおり、仲間から冷やかしを受けても耐えていたが、不正売買の現場を目撃してしまった上に自分も近いうちに売り飛ばされることを知ってしまい、しかしそれを知ったところで自分に何が出来るはずも無く、ハクアとラルフ、リゼルによって盗賊集団が一網打尽にされるまで絶望の日々を送っていた。


 盗賊集団捕縛後は犯罪行為に加担したとして治安維持部隊に身柄を引き渡されることとなるが、その直前に自身の悲痛な心情をハクアに吐露したことで彼女に慰められ、これをきっかけに自らの非力を克服し、何時の日か三人に恩返しをすることを決意。意気揚々と治安維持部隊の詰所へ向かって行った。


 ……のだが、シンからは隠密大隊に放り込まれ、アレグリアによって悲惨な末路を辿る未来を心配されている。彼の運命やいかに?





用語解説





◯アレストリア帝国

 登場人物紹介(1)を参照。




◯シュダルト

 登場人物紹介(1)を参照。



→貧民街

 登場人物紹介(1)を参照。



→中心地区

 中央政府(詳しくは下記参照)を取り囲むように定められた特別地区。ほとんどの貴族または富裕層(両者とも、主に中央政府の文官の地位を持つ者)が屋敷を構える土地であり、中心地区警護隊(詳しくは下記参照)によって厳重な警備がなされている。出入りには中心地区特別身分証を必要とし、一般人は基本立ち入り禁止。ちなみに、区画ごとに中央政府へ向かって左上から一番地、二番地、三番地、四番地の順に番地が設けられている。また地価は中心に近ければ近いほど高くなっていくという特徴もある。




◯ハークト

 アレストリア北部に位置する、鉄鋼業が生業の町。盗賊が石炭搬入ラインを塞いだと聞いた直後に彼等の寝込みを襲って赤熱した鉄屑をぶちまけようとしたが、色々と話し合った結果、大人しく治安維持部隊へ撃退を要請したらしい。




◯イルビエラ

 アレストリア南部に位置する、最南端の川港の周辺で栄える町。海が近く、南方には水平線が見える。魚を使った料理や酒が美味しい。




◯デルノレ

 アレストリア南部に位置する、西寄りの海岸に面した田舎町。海賊が度々出没しては町を荒らしていたが、ジェンの活躍により全て鎮圧された。町長の人の好さは全町民が認めている。




◯レーナン

 アレストリアの西部国境付近に位置する、辺境の村。「禁足領域」に接している村であり、初代皇帝の没地であるとされている。ジェンの出身地でもある。



→「禁足領域」

 レーナンに隣接し、国境を跨ぐように位置する巨大な球形の領域。一見すると何もなく、周囲と同様に荒野が広がっているように見えるが、実際には「瘴気」と呼ばれる不可視、不可触の壁のような何かが国境付近の地点を中心として球形に常時展開されており、域内に足を踏み入れた人間はことごとく発狂して廃人になるという恐るべき場所。この為、帝国はアレストリア国民の「禁足領域」及びその周辺の一定範囲への侵入を全て禁止している。




◯東方民族

 アレストリア帝国陸軍・東部国境警備軍の二割を薙ぎ倒してアレストリアの領土へ攻め入ってきた民族。アレストリア東部国境付近の森林地帯を住処としてるため、アレストリアでは東方民族と呼称されているが、正式には「ノリッチ」という民族名がある。最終的にメイラ率いる第一〇三防衛大隊によって鎮圧され、首長が捕縛されたことで降伏した。ちなみに彼等、「呪術」と呼ばれる謎の技術と高い性能を持つ武具を多数所持しており、また全体的に人間より背丈が小さく、未知の言語を使用する。アレストリアとは異なる文化を持つ種族なのだろうか……?




〇チェシェリオ、オルテビュラ

 アレストリアの遠方に位置する大国。そもそもアレストリアのあらゆる国交がほぼ断絶状態にあるためか、両者共にアレストリアとの関係は芳しくなく、特にオルテビュラからは度々軍を送り込まれているが、帝国陸軍(下記参照)がその都度撃退している。



〇霊力

 登場人物紹介(1)を参照。デメリットの詳細は用語解説「霊力切れ」「霊力喪失」を参照。



→霊力量

 登場人物紹介(1)を参照。



→霊力の強さ

 登場人物紹介(1)を参照。



→霊力切れ

 霊力が欠乏している状態、またはその際に出る症状のこと。軽症だと発汗、動悸、息切れ、失神(立ちくらみ)など、一時的な休息で回復する程度の症状で済むが、重症になると意識の混濁や視界の不鮮明化などの意識障害が現れ、数日の休息を必要とする場合がある。熱中症みたいだな。



→霊力喪失

 霊力を全て失い(使い切り)、自然回復出来なくなった状態のこと。この状態になった人間は植物状態に近い状態となり、肉体の機能が停止するまで意識が戻ることは無い。現在のアレストリアではこれを回復させるだけの技術が無いため、特別な事情が無い限り、霊力喪失を起こした時点でその人物は死亡扱いとなる。




◯「能力」

 登場人物紹介(1)を参照。



→能力系統

 登場人物紹介(1)を参照。



⇒自然現象系

 登場人物紹介(1)を参照。



⇒超常現象系

 登場人物紹介(1)を参照。



⇒自己強化系

 登場人物紹介(1)を参照。



→身体強化

 登場人物紹介(1)を参照。



→身体強化率

 登場人物紹介(1)を参照。



→霊力耐性

 登場人物紹介(1)を参照。



⇒衝撃耐性

 登場人物紹介(1)を参照。



⇒高温耐性

 登場人物紹介(1)を参照。



⇒低温耐性

 登場人物紹介(1)を参照。



⇒電撃耐性

 登場人物紹介(1)を参照。



⇒閃光耐性

 登場人物紹介(1)を参照。



⇒音耐性

 登場人物紹介(1)を参照。



⇒対人有毒物質耐性

 登場人物紹介(1)を参照。




◯術式

登場人物紹介(1)を参照。



→術者

 登場人物紹介(1)を参照。



→一般化術式

 登場人物紹介(1)を参照。



⇒一般化

 本来「能力」保持者が自らの「能力」制御の為に使う術式を万人に使える術式にするための技術。「何を」「誰が」「どうしたいのか」という三つの情報が必要とされる術式において、「誰が」の部分を一般化することで術式に「誰が」の部分を明記せずとも術式が成立し、霊力さえ込めれば全ての人間が同じ効果を発揮出来る術式を作ることが可能となる。



→霊力負け

 登場人物紹介(1)を参照。



→空間転移術式

 登場人物紹介(1)を参照。




◯「龍刃」&「煌刃」

 登場人物紹介(1)を参照。




◯「ギルド」

 登場人物紹介(1)を参照。



→革命軍

 登場人物紹介(1)を参照。



⇒白い髭の男

 登場人物紹介「ティモス・トント」を参照。




◯「敵勢ギルド」

 登場人物紹介(1)を参照。



→「彼」

 登場人物紹介「ゼド・バートン」を参照。




◯中央政府

 政府とも呼ばれる、アレストリア帝国の政治中枢。帝都シュダルトの中心に位置しており、国土の南北に伸びる大通りの起点。立法、行政、司法の機能が集約されている他、霊力研究開発局の運営も行う。国家元首である皇帝が最高権限を持つ。ちなみに自由な出入りは流石に不可能だが、門番である中心地区警護隊に一言言えば割と簡単に中へ通してくれる。と言うのも、中央政府で何か粗相を起こしてもすぐに鎮圧、捕縛が可能と言う絶対的な自信の表れなのである。



→中央宮殿

 アレストリア帝国の皇帝が代々身を置く住まい、かつ公務を行う場所。中央政府の中心に位置する一際背の高い建物、その上層に位置している(下層は霊力研究開発局)。




◯帝国軍

 陸軍十個師団、海軍八個艦隊から構成される、アレストリア帝国が最強たる所以とされる軍事組織。皇帝が元帥であり、最高権限を持つ。十八歳から志願出来る。



→士官学校

 帝国軍が運営する、幹部候補生を育成するための学校。尉官以上の地位に就くまたは軍医になるにはここを卒業していることが必須条件となる。十六歳になる年から入学可能で、卒業までの期間は三年。メイラ、ケイ、スズミ、サシェの四人が入学、卒業している。




◯帝国陸軍

 十個師団から構成された、陸上に関する軍事行動を担う軍隊。全ての師団や大隊、小隊には序数が付いており、数が小さくなるほど高い軍事的権限や発言権を持つ。第一~第五師団は遊撃や侵略、第六、第七、第八師団はそれぞれ西部、東部、北部国境の警備及び防衛、第九師団は国内の治安維持、第十師団は諜報や暗殺と、それぞれの師団が役割を持つ。



→帝国陸軍第一〇三防衛大隊

 正式名称「アレストリア帝国陸軍第一師団所属・第三機動防衛大隊」。隊長は帝国陸軍大佐(一等佐官)であるメイラ・エンティルグ。第一師団で唯一、防衛のみを任務として引き受ける大隊である。規模は約百人と大隊としてはかなり小規模だが、その生還率、作戦成功率は共に十割を切ったことが無いという凄まじい戦績を持つ。隊員の一人一人の練度が非常に高く、屈指の少数精鋭部隊として国内外にその名を轟かせている。ちなみに隊員は例外無くメイラの事を深く慕っており、特に酒宴での彼女の扱いは最早アイドルのそれである。ケイが所属している。



→治安維持部隊

 帝国陸軍第九師団に属する、部隊単位としては帝国軍最大の人数、規模を誇る部隊。国内の区分毎に詰所を置いて国内の警備を行い、犯罪者を拿捕するなどしてアレストリア全土の治安維持を役割とする。また「ギルド」と連携協定を結んでおり、治安の悪さゆえに長らく手を付けられなかった貧民街の治安改善に近年、力を入れている。ちなみに、規律が比較的緩いからか、やけに偉そうに接してくる人間や、越権行為であるはずの税の取り立てを行う隊員が、辺境においてしばしば見受けられる。



⇒シュダルト警備隊

 治安維持部隊の派生組織。シュダルトの治安悪化を特に防ぐ為に治安維持部隊から新たに組織された部隊で、治安維持部隊と同じく国民を拿捕する権限を与えられており、シュダルト内の治安維持を役割としている。隊の雰囲気がとても明るく、何とはなしに体育会系っぽい。シグネが所属している。



⇒中心地区警護隊

 治安維持部隊の派生組織。中心地区の警備を行う為に治安維持部隊から新たに組織された部隊で、こちらも治安維持部隊と同じく国民を拿捕する権限を持つが、その他も含めた総合的な権限はシュダルト警備隊より高い。中心地区に住む政府要人や貴族、富裕層を警護対象としており、また中央政府の門番の役割もあるため精鋭が揃っており、実質シュダルト警備隊の上位互換にあたる。隊全体として何人にも礼節を重んじる気質を持つ。スズミが対「能力」保持者部隊に転属する前に所属していた。ちなみに儀仗隊としての役割もあるため、隊の中には美男美女しかいないと言う特徴がある。



→国境警備軍

 アレストリア帝国の国境を警備する役割を持つ師団。第六〜第八師団までがこれに該当し、第六師団が西部、第七師団が東部、第八師団が北部の国境をそれぞれ警備している(南部は海に面しているため、帝国海軍の管轄)。帝国軍の特性上、序数が小さいほど高い権限を有しているので、西部国境を警備する第六師団が最も高い権限を有しているのだが、その理由は西部国境には荒野が広がっており、北東から東部にかけて森林地帯で覆われている東部国境や険しい山岳地帯を抱える北部国境と比べ、国境に沿って防壁が設置されているとは言え、地形的防御がほぼ皆無なので警備の負担が大きく、必然的に練度の高い将校や兵が配置されているからである。サシェが対「能力」保持者部隊に転属するまで、軍医として第六師団に所属していた。



→暗殺部隊

 正式名称「アレストリア帝国軍第十師団・隠密大隊」。大隊長は帝国軍元帥補佐であるアレグリア・スファロウス。名前の通り、反国家的な態度を示す要人の暗殺や要警戒対象の諜報を任務として請け負う大隊。隊員のほとんどが身寄りの無い子供(不正売買によってアレグリアに買われた子供も含む)で構成されているのが特徴で、隊員のおよそ四割が十五歳未満、二十歳未満ともなれば九割を超える。仕事が仕事であるためか疎まれている傾向があり、姿を見たがる人間はほぼ皆無に等しい。また政府内で最も地位が低く、シンはこの部隊を「年端も行かない子供が消耗品扱いされる、ドブよりも最悪な部隊」と評している。七年前まではシンが所属しており、現在はセレスが所属している。




◯対「能力」保持者部隊

 正式名称は「特殊部隊・対『能力』保持者部隊」。大隊長は帝国陸軍大佐(一等佐官)のメイラ・エンティルグ。中心地区で発生した「能力」保持者殺害事件をきっかけに皇帝が「能力」保持者が徒党を組み、反国家的な活動をしている可能性を憂慮した結果組織された、陸軍にも海軍にも属さない、大隊長以外の隊員が全て「能力」保持者のみで構成された部隊。「『能力』を持つ敵対者及び敵対組織の鎮圧、無力化」を目的に掲げて任務にあたる。ジェンが所属している。




◯帝国海軍

 八個艦隊から構成された、海上に関する軍事行動を担う軍隊。全ての艦隊や大隊、小隊において序数が少なくなるほど高い軍事的権限や発言権を持つ特性は帝国陸軍と同様。第一~第三艦隊は主に他国からの防衛及び版図拡大、第四〜第六艦隊は海兵隊、第七〜第八艦隊は海岸線及び海上警備を担う。



→海上警備隊

 帝国海軍の第七艦隊と第八艦隊のうち、大型帆船で海上を警備している部隊の総称。海賊や密猟者、不法入国者を取り締まる、海軍版治安維持部隊。海岸の区画ごとに設けられている海軍の詰所から出動要請を行える。




◯霊力研究開発局

 中央政府が運営する研究施設。通称、開発局。2000〜3000人程度の研究者が集い、日々霊力や「能力」に関する研究、そして術式兵器(詳しくは用語解説「術式兵器」へ)の開発、改良に勤しんでいる。今でこそ霊力研究において無くてはならない存在である一般化術式を開発したのもここであり、「能力」保持者に関しては専用の術式を生み出すなど、アレストリアの軍事力、果ては国力の生命線となっている。



→術式兵器

 一般化術式によって様々な効果が付与された武具のこと。霊力研究開発局が開発、生産しているものを指し、霊力砲のような武器からコンバットスーツ的な防具、さらには飛行ユニットまで、幅広い意味を持つ。スズミの銀の槍もこれに該当する。



⇒霊力砲

 術式兵器の一つ。一見すると実弾銃よりも簡素な見た目をした銃であるが、その実は込められた霊力を一般化術式によって光と熱に変換、一点に収束させて銃口から放つという、中距離範囲内であれば実弾銃以上の貫通力と破壊力を誇る兵器。型によって射出される弾が異なり、拳銃型霊力砲では連射の効くエネルギー弾、小銃型霊力砲だと貫通力抜群の熱線を射出する。ちなみに、込められた霊力を全て光と熱に変換出来るわけではなく、変換しきれなかった使用者の霊力はエネルギー弾や熱線と共に射出される。この性質をなぜか知っていたラルフは風見鶏の洋館にてユーリアの小銃型霊力砲の熱線から霊力を補給していた。



→術式兵器(?)

 無法者の間で近年所持者が急増している、術式兵器に似た武具。貧民街を中心に出回っているものの出所が一切不明であり、レギンやユーリアが疑問に思っている。

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