第3話 ふたりのヒカル
「おはよう。こうちゃん、早く食べないと
「えっ、おま…何?えっ?」
「ば、ばあちゃんから
「こらこら、
父親がソファで新聞を読みながらワケの分からない事を言っている。
「どうせ
あの女もしれっと
「もう!たった2人の
幸太郎は
バン!!
母さんが
口にこそ出さないが幸太郎だったら良かったのにと思っているに違いないはずの人の
「ヒカル。」
思わず
「なぁに?こうちゃん。」
ビクッと
「お前じゃない。お前のことじゃない!」
「私よ。
光を
「お前、オレの家族をどうした?ヒカルは!?」
「なかったでしょう?」
「何が?」
「こうちゃんの部屋に人と
そのことには幸太郎もすぐに気がついていた。
「……本来はあるはずのない
女が部屋を
「ヒカルくん…ねぇ。そんな人いた?」
「は?」
「私が光だもの。」
「バカを言うな!」
「じゃあ、教えて。その人ってどんな子だった?どんな顔をしてた?好きな食べ物は?何が
幸太郎は何かを
なのに、こんなにモヤがかかるような
「ビックリした?うろ
「俺たちに何をした?返せよ!ヒカルを返せ!」
「ははっ。」
青ざめて自分に
「それはこっちのセリフよ。大事な
「何なんだ?何がしたいんだ!!」
幸太郎は振り向いた自称・光の視線に凍りついて息を飲んだ。そこから一歩も動けなくなった。
「オレの家族はどうしたとかアンタがそれ言う?そっちこそどうしてくれんのよ!アンタのせいで無くなっちゃったじゃない!私はどこに帰ればいいの!」
怒り?憎悪?殺意?絶望?
きっと全部だ。
10代の女の子のするような目つきじゃない。
「アンタが…アンタが余計なことするから…。
世界が
遠藤りさが死ぬはずの過去を!私が存在するハズだった未来も!」
昨夜はヤバいヤツらが来たと思ってた。
でも、そうじゃなかった。分かってしまった。
幸太郎のしたことは人助けじゃなかった。
「お前は誰だ?」
ややうわずった声で幸太郎がたずねる。
「光だって言ったでしょ。別にいいじゃない。生きてる人間を消したわけじゃないんだから。アンタと違ってね?」
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